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希望にも格差があるのか

ロバート・ライシュ 恐ろしい本を手にしてしまったよ。 その本のタイトルは「希望格差社会」という。なんと残酷なタイトルなのだろう。これからの日本は、希望を持てる者と、持てない者とが差別されるようになるということだ。たった二割の成功者以外は、大卒であろうが高卒であろうが「希望」とは無縁の人生を歩む事になる。そんなきびしい現実。今の学生たちのことを思うと胸が苦しくなってくる。 しかし、著者の山田昌弘氏の本意はそれではない。少子化とグローバリゼーションに流される、日本社会の構造変化への警句だ。この流れに抗するのは容易ではない。しかし、我々自身がこの奔流に流されているという自覚を持つ事で、崩壊する労働環境にある日本社会の脱却点をみつけることができるかもしれない。そう望むからこそ、このような恐ろしい本を書いたのだと思う。

奇跡のミステイク

ノーベル賞受賞者らしからぬ、この優しい笑顔。 北大名誉教授の鈴木章先生。おだやかで謙虚な「いい人」なのだろうな。漠然とそう思っていた。 北海道大学総合博物館で、 鈴木-宮浦「クロスカップリング」 の展示コーナーを見て、その印象はさらに深まった。在任当時の先生の研究室を再現したコーナー。実物の机や研究室備品が展示されていた。どれも、先生の飾らない質素な研究生活ぶりを示している。手回し式計算機、時計、ペン立て、どれもこれも全く普通のものばかり。高級品や贅沢な嗜好品などは何もない。 「鈴木章・ノーベル化学賞への道」(北海道大学出版)を買って読みました。「クロスカップリング」についてわかりやすい解説が載っているし、この研究がどのように進んで来たのか、面白いエピソードが満載。 この本の中で注目したいのは、鈴木先生に起きた「偶然のミステイク」の話だ。

安全運転

盛大に黄色く染まったイチョウ並木。出張先の札幌で、空き時間に北大のキャンパスを歩いた。土曜日なので、明らかに学生ではない(観光客)みなんさんが、思い思いにカメラを構えていた。 北大の前身である、札幌農学校の基礎を作ったクラーク博士。いつかクラーク先生の胸像にお目にかかりたいと思っていたが、ついにそれが今日かなった。感激。それに、この胸像のあるあたりの環境がすばらしいサクシュコトニ川が流れる広場がバックにあって、博士の遠大なる理想の大きさを語っているようだ。ボーイズ・ビー・アンビシャス。クラーク博士が日本の若者に残した言葉。ボーイズ・ビー・アンビシャス。少年よ大志を抱け。 ところでこの言葉、いまの学生諸君はどう受け取っているのか。

リアル・ヒーロー

自然エネルギーヒーロー「ウサンクス・ジョーンズ」 スーパーヒーロー逮捕される。 新聞でこんな見出しを見たのは10月10日。「んん?」っと思わずズーム・イン。シアトルの街をパトロールするヒーロー「フェニックス・ジョーンズ」の話でした。彼はテレビや映画の主人公ではなく、ベンジャミン・ジョン・フランシス・フォーダーさん(23)という実在の人物。運転手を職業とする普通の青年なのです。自分の車が車上荒らしに合ったことがきっかけになり、自主的パトロールをはじめた。(☆1)毎夜、自主的に夜のシアトルの街を見回り、暴力に合う人を助け、犯罪につながりそうなトラブルを解決している。 その彼になにがあったのか?事件のいきさつを、昨日の サンケイEX で読んで納得。いつものようにパトロールする「フェニックス・ジョーンズ」は、10月9日未明、ケンカをしていた男女に催涙スプレーを吹き付けた。しかしケンカは彼の誤解で、女性を含む4人が手当を受け、ジョーンズは逮捕された。その後彼は不起訴となり、今ではパトロールも再会。よかったよかった。ヒーローにも勘違いはあるよね。ウルトラマンだって時々やってたよ。変身用のベータカプセルが逆さだったり。

Wドンキー両面作戦

3D画像で見る >>> 左の方は、城田正孝(しろたまさたか)といいます。草食系男子。きれいずきで家事万能。児童相談所の仕事を天職と信じ、可哀想な家庭環境の子供の面倒を見ている。松田翔太さんが演じています。なぜか「ドンキ・ホーテ」の扮装。[☆1] 右、鯖島仁(さばしまじん)さんです。泣く子も黙る、鯖島組の組長。考えるよりも手が早い、古典的な武闘派。義理と人情で組をまとめ、一族の跡目争いのトップを走る。高橋克実さんが演じる。 このふたりが、天の意思による突然の超常現象によって入れ替わる。[☆2] 中身の入れ替わった二人が、それぞれ、慣れない「職場」で、新境地を発見していく。自分が「苦手」だと思っていた「職場」でも、意外にパワーを発揮してしまう。そこがこのドラマ「ドンキホーテ(NTV)」の面白さです。

生き残るヤツら

3DFlashで見る >>> 最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き残るのでもない。 唯一生き残るのは変化する者である。(ダーウィン『種の起原』より ☆1) 環境の変化に適応できた種のみが生き残る。これが「進化論」の中心理論だ。地球上で現在繁栄している生物種は、いずれもなんらかの形で、そのサバイバルに成功して来たものたちである。人間はその頂点に立つ。一方で恐竜のように、ある時期に繁栄を極めても、その後の急激な環境変動についていくことができずに絶滅してしまったものもある。 環境に対して適応して生きる能力のことを、システム工学では、「ロバストネス」というそうだ。生物の世界でも、シロクマは極寒の環境に対して「ロバストネス」がある、というように使う。台風でも倒れないヤシの樹は、強風に対して「ロバスト」である、といった使い方もする。癌細胞はさまざまな薬に対して「ロバスト」である。生物は自分が生きている環境に対して何か「ロバストネス」を持っている。(☆2)

ロボット対決・U18だ!

本日、東京工科大学のインテブロは「WRO JAPAN 2011 (☆1)」の映像配信を行いました。「WRO」とは、子供達による、自律型ロボットのコンクール。このコンクール本当に面白いんですよ。観戦する大人達も夢中になるほどです。 何が素晴らしいって、このコンクールは小学生や中学生が頑張る姿が素晴らしい。しかもグループで力を合わせて戦う姿がとてもいいんです。いまどきの子供は、なかなか友達どうしで協力し合う機会が少ないかもしれない。でも、このコンテストでは、なによりチームワークが大事なんですね。