Flash王国ふたたび

ことしも花をつけたシャリンバイ


職場の慣例なんだけど、今年のゴールデンウィークもしっかりとお休みをいただくことができた。といっても、とくに出かけるあてもないし、出かけたとしても人混みは嫌いなのですぐ帰ってくるに決まっているので、引きこもり三昧の10日間であった。

ふと気がつくと、庭のシャリンバイが、白い小さな花をつけていた。このシャリンバイは、どこからか飛んできた種がひとりでに芽を出して大きくなったもの。今では大人一人くらいの大きさに育った。

成果はあった。それもかなり充実した成果かもしれない。Swiftを本格的に勉強し始めたのが昨年の暮れだったので、これで5ヶ月。やっとの事で、思うようなコードも書けるようになった。以前、Flash Action Script で書いていたアルゴリズムが、大体おなじように書けるのが嬉しい。このことに気づいている人は、どれくらいいるのだろうか。ADOBEの心変わりに愛想を尽かして、Flashを見捨てた人も多いとは思うが、おそらくFlashの財産は、そのままSwiftの開発で使えるのではないかと思う。

もちろん、すっかりおなじAPIが揃っているわけではない。でもSwiftがオープンソースとなった今、Flash用のライブラリを作っていた猛者たちが、もう一度腕をふるうということも期待出来ると思う。

シャリンバイは、毎年繰り返し花を咲かせる。おそらくコンピュータプログラムの世界でもそういう繰り返し盛衰する勢いというものがあるのではないだろうか。僕としては、あのFlash王国が、敵国Appleのお膝元で、もう一度建設されて、かつての夢が再現されることをまぼろしのように想像している。


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