SCP-CN-1999
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本ページは地球暦2530年07月09日に編集されました。


アイテム番号: SCP-CN-1999

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-CN-1999の収容は不可能です。現時点の技術では、SCP-CN-1999を捕捉することもできません。しかし、現段階では対象は極希に地球でのみ発生しているため、さらなる処置は不必要と考えられています。

説明: SCP-CN-1999は地球上空に発生する未知の実体です。観測者が大気圏以内に居るとき、実体はいつも観測者の真上に位置します。観測者が大気圏を離脱すると、対象を観測することができなくなります。SCP-CN-1999実体は特殊な素材で構成されており、短時間に発生または消滅しますが、その原理は未だに明らかになっていません。対象を収容する試みやその結果については、実験ログCN-1999-Aを参照してください。

発生例ごとに、SCP-CN-1999の形が異なりますが、発生地域における人類の想像行為との関連性が疑われています。ある地域の人間が、空に対してより豊かな想像力を有する時、SCP-CN-1999は当該地域でより発生しやすくなります。この際、対象はランダムな想像の産物の形で出現しますが、ときおり過去の発生例と同様の形で発生する場合もあります。このため、対象には過去にかたどったことのある形を記憶する能力があると考えられています。

SCP-CN-1999の発生例において、主に以下のような形が観測されています。

  • 神話や創作における天空または天空に関連する場所や物品。
  • 動物。主に鳥類、魚類または飛行生物。
  • 各種交通機関。交通機関自体が飛行できるかどうかは問わない。
  • 惑星、もしくは「星」と関連するもの。
  • 大気現象。

技術の発展により、SCP-CN-1999の発生頻度は低下しつつあります。現在、対象は1太陽年あたり2〜3回発生しています。SCP-CN-1999の発生頻度に影響を及ぼしたと考えられるイベントについては、ログCN-1999-Bを参照してください。

実験番号: CN-1999-A-1
実験日: 2020/█/██
実験内容: 軍用偵察機を使用しSCP-CN-1999を追従。
実験結果: SCP-CN-1999は常に偵察機の真上に位置する。

実験番号: CN-1999-A-2
実験日: 2093/█/█
実験内容: SCP-CN-1999に向けて宇宙機を発射。
実験結果: SCP-CN-1999は高度を上昇させ、宇宙機が地面から高さ約100kmの位置に到達すると対象は空中で消滅。

実験番号: CN-1999-A-3
実験日: 2102/█/██
実験内容: 中間圏と電離層の中間位置に飛行機を派遣しSCP-CN-1999を追従。
実験結果: SCP-CN-1999は常に飛行機の前方斜め上に位置し、しばらく経つと消滅。

実験番号: CN-1999-A-4
実験日: 2153/██/█
実験内容: 中間圏と電離層の中間位置に浮遊式アーム付の飛行機を5機派遣し、SCP-CN-1999を包囲、収容を試みる。
実験結果: SCP-CN-1999は移動を停止。浮遊式アームが対象に接触した瞬間、接触された部分が消滅。接触をやめると、消滅した部分が30秒ほどで再生成された。しばらく経つと、SCP-CN-1999が消滅。

実験番号: CN-1999-A-5
実験日: 2267/█/██
実験内容: 折りたたみ式アーム付の飛行機3機でSCP-CN-1999の下部を包囲した上、飛行偵察ロボットを派遣し、対象の内部を探査。
実験結果: ロボットはSCP-CN-1999と接触することで対象の内部に突入成功。ただし、対象の素材が極めて特殊なため、サンプルを採取することはできなかった。対象の素材は、各種材料だけでなく、液体や気体、光などの質感や透明度を完全に再現することができ、短時間に再生成する能力を有していることが判明。
備考: 実験CN-1999-A-5でSCP-CN-1999の収容やサンプル採取が不可能と判明したため、またその発生頻度も低下しつつあるため、以降の実験は中止とする。

以下の記録は、SCP-CN-1999発生頻度の低下と関連が疑われているイベントのまとめです。対象の発生頻度が人類の想像力とどれだけの関連性が存在するのかはまだ判然としないため、イベント後のSCP-CN-1999発生頻度が明らかに変動したもののみを記録しました。また、時間の間隔が大きいため、イベントの日付は年のみを注記しました。

2045 グローバルサテライト・ネットワークシステムの構築が完成。人工衛星によって撮影された画像資料は、機密指定のものを除いて任意の場所でアクセス可能となった。
2086 一般家庭向けの飛行機が発売開始、価格は安くなりつつある。20年以内に通常の中流家庭が負担できる値段まで引き下げられる見込み。
2173 観光用宇宙船の営業が開始。個人端末で切符を購入すれば、ターミナルで乗船し外気圏まで到達することが可能となった。
2210 家庭用人工衛星業務が盛んになる。企業に発注すれば、個人でもカスタムの人工衛星を発射することが可能。
2238 深度睡眠補助装置が普及。使用者はより効率よく睡眠をとることができるが、脳内活動は大幅に抑制される。装置は、その他のベッド用品とセットで発売される。
2275 人類の基礎知識があまりにも多く蓄積されているため、学習用埋め込み型マイクロチップを開発し、学習プロセスを早めることで技術の発展を促進する計画が発足。マイクロチップの開発が完了すると、任意による形で提供を開始する見込み。ただし、ほとんどの新生児には埋め込みを実施する予定。
2390 浮遊都市の基盤建設が完了。人口増加のため、多くの国は浮遊都市の建設を開始し、生存圏の拡大を目指した。建設中、大気圏の一部構造が改変される。
2423 高速飛行技術の成熟により、太陽系内の惑星には全て有人探査及び宇宙ステーションの設置が行われた。はじめての太陽系外探査船が発射。同年、国際宇宙空間探査連合の主席による演説で、「我々は地球の構造を完全に理解した」という言葉が歴史に記載される。
2440 家庭用宇宙船が普及。
2465 思考共有システムが稼働開始。個体は自身の思考をアップロードし他人と共有でき、アップロードされた思考により集団意識が形成される。ただし、使用は任意である。
2482 複数の月面都市が建設完了。月面までは公共交通機関で結ばれ、月面都市での居住は任意となった。太陽系内の他の惑星の居住可能化も進行中。地球以外の惑星でSCP-CN-1999を観測した例はない。
2501 火星コロニー建設完了。

この間も、SCP-CN-1999発生頻度の低下は継続しています。一部の娯楽作品、古典作品により、一時的にSCP-CN-1999発生頻度の上昇や形の変化などがありましたが、全体的に見ると依然として低下の趨勢にあります。地球に対する探索がほぼ完了していることや、ほとんどの人類が他惑星に移住し、地球に留まった人類も"天空"に対する想像を欠如していることにより、SCP-CN-1999の発生が大幅に抑制されたと推測されています。他惑星で新たに発見したアノマリーはより多くのリソースを要するため、SCP-CN-1999の優先順位は下げられ、オブジェクトクラスはSafeに格下げされました。特筆すべき変化がなければ、さらなる実験や記録は必要ありません。


本ページは2530年07月09日に編集されました。

脚注
. 以降では、"想像"を「脳内における虚構イメージの創造または受信」と定義します。
. 特別な大気現象かSCP-CN-1999の発生か判別困難な例もあります。
. 古典作品とは、この時期から500太陽年以上前の作品のことを指します。
. 地球上空である大気圏の部分。
ページリビジョン: 7, 最終更新: 21 Feb 2024 12:32
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