SCP-1733-JP
評価: +46

クレジット

タイトル: SCP-1733-JP - プレイヤープレイヤー
著者: ©︎Fennecist Fennecist
作成年: 2018

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mytrombone.jpg

SCP-1733-JP-7。一部編集済。

アイテム番号: SCP-1733-JP

オブジェクトクラス: Safe Neutralized

特別収容プロトコル SCP-1733-JPは現在Neutralizedに指定されています。

特別収容プロトコル: SCP-1733-JP群はサイト-8197の小型防音収容室に、それぞれ動きを制限するよう鎖で拘束された状態で収容されています。実験には収容担当職員の許可が必要です。

説明: SCP-1733-JPは異常性を持つ楽器群の総称です。全オブジェクトは不明な力のはたらきにより解体不可能かつ破壊不可能あるため、SCP-1733-JPの構成物質を特定する試みは成功していません。 現在、SCP-1733-JPの構成物質の特定には成功しています (追記を参照) 。以下は各オブジェクトの情報です。

識別番号 楽器の種類
SCP-1733-JP-1 クラリネット
SCP-1733-JP-2 フルート
SCP-1733-JP-3 オーボエ
SCP-1733-JP-4 アルトサキソフォン
SCP-1733-JP-5 ファゴット
SCP-1733-JP-6 トランペット
SCP-1733-JP-7 トロンボーン
SCP-1733-JP-8 ホルン
SCP-1733-JP-9 ユーフォニアム
SCP-1733-JP-10 チューバ
SCP-1733-JP-11 スネアドラム
SCP-1733-JP-12 ティンパニー

SCP-1733-JPの異常性は演奏に用いられる際に発現します。被験者がSCP-1733-JPを演奏しようとすると、被験者は即座に硬直し異常な物理的耐久性を獲得します。また、被験者の体は演奏しようとした各SCP-1733-JPと同様の音を発するようになり、それに伴い身体の一部が各SCP-1733-JPの演奏に必要な部位 (トランペットならピストン、トロンボーンならスライドなど) と類似した特徴を持つようになります。この影響を受けた部位は肉体的な限界を無視した動きを示します。その後、被験者の身体から既存の楽曲が何らかの編曲がされた状態で演奏されます。演奏が終わると肉体的異常は消失し、硬直は解消します。

いくつかのSCP-1733-JPのケース/カバーには要注意団体"桜桃楽器"のロゴが確認されており、関連性の調査が行われています。

発見: SCP-1733-JPは2016年07月26日、凍田博士が北海道████市にある楽器店で購入したトロンボーンを演奏した際異常性に曝露したことからその存在が判明しました。その後該当楽器店を調査したところ、同様の異常性を発現する楽器が発見され各々収容に至りました。発見時、SCP-1733-JPは中古品として該当楽器店の倉庫に保管されており、全てケースに収納された状態でした。また、該当楽器店の在庫管理数はSCP-1733-JPの数だけ一致していないことが確認されています。SCP-1733-JPの出自調査は継続中です。

実験記録:

実験記録1733-JP-1

対象: D-1254

内容: D-1254をSCP-1733-JP-1 (クラリネット) に曝露させる。

注記: D-1254は音楽経験がない。

結果: D-1254がSCP-1733-JP-1に息を吹き込むと同時に硬直、さらに体側にいくつかの穴が開いた。その後D-1254の体からバッハの"トッカータとフーガニ短調 (Toccata und Fuge in d-Moll) "が演奏され、それに合わせて体側の穴が開閉した。SCP-1733-JP-1は1台しかないにも関わらず、演奏は8重奏であるように観測された。後の映像検査で、穴の開閉は楽曲を演奏する際のクラリネットのトーンホールの開閉に一致していることが判明している。

分析: 身体変化は楽器の特徴に依るようです。まるで、D-1254が楽器に楽器として演奏されているように見えます。- 凍田博士

実験記録1733-JP-6

対象: D-1258

内容: D-1258をSCP-1733-JP-6 (トランペット) に曝露させる。

注記: D-1258はトランペットの演奏経験があり、事前にトランペット吹きの休日を演奏するように伝えてある。

結果: D-1258がSCP-1733-JP-1に息を吹き込むと同時に硬直、その後体側に突起が3つ現れ、首が8cm伸びた。演奏された楽曲はリードの"春の猟犬 (The Hounds of Spring) "であった。また、演奏は5重奏であるように観測された。

分析: 3つの突起はトランペットのピストンに相当する変化なのでしょう。首が伸びたことに関しては、チューニング管を抜いたということなのかもしれません。また、演奏される被験者が演奏しようとしていた楽曲が実際に演奏されるというわけではないようです。- 凍田博士

実験記録1733-JP-7

対象: D-1262

内容: D-1262をSCP-1733-JP-7 (トロンボーン) に曝露させる。

注記: D-1262は音楽経験がない。

結果: D-1262がSCP-1733-JP-7に息を吹き込むと同時に硬直、SCP-1733-JP-7を持つために折り曲げていた右肘が4cm伸びた後、同様に折り曲げていた左肘が伸縮を開始した。演奏された曲目はモンティの"チャルダッシュ (Csárdás) "の独奏であった。

分析: 腕を折り曲げていたことが重要なのでしょう。つまり、折り曲げた両腕がそれぞれトロンボーンのチューニング管とスライドに対応していると考えられます。- 凍田博士

実験記録1733-JP-11

対象: D-1270

内容: D-1270をSCP-1733-JP-11 (スネアドラム) に曝露させる。

注記: D-1270は音楽経験がない。

結果: D-1270がSCP-1733-JP-11を叩き始めると同時に硬直、その後身体全体が[削除済]。演奏された曲目はマッキーの"アスファルトカクテル (Asphalt Cocktail) "であり、スネアドラム以外の打楽器の音も確認された。

分析: 非常に激しい身体変化でしたが、それでも被験者の身体は無事なようです。- 凍田博士

実験記録 1733-JP-15

内容: Dクラス職員たちに全SCP-1733-JPへ同時に曝露させ、"合奏"が可能であるかどうかを調べる。

結果: 楽曲の最後でSCP-1733-JP-12 (ティンパニー) を担当していたDクラス職員の頭部が破裂し、演奏終了後も元に戻らず死亡と判断された。演奏された曲目はカーゲルの"ティンパニーとオーケストラのための協奏曲"であった。

分析: 曲によっては被験者が死亡することが判明しました。楽器破壊を伴う現代的な音楽はそうそうありませんが、念のためこれ以降の実験は中止します。- 凍田博士

補遺: 実験終了から1週間後、SCP-1733-JPの収容室から楽器の音が時々聴こえるという報告がされるようになりました。更に1週間後、全SCP-1733-JPがそれぞれに特有の楽器音を大音量で鳴らしながら激しく跳ねる、飛び回る、ぶつかり合うなどの異常な挙動を見せ始めました。すぐさま確認のためDクラス職員を収容室へ投入すると、SCP-1733-JPは異常な行動を緩めDクラス職員へすり寄る様子を見せました。その後Dクラス職員をSCP-1733-JP曝露させると全オブジェクトは動きを停止しましたが、1週間経過すると再び異常な挙動を振舞い始めました。以上のことから、Dクラス職員を定期的に曝露させることでオブジェクトの異常行動を鎮静化を図る提案がされましたが、実験において死者が出たことから提案は却下され、代替案として現在の収容プロトコルが確立されました。

追記: 2017/██/██をもってSCP-1733-JPはNeutralizedに指定されました。

収容プロトコル制定後からもSCP-1733-JPは依然として異常な行動を示していましたが、2017/██/██に急速にその勢力が衰え始め、翌日に全てのSCP-1733-JPが行動を停止しました。停止後のSCP-1733-JPは全体的に茶褐色に変色し軟化、さらに腐敗臭の発生や一部にカビが見られました。また、耐破壊性の喪失が確認されたため構成物質を検査したところ、亜鉛やカルシウムなどの金属に加え、未知のアミノ酸やタンパク質などの有機成分が検出されました。


脚注
. 管楽器であれば息を吹き入れるとき、打楽器であれば叩き始めるとき。
. 曲の終わりに奏者がティンパニー1台の面を勢いよく突き破る指示がある。
. 非常に激しい行動であったにもかかわらず、どのオブジェクトにも一切損傷はなかった。
ページリビジョン: 19, 最終更新: 21 Feb 2024 12:31
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