■しかく概要
ミャンマー国軍は、2021年02月01日に総選挙で不正があったという主張のもとクーデターを起こし、アウン・サン・スー・チー国家顧問やウィン・ミン大統領、国民民主連盟の幹部など少なくとも45名を拘束しました。現在は、ミン・アウン・フライン将軍が事実上の国家指導者となり、1年間の非常事態宣言を宣言し、ミン・スエ副大統領が大統領代行に就任しています。政権を掌握したミャンマー軍は、非常事態宣言が解除された後に総選挙を行うとの意向を表明しており、その結果を受けて選出された政党に政権を譲渡するとのことです。
このクーデターに対する抗議行動は、ミャンマーや隣接するアジア諸国にも広がっておりに日本国内でも行われています。こうした動きに対して、AnonymousもSNS上などで反応し #OpMyanmar というオペレーションを立ち上げ支援をしています。ターゲットリストを共有し、(D)DoSによりサイトをダウンさせたとの主張をしたり、Webサイト改竄やSQLインジェクションにより盗み出したデータベースの中身を公開したりとこれまでのAnonymousが用いてきた手法を踏襲する形となっています。
そして、先月末頃、その #OpMyanmar において、日本の組織に絞ったターゲットリストが公開されました。
■しかく主張
ミャンマーのヤンゴンにある軍事博物館の跡地に2021年開業予定の大規模複合不動産を建設・運営するという開発事業(ヤンゴン市内都市開発:通称Y Complex事業)というものがあり、こちらの事業は、Y Complex社であり、日本の民間企業や公的資金から全体の8割を占める出資を受けているようです。Y Complexの事業地は、前述した通り、軍事博物館の跡地でありミャンマー国軍が所有しているため、賃料の支払い先はミャンマー国軍と考えられています。これにより、この事業がミャンマー国軍を支援する形となることを危惧したことからAnonymousは、事業の即時停止を要求しているようです。
■しかくターゲットリスト
2021年03月25日に公開されたターゲットリストに挙げられていた組織は次の通りです。(URLについてはリストの通り記載しています。)
■しかく観察範囲
・Twitter検索(ハッシュタグ:#OpMyanmar、キーワード:Japan など)
・IRC(#opmyanmar)
・テキスト共有サービス(raseup.net、JustPasteなど)
テキスト共有サービスでは、上図のようにターゲットとなっている組織に対してのオペレーション参加者による調査行為(ポートスキャンが脆弱性スキャン)の結果などが共有されています。
■しかく被害
2021年04月07日に前述のターゲットリストに含まれる組織のうち2つのサイトをダウンさせたという報告がされていました。
上図のようにエビデンスが示されていたもののどのくらいの時間ダウンしていたかどうかは不明です。
■しかく更新履歴
・2021年04月12日 初版公開