主要作品紹介 【ようめいていんのうしょくにんかがみ】

あらすじ

初段】 【二段目】 【三段目】 【四段目】 【五段目

大和朝廷(やまとちょうてい)の時代、花人親王(はなひとしんのう)と山彦皇子(やまびこのおうじ)の皇位継承をめぐる争いと、その周囲に起こる様々な物語を描いた作品です。

【初段】
花人親王と山彦皇子は、敏達(びだつ)天皇の御前で、国家の指針となる宗教について議論します。天皇は親王が勧める仏教を認め、仏の説く慈悲の心で人々に恵みを施し、職人たちには官位(かんい)を与えました。しかし、皇位を狙う山彦皇子は、ライバルである花人親王と恋人の玉世姫(たまよひめ)を、様々な悪計で苦しめます。これにより、親王はついに都を逃れることになります。
【二段目】

佐渡が島に辿(たど)り着いた花人親王は、かつて臣下であった諸岩(もろいわ)に出会います。事情を知った諸岩は、親王への忠誠心から、山彦皇子の臣下の娘である妻に、離縁状を送ります。

松浦庄司(まつらのしょうじ)の娘・佐用姫(さよひめ)は、諸岩に恋をしていました。しかし、諸岩は姫に、山彦皇子に味方する姫の兄・兵藤太(ひょうどうた)を殺すよう依頼。これを知った母の指示で、姫が襖越しに刺したのは、兄ではなく母その人でした。母は、自ら兄の身替りになったのです。母の心に感じ、諸岩は姫との結婚を約束。兄の兵藤太も改心して出家します。
【三段目】

出家した兵藤太は、海底に沈んだ鐘のことを夢のお告げで知ります。花人親王はこの鐘を、海底から鐘楼へと引き上げました。玉世姫の父・真野長者(まののちょうじゃ)は、親王とは知らずに、この人物を山路(さんろ)と名付けて召し使うことにします。

引き上げられた鐘の供養の日、離縁された諸岩の妻がやって来ます。激しい恨みを述べた妻は、鐘を落として、その中から蛇体となって現れます。しかし、僧たちの供養によって成仏し、夫婦の守り神となります。
【四段目】
真野長者の館で、玉世姫は山路(花人親王)の子を懐胎します。玉世姫の継母は、姫を山彦皇子の后とするべく出産を妨害しますが、姫は男子を生みました。生まれた子を殺そうとする継母を、諸岩の妻の魂が制止します。
【五段目】
全てが解決したのち、花人親王と玉世姫の子は「聖徳太子(しょうとくたいし)」と名付けられ、花人親王は即位して、用明天皇となったのでした。

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