[画像:時代物]
武士や貴族を主人公とし、時代設定が江戸時代以前の物語として作られた作品が時代物(時代浄瑠璃)です。源平合戦や有名な敵討ちなど、歴史上の事件や人物を題材にしています。また、江戸時代に起こった政治的な事件を、過去の時代の出来事として脚色することもありました。
時代物は、5段構成を基本とする長編で、重厚な悲劇が描かれます。世話物に比べて作品数が多く、浄瑠璃作品の主流を占めています。
[画像:世話物]
武士・貴族などの特権階級の人々ではなく、一般庶民である町人を主人公とする作品が世話物(世話浄瑠璃)です。世話物は、町人の日常生活の中で起こった様々な事件を取り上げ、その事件にまつわる恋や人間同士の葛藤を描き出しました。中でも、実際に起きた心中事件を題材とした「心中物」が有名です。
世話物は通常、上中下の3巻で構成されています。江戸時代の町人の風俗を反映し、話し言葉を多く取り入れた写実的な内容です。