作品概要
| 通称 | 三社祭 |
|---|---|
| 本名題(ほんなだい) | 弥生の花浅草祭 (やよいのはなあさくさまつり) |
| 初演年度 | 天保3年(1832年) |
| 音楽 | 清元 |
| 題材による分類 | 祭礼物・風俗舞踊・変化物 |
三社祭とは、今日も行われている浅草神社(あさくさじんじゃ)のお祭りです。江戸時代も大きなお祭りの1つでした。浅草神社は通称を三社様(さんじゃさま)といい、浅草寺(せんそうじ)の本尊である観音像を網打ちで引き上げた、浜成(はまなり)・竹成(たけなり)兄弟の漁師と、その主人を祀った(まつった)神社です。明治に入るまで浅草神社と浅草寺は一体だったのです。
歌舞伎舞踊の『三社祭』は、元は3段の構成で三社祭の屋台の山車人形が動き出すというものでした。幕が開くと、舟に乗った2人の漁師が身体を揺するのは、この山車人形のつもりです。この作品で竹成は武成という表記になりました。
前段は漁師の姿のまま、当時流行の唄で軽快に展開します。後段になると善玉・悪玉が2人に乗り移り、「悪」と「善」と書かれた面をそれぞれにかぶり、前段よりさらにエネルギッシュなキビキビとした踊りになります。身体を縦横に使った動きがテンポよく、爽快な作品です。