チリ・アルゼンチンにおける銅・金の探鉱権益を譲渡
〜JOGMECの調査成果を民間企業へ〜
JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:河野博文)は、エヌ・ジー・イー・エックスリソーシズ社と共同で実施してきたチリ共和国とアルゼンチン共和国にまたがるフロンテラ地域における銅と金の探鉱に係る権益の譲渡に関する入札を実施し、落札者であるパンパシフィック・カッパー株式会社(JX日鉱日石金属株式会社及び三井金属鉱業株式会社の共同出資による銅事業会社)に譲渡しました。
フロンテラ地域は、両国の国境付近の山岳地帯に位置し、アクセスが困難であることから十分な探鉱が行われてこなかった有望地域の一つです。JOGMECは、2004年に初期探鉱段階にあった本事業に参画して以降、ボーリング調査等を実施し本地域内ロスエラードス地区に経済的に採掘可能な銅・金鉱床が賦存する可能性を把握しました。今後は、企業探鉱により鉱床規模が明らかになるとともに、鉱山開発に向けた経済性評価が進むことが期待されており、JOGMECとしても要請に応じて様々な支援スキームにより支援してまいります。
フロンテラ(Frontera)地域での事業概要
位置 |
チリ共和国第III州及びアルゼンチン共和国サンファン州北西部とラリオハ州南西部にまたがるアンデス山岳地帯に位置。地域内にはロスエラードス地区に加えて、フィロデルソル地区等の有望地区を含む。近傍にはパンパシフィック・カッパー株式会社が参画するカセロネス銅・モリブデン鉱床(2013年生産開始予定)がある。 |
契約 |
JOGMECは、エヌ・ジー・イー・エックス リソーシズ社(当時はスラミナ リソーシズ社)並びに同社のチリ及びアルゼンチン子会社と2008年2月1日に共同探鉱契約に署名。 |
権益 |
エヌ・ジー・イー・エックス リソーシズ社:60% JOGMEC:40% |
ロスエラードス地区でのボーリング調査
2004/2005事業年度〜2011/2012事業年度に総掘進長39,747mのボ-リング調査を実施。主な結果は、JOGMECニュースリリース(平成20年10月8日、平成21年5月8日、平成23年5月17日付け)を参照。
エヌ・ジー・イー・エックス リソーシズ社(NGEx Resources Inc.)の概要
本社 |
カナダ バンクーバー |
事業内容 |
非鉄金属資源の探鉱・開発。トロント株式市場に上場する探鉱会社(いわゆるジュニアカンパニー) |
株主資本 |
53百万カナダドル(2011年12月末現在) |
過去の譲渡案件
JOGMECは、2005年以降これまでに南米、オセアニア、東南アジア、及び北米で本件を含め11件のプロジェクトを我が国企業に譲渡しており、本件はチリでは5件目、アルゼンチンでは2件目の調査事業成果の民間企業への引継ぎとなる。
JOGMECの金属資源開発支援の取り組み(旧金属鉱物事業団の実績を含む)
JOGMECは、海外の鉱山公社や企業とジョイントベンチャー調査(JV 調査)を実施し、衛星画像解析、物理探査、地質調査及びボーリング調査を通じて資源の賦存状況を把握した上で有望なプロジェクトを本邦企業へと引き継いでいます。
JV調査では、2003(平成 15)年度からこれまでに 84 件のプロジェクトを実施し、11プロジェクトを我が国企業へ譲渡しました。今後、これらの案件が、我が国企業による探鉱活動を経て、将来の鉱山開発につながることが期待されます。
また、JOGMEC は、我が国企業が海外で実施する探鉱活動に対しては、地質構造調査事業や助成金交付事業を通じた支援を行っています。
海外地質構造調査では、1968(昭和 43)年度からこれまでに82件のプロジェクトを実施し、アタカマ鉱山(チリ:銅)、ポゴ鉱山(米国:金)、パルカ鉱山(ペルー:亜鉛)など9プロジェクトが開発に移行しました。
助成金交付事業では、1974(昭和 49)年度からこれまでに 54件のプロジェクトに対して助成金を交付し、マッカーサーリバー鉱山(豪州:亜鉛・鉛)、レイデプラダ鉱山(メキシコ:鉛・亜鉛)、ラスプ鉱山(豪州:亜鉛・鉛)の 3プロジェクトが開発に移行しました。
この記事に関するお問い合わせ先
資源探査部探査第1課山本・野尻
電話 03-6758-8382
広報担当:総務部植松
電話 03-6758-8106