旧松尾鉱山新中和処理施設、平成23 年度災害訓練を実施
平成23年10月27日(木)、岩手県八幡平市の「旧松尾鉱山新中和処理施設」で、岩手県はじめ関係機関と共に平成23年度災害訓練を実施しました。
災害訓練は、平成13年度から毎年実施しており、災害発生時の応急活動への対応や関係機関との迅速かつ円滑な連絡体制、対応を確認するもので、訓練を通じ、職員をはじめ関係者の危機管理意識向上を図ることを目的としています。
今年度は、3月11日に東日本大震災が発生したこともあり、今までより厳しい想定で訓練を実施しました。
主な想定は、以下の通りです。
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早朝6時00分に震度6強の内陸直下型地震が発生
- 商用電源停電及び施設内の非常用発電機施設の使用不能による電源の全面供給途絶
- 処理施設の配管等の複数損壊
午前は岩手県はじめ関係機関との通信訓練を実施して通信事情の把握等や被災状況に関する必要事項の的確な伝達方法の確認を行いました。午後は、実地訓練として「災害・事故等対応マニュアル」に基づき、電源喪失状況下における放流溝を利用した炭酸カルシウム(中和剤)の直接投入による中和訓練ということで、仮設配管の敷設及びジェットパック車(炭酸カルシウム運搬車,12 トン積)を放流溝に横付けして実施しました。
実地訓練終了後、関係省庁や自治体で構成する旧松尾鉱山新中和処理施設維持管理連絡会を開催し、災害訓練結果及び災害発生時に生じる問題点等に関する意見交換を行いました。
なお、実地訓練の様子は、当日夕方の民放系テレビニュース(2局)及び翌日の岩手日報の朝刊に報じられました。
本施設は、昭和46年に閉山した「旧松尾鉱山」から流出していたpH2未満の強酸性坑廃水による北上川の水質汚濁を防止するため、当時の林野庁、通商産業省、建設省、自治省、環境庁で構成された「北上川水質汚濁対策各省連絡会議(通称『五省庁会議』)」による対策、検討を受けて同鉱山跡地に建設され、昭和57年4月に事業実施主体である岩手県が JOGMEC に維持管理を委託して以来、現在まで鉄酸化バクテリアを活用した炭酸カルシウム中和方式により毎分約 18m^3の坑廃水処理を実施しています。
岩手県 環境生活部環境保全課 , 県土整備部河川課、
経済産業省 原子力安全・保安院 関東東北産業保安監督部東北支部、
国土交通省 東北地方整備局 岩手河川国道事務所 , 北上川ダム統合管理事務所、
八幡平市 市民部市民課、
JOGMEC 鉱害防止支援部 , 松尾管理事務所
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原水受槽からの仮設配管布設・固定作業
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ペイローダによる固定用土のう運搬
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ジェットパック車による炭酸カルシウム投入(模擬)
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維持管理連絡会議