JOGMEC(理事長:河野博文)は、エヌ・ジー・イー・エックス リソーシズ社(本社カナダ)と共同でチリ共和国フロンテラ地域において2004年から探査事業を実施していましたが、2010年12月〜2011年4月に同地域のロスエラードス地区で実施したボ-リング調査により、経済的に採掘可能な銅・金鉱床が賦存する可能性を把握しました。主なボ-リング調査結果は、701m間の平均銅品位:0.67%、金品位:0.30グラム/トン(LH-16孔)、575m間の平均銅品位:0.59%、金品位:0.33グラム/トン(LH-17孔)、312m間の平均銅品位:0.73%、金品位:0.35グラム/トン(LH-20孔)などです。確度の高い埋蔵鉱量を推定するためには今後さらに多くのボ-リング調査を実施する必要がありますが、鉱床がさらに広範囲に分布する可能性があります。
調査結果の詳細については、来る6月3日に開催予定の平成23年度(第2回)金属資源関連成果発表会(於:虎ノ門ツインビルディング地下1階大会議室)において紹介する予定です。
チリ共和国は世界最大の銅産出国ですが、フロンテラ地域はアクセスが困難であることから探査が十分進んでいなかった数少ない有望地域の1つです。JOGMECが対象地域の鉱床賦存ポテンシャルに着目して調査活動を開始したのは1997年であり、探査初期段階にあった本件事業に2004年に参画して以降、調査を継続してきています。その中で鉱山開発が期待される有望な鉱化帯の把握に至りました。
-
調査地域位置図
-
ロスエラードス地区ボ-リング調査(LH-19孔)
フロンテラ(Frontera)地域事業の概要
| 位置 | チリ共和国第Ⅲ州及びアルゼンチン共和国サンファン州北西部、ラリオハ州南西部にまたがるアンデス山岳地帯に位置。調査対象地域にはロスエラードス地区に加えて、フィロデルソル地区等の有望地区を含む |
| 契約 | エヌ・ジー・イー・エックス リソーシズ社(当時はスラミナ リソーシズ社)及び同社のチリ及びアルゼンチン子会社と2008年2月1日に共同探鉱契約に署名 |
| 権益 | JOGMECは既にプロジェクトの40%の権益獲得の権利を有する |
| その他 | 40%の権益獲得までの参入期間である2004年11月〜2008年1月はビクーニャ地域事業として調査を実施 |
|---|
ロスエラードス地区ボーリング調査
2004/2005事業年度〜2009/2010事業年度に18孔(総掘進長8,743m)のボ-リング調査を実施済み。2010/2011事業年度中の2010年12月〜2011年4月に新たに10孔(LH-12孔〜LH-21孔、総掘進長7,404m)のボーリング調査を実施
エヌ・ジー・イー・エックス リソーシズ社(NGEx Resources Inc.)の概要
| 本社 | カナダ・バンクーバー |
| 事業内容 | 非鉄金属資源の探鉱・開発。トロント株式市場に上場する探鉱会社(いわゆるジュニアカンパニー) |
| 株式資本 | 151百万カナダドル(2010年12月末現在) |
平成23年度(第2回)金属資源関連成果発表会
| 開催日時 | 平成23年6月3日(金)14:30〜17:30 |
| 講演会場 | 虎ノ門ツインビルディング(旧:新日鉱ビル)地下1階大会議室 |
| 場所 | 〒105-0001東京都港区虎ノ門2-10-1 |
詳細はJOGMECホームページ 金属資源情報(最新ニュース 講演会/イベント)を参照のこと
チリ・アルゼンチン国境アンデス山岳地帯における鉱床探査開発事業の例
- バリックゴールド社(カナダ)のパスクア・ラマ金鉱床事業(鉱量6億2千万トン、金品位1.25グラム/トン)
- エクストラータ社(スイス)のエルパチョン銅・モリブデン鉱床事業(鉱量17億9千万トン、銅品位0.51%、モリブデン品位0.013%(カットオフ銅品位0.2%))
この記事に関するお問い合わせ先
資源探査部探査第1課山本・初谷
電話 03-6758-8382
広報担当:総務部植松
電話 03-6758-8106