JOGMEC、南部アフリカでのレアメタル確保事業を加速化
南アフリカでプラチナ共同探鉱事業を開始
JOGMEC(理事長:河野博文)は、2009年12月28日ステレックス社(Stellex Platinum Pty Ltd)ほか※(注記)1と南アフリカ共和国北部(ステレックス・ノース地域)でプラチナを対象とした共同探鉱契約(JV契約)を締結しました。
この地域は、世界一のプラチナ埋蔵量で知られているブッシュフェルトと同様のプラチナの鉱化作用が期待されているものの、ブッシュフェルトとは異なるステラ岩体に位置することから未だプラチナ探鉱が十分に行われていませんでした。
しかし、ステラ岩体中部ではステレックス社の親会社であるプラチナ・オーストラリア社(Platinum Australia Limited:PLA)が有望なプラチナ鉱化(カラハリ・プラチナ・プロジェクト)を把握したことから、同岩体が新たなプラチナ探鉱のターゲットとなるものと考え、本プロジェクトへ参入したものです。
なお、プラチナ・オーストラリア社は、2009年1月より、ブッシュフェルト岩体東部リムのスモーキーヒル鉱山において白金の生産を開始しています。
ステレックス・ノース地域は、ヨハネスブルグの西方約300kmに位置する。同鉱床は世界一のプラチナ埋蔵量で知られているブッシュフェルトと同様の鉱化作用が期待されており、ブッシュフェルト貫入岩体と比較してプラチナ探鉱が未だ十分に行われていないステラ(Stella)貫入岩体に位置する。
本地域は、JV相手方であるステレックス社の親会社であるプラチナ・オーストラリア社が所有する有望なカラハリ・プラチナ・プロジェクトの北に延びる延長線上にある。更に、ステレックス・ノース地域には、カラハリ・プラチナ・プロジェクトと同じ岩体が分布していることから、白金族金属のポテンシャルが高い地域となっている。因みにカラハリ・プラチナ・プロジェクトは現在フィージビリティースタディを実施中で、その資源量はプラチナ、パラジウム及び金の合計で約3.4百万Ozと見込まれている。
JOGMECは、4年間で350万米ドルの探査費用を拠出することにより、35%の権益オプションを取得(残りの権益65%はステレックス社)。350万米ドル支出したあとは、プレFSまで単独拠出することにより51%の権益を取得するか、権益比率に応じたプロラタによる調査に移行する。
今年度は、精密空中物理探査データから抽出された高磁気アノマリー及び地化学アノマリーに対して精密空中物理探査及び地化学探査カラハリ・プラチナ・プロジェクトから連続すると想定される鉱化ゾーンを把握し、次年度以降は鉱化を捕捉するためのボーリング調査を計画している。
本JV契約の相手方企業は、プラチナ・オーストラリア社の関係会社であるステレックス社、プラチナム・リバー・プロジェクト社、プラチナム・オーストラリア・南アフリカ社と、BEEであるバツァラニ社である。
(1)ステレックス社(Stellex Platinum Pty Ltd)
所在地:南アフリカ共和国ヨハネスブルグ市
代表者:John Lewins 氏
事業内容:ステレックスノースプロジェクトの探査を行う探鉱会社。プラチナム・リバー・プロジェクト社49%、BEEの会社であるバツァラニ社51%で構成されるBEE会社。
(2)BEE(Black Economic Empowerment)
BEEとは、南アフリカ共和国の鉱業政策で、鉱業分野で事業を行う場合に不利益を被った南アフリカ人(Historically Disadvantaged South African:HDSA)に権益移転を義務付けているものである。本件のバツァラニ社は、この政策に基づき参加している南アフリカの地元資本の企業である。
5)スモーキーヒル(Smokey Hills)プロジェクト
ブッシュフェルト東部リムに位置しており、2009年1月より白金の生産を開始した。その埋蔵量は4.64百万t、品位はプラチナ、パラジウム、ロジウム及び金の合計で5.11g/t。
なお、同プロジェクトを保有・操業するプラチナム・オーストラリア社は、オーストラリア・パース市に本社をおくオーストラリア証券取引所に上場する鉱山会社で、本JV契約の相手方であるプラチナ・リバーズ・プロジェクト社およびプラチナム・オーストラリア・南アフリカ社の親会社にあたる。
プラチナは、世界各国の自動車排ガス規制強化に伴い世界的な需要の拡大が見込まれている。また、燃料電池等の低炭素社会向け製品用の材料としても注目されており、我が国が目標として掲げる、2020年までの温室効果ガス25%削減を達成する上で重要なレアメタルの一つである。しかしながら、プラチナは地域偏在性が特に高く、南アフリカが世界埋蔵量の約9割を占めているものの我が国企業による権益は存在せず、安定供給確保が課題になっていたものである。
プロジェクトの概要 画像
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