JOGMEC、南米アンデス山岳地帯で有望な銅・金の存在を確認
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC理事長:河野博文)は、スラミナリソーシズ社(Suramina Resources Inc、本社カナダ・バンクーバー)と共同で南米アンデス山岳地帯において銅・金を対象としたボーリング調査を行っており、昨年、顕著な銅・金鉱化帯の存在を発見しているところ、今般、追加のボーリング調査により更なる広がりを確認いたしました。正確な埋蔵量を計算するには未だ多くの追加調査を必要としますが、新たに確認された部分を含め、全体の規模は1億トンを超え、さらに西方や北方に探鉱余地を残していることから、更なる規模の拡大の期待が高まっています。ボ-リング調査は、アルゼンチン共和国及びチリ共和国の両国に跨るフロンテラ地域調査の一環として、チリ側のロスエラードス地区において今年2月に実施されたものです。
南米アンデス山岳地帯は、大型銅鉱山が開発される可能性の残る最後のフロンテアの一つと見なされており、フロンテラ地域における銅・金資源の探鉱が進展し、将来、日本企業への権益引継ぎに繋がることが期待されます。
フロンテラ(Frontera)地域事業の概要
- 場所:アルゼンチン共和国サンファン州北西部、ラリオハ州南西部及びチリ共和国第Ⅲ州にまたがるアンデス山脈山岳地帯に位置(別添調査地域位置図参照)
- 契約:スラミナ社及び同社のアルゼンチン及びチリ子会社と平成20年2月1日に共同探鉱契約に署名
- 権益:JOGMECは既にプロジェクトの40%の権益獲得の権利を有する
- 概要:ロスエラードス地区に加えて、フィロデルソル地区(銅鉱床として:銅品位0.3%、推定資源量1億2千万トン、金鉱床として:金品位0.39グラム/トン、推定資源量8千9百万トン)及びセロブランコ地区等の有望鉱区を含む。
ロスエラードス地区ボーリング結果
昨年実施したボーリング2孔、計1,036mの分析結果は以下のとおり(平成20年10月8日発表)。
ボーリング゙孔 |
総掘進長
(m) |
着鉱区間
(m) |
着鉱長
(m) |
銅
(%) |
金
(g/t) |
LH-DDH01 |
530 |
|
0 |
〜 |
530 |
530 |
0.46 |
0.31 |
うち |
70 |
〜 |
143 |
73 |
0.52 |
0.60 |
|
170 |
〜 |
530 |
360 |
0.52 |
0.25 |
うち |
416 |
〜 |
530 |
114 |
0.63 |
0.23 |
LH-DDH02 |
506 |
|
0 |
〜 |
506 |
506 |
0.32 |
0.19 |
うち |
324 |
〜 |
452 |
128 |
0.48 |
0.21 |
うち |
412 |
〜 |
452 |
40 |
0.62 |
0.27 |
今回は昨年の周辺でより深くボーリング2孔、計1,529mを実施。分析結果は以下のとおり。
ボーリング孔 |
総掘進長
(m) |
着鉱区間
(m) |
着鉱長
(m) |
銅
(%) |
金
(g/t) |
LH-DDH03 |
750 |
|
5 |
〜 |
750 |
745 |
0.28 |
0.13 |
|
うち |
336 |
〜 |
750 |
414 |
0.35 |
0.14 |
LH-DDH04 |
779 |
|
17 |
〜 |
779 |
762 |
0.43 |
0.22 |
|
うち |
436 |
〜 |
779 |
343 |
0.58 |
0.21 |
今回343m間の平均銅品位:0.58%、金品位:0.21グラム/トンを捕捉したDDH-LH04孔は、昨年同様の銅・金鉱化帯を発見したDDH-LH01孔の東側から下部に相当し、2つのボ-リング孔により、銅品位:0.5%、金品位:0.2グラム/トンを超える鉱化帯が深部方向に600m以上にわたって連続することが明らかとなった。
スラミナリソーシズ社の概要
カナダ・バンクーバーに本拠地を置く非鉄金属資源の探鉱・開発企業でトロント株式市場に上場。2007年7月にテンケマイニング社(Tenke Mining Corporation)の南米探鉱資産を継承して設立された。ランディンマイニング社(Lundin Mining、本社カナダ・トロント)等を有するランディングループ(本社カナダ・バンクーバー)関連会社の一つ。Tenke Fungurume銅・コバルト鉱床(コンゴ民主共和国)開発事業はランディンマイニング社の事業のひとつ。2009年4月17日、同じランディングループの探鉱会社Canadian Gold Hunter社と合併し経営基盤を強化した。
アルゼンチン・チリ国境アンデス山岳地帯における鉱床探査開発事業
- バリックゴールド社(カナダ)のパスクア・ラマ金鉱床事業(鉱量5億4千万トン、金品位1.23グラム/トン)
- エクストラータ社(スイス)のエルパチョン銅・モリブデン鉱床事業(鉱量9億8千万トン、銅品位0.58%、モリブデン品位0.016%)
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