オーストラリアでインジウム・亜鉛等の共同探鉱契約を締結
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC理事長:河野博文)は、平成20年12月10日付けでオーストラリアの探鉱企業であるミノタウア・エクスプロレーション社とラウス地域における新たな共同探鉱契約を締結した。
ラウス地域はニューサウスウェールズ州の北部にあり、複数の亜鉛鉱床が知られている金属資源ポテンシャルの高い地域の北縁に位置する。今後の探鉱により、インジウムを含有する亜鉛鉱床の新たな発見が期待される。
1)探鉱地域
ラウス(Louth)地域はニューサウスウェールズ州の州都シドニーの西北西約500kmに位置する。探鉱鉱区の面積は1,085km2である。近傍に複数の亜鉛鉱床の存在が確認されている金属資源ポテンシャルの高い地域であるが、地表を厚い堆積物に覆われているため、これまで十分な探鉱が行われていなかったところ、近年、州政府が基礎的な調査を実施したことにより、地質情報が追加され、探鉱の気運が高まっている。
2)契約概要
JOGMECは3年間で170万豪ドルの探鉱費用を負担することにより、本プロジェクトの51%の権益を獲得できる。
3)探鉱内容
オーストラリア政府が実施した基礎調査により、ラウス地域においてインジウムを含む亜鉛鉱床の賦存可能性を示す調査結果が得られている。今後、ミノタウア・エクスプロレーション社と共同で物理探査、ボーリング調査等を実施することで新たな鉱床の発見を目指す。
(参考)
インジウムは液晶テレビや太陽電池の透明電極製造用ITO(インジウムー錫酸化物)等に用いられ、亜鉛・鉛鉱石の副産物として回収される。日本は世界最大のインジウム消費国である。
ミノタウア・エクスプロレーション社(Minotaur Exploration Ltd)概要
オーストラリア・アデレードに本拠地を置く非鉄金属資源の探鉱企業。これまでにJOGMECと3件の共同探鉱契約を締結しており、本件は4件目。1件目のボーダー地域は2005年から2007年に実施され、2007年5月に日本企業にJOGMECの権益を譲渡した。2件目(ロクスビーダウンズ地域)及び3件目(メーベルクリーク地域)は現在共同探鉱実施中である。
ラウス地域周辺にはエンデバー鉱山、シーエスエー鉱山、ピーク鉱山などが分布する。
エンデバー鉱山は1973年に発見され1983年より採掘されている鉛・亜鉛・銀鉱山。所有者はオーストラリアの鉱山会社であるCBH Resources社(東邦亜鉛(株)が株式25.5%を所有)。2008年9月に同社が発表した鉱量は約2千5百万トンであり、鉱石平均品位は亜鉛6.5%、鉛3.9%、銀55g/t。
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