2008年2月15日
最終更新日:2008年2月21日
JOGMEC(理事長:掛札勲)は、経済産業省より補助金の交付を受けて実施している海外ウラン探鉱支援事業において、ウランの共同探鉱をカナダのバージントレンド地域で開始した。
本地域は、カナダ・サスカチュワン州サスカトゥーン市の北方約700キロに位置し、多くの大規模ウラン鉱床が胚胎し、世界の3分の1のウランを生産することで知られるアサバスカ堆積盆地に位置していることから、新たなウラン鉱床の発見が期待される。
共同探鉱の相手方は、カナダの探鉱会社タイタン・ウラニウム社である。
1) 探鉱地域
バージントレンド(Virgin Trend)地域はカナダ・サスカチュワン州の北部のアサバスカ堆積盆地の中央に位置し、44 の探鉱鉱区からなる。
2) 契約内容
JOGMEC は3 年間で合計9 百万加ドルの探鉱費用を負担することにより、本プロジェクトの50%の権益を獲得できる。また、本プロジェクトの開発が決定された後、更に2 年間で6 百万加ドルを拠出することにより、全ての生産物の販売権を得ることができる。共同探鉱契約締結は平成20 年2 月9 日。
3) 探鉱内容
隣接他社鉱区ではウラン鉱化作用が確認されており、現在も探鉱中である。一方、本地域は厚い堆積物に覆われていることから、従来の探査技術では探査深度が不十分であるためにアサバスカ堆積盆地の中でも探査が停滞している地域であるが、JOGMEC の独自技術である地下深部の探査が可能なSQUITEM 法物理探査手法を用いることにより、本地域での資源探査活動の成果が期待できる。今後、SQUITEM による調査やボーリング調査等を実施することにより、新たなウラン鉱床の発見を目指す。
(参考)
海外ウラン探鉱支援事業
海外でウラン探鉱を行う本邦法人等の探鉱におけるリスクを軽減し、海外ウラン探鉱開発を促進するための事業として平成19年度より創設され、JOGMECが経済産業省より補助金の交付を受けて実施している。本事業では、海外において外国法人と共同でウラン探鉱を行う本邦法人等に対して助成金を交付するほか、投資環境等海外のウラン探鉱に関する調査を行い、ウラン資源ポテンシャルが高いにもかかわらず、投資環境あるいは技術的な問題等から本邦法人等による資源探査活動が停滞している地域ないし鉱床では、JOGMECが外国企業等と共同でウラン探鉱を行う基礎的調査を実施する。
カナダ・バージントレンド地域は、基礎的調査の第1号案件。
タイタン・ウラニウム社(Titan Uranium Incorporated)概要
カナダ・サスカチュワン州サスカトゥーン市に本拠地を置くウランの探鉱会社。
SQUITEM
JOGMECが開発した電磁探査法(TEM法)の装置。磁気センサーに従来の磁気センサーよりも感度が高いSQUID(Superconducting Quantum Interference Device;超伝導量子干渉素子)を採用したため、従来のTEM装置では検出できなかった深部まで探査が可能。
調査地域位置図
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