豪州ロクスビーダウンズ地域で銅・ウラン鉱徴を発見
豪州企業との共同探査を引き続き実施中
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC理事長:掛札勲)は、豪州南オーストラリア州のロクスビーダウンズ地域で銅・ウランの探査を豪州企業と共同で実施中ですが、現在実施中のボーリング探査で銅・ウラン鉱徴を発見しました。探査はまだ初期段階であり、ただちに開発に結びつくものではありませんが、特にウランについてはこれまで注目されていなかった地層で鉱徴が発見されたものであり、今後の探査による新鉱床発見の期待が高まっています。
ロクスビーダウンズ地域は世界有数の銅・ウラン鉱山であるオリンピックダム鉱山の30キロ南西に位置します。JOGMECは豪州企業であるミノタウア・エクスプロレーション社及びトロ・エナジー社と2007年9月に共同探査契約を締結して探査を開始しており、現在もボーリング探査を実施中です。
オーストラリア連邦南オーストラリア州の中央部、世界有数の銅・ウラン鉱山であるオリンピックダム鉱山の南西約30kmに位置する。これまでの探査により、オリンピックダム鉱山に類似した鉱床が存在する可能性の高い地区が抽出されている。
JOGMECは平成19年9月27日にミノタウア・エクスプロレーション社及びトロ・エナジー社とロクスビーダウン地域に関する共同探査契約を締結した。JOGMECは200万豪ドルの探査費用を負担することにより、本プロジェクトの51%の権益を獲得できる。(平成19年10月9日付けJOGMECニュースリリース参照)
ミノタウア・エクスプロレーション社の探査鉱区(鉱区番号EL3762)で実施したボーリング孔(孔番号AS07D01)は全長1,559.0mである。0-35m間はカンブリア紀の石灰岩、35-379.5mは新期原生代の頁岩・シルト岩、379.5-1,461.8mは中期原生代の堆積岩(Pandurra累層)、1,461.8-1,559.0mは中期原生代の火山岩(GawlerRange火山岩類)と酸化鉄破砕岩が分布する。
発見された銅・ウラン鉱徴は、GawlerRange火山岩類中にあり、少量ながら銅鉱物(黄銅鉱)が確認され、また携帯式XRF分析機で測定したウラン含有量は1470.5m地点で174ppm、1471.0m地点で136ppm、1486.5m地点で119ppmであった。
ウラン鉱徴はPandurra累層の粗粒砂岩中の狭いゾーン(数センチメートル)にも分布する。携帯式XRF分析機で測定したウラン含有量は、379.6m地点で650ppm、928.6m地点で115ppm、1461.8m地点で99ppmであった。
当地域の銅・ウラン鉱徴は、オリンピックダム鉱山同様、基盤岩である火山岩
(GawlerRangeVolcanics)に分布すると考えられてきたが、今回のボーリングでその上にある堆積岩層(Pandurra累層)中にウラン鉱徴が発見され、今後の探査の新たなターゲットとなるものである。
(参考)
ミノタウア・エクスプロレーション社(Minotaur Exploration Ltd)概要
オーストラリア連邦アデレードに本拠地を置く非鉄金属資源の探鉱・開発企業。
トロ・エナジー社(Toro Energy Ltd)概要
オーストラリア連邦アデレードに本拠地を置くウランの探鉱・開発企業。
オリンピックダム鉱山
1975年に発見され1987年より採掘されている銅・金・ウラン鉱山。所有者は非鉄金属の世界最大手であるBHPビリトン社(BHPBillitonLtd)。鉱量は約6.5億トンであり、鉱石平均品位は銅1.5%、金0.5g/t、ウラン425ppm。
ロクスビーダウンズ地域位置図
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