ベトナムで銅・レアアースの共同資源開発基礎調査を開始
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC理事長:掛札勲)は、平成19年10月25日付にて、ベトナム天然資源環境省地質鉱物資源局(Departmentof Geology and Minerals of Vietnam)と銅・レアアースに関する共同地質調査の覚書(Memorandum of Understanding)に署名し、共同資源開発基礎調査を開始することとした。
調査地域は、ベトナム社会主義共和国北部のラオカイ省からイェンバイ省に跨る約6,000km^2の範囲(調査地域の名称は「ラオカイ地域」)。地域内には、これまでにベトナム地質鉱物資源局が実施した調査により、複数のレアアース鉱徴地が確認されており、鉱床賦存の可能性が期待される。また、銅鉱山であるシンクエン鉱床が地域内北部にあり、シンクエン鉱床に似た鉱徴地が地域内に認められることから、銅鉱床の存在が期待される。さらに、調査地域の西側にはレアアースが発見されているドンパオ鉱床が存在する。
調査期間は、2010年3月末までの3年間を予定しており、日本が打上げた衛星「だいち」データによる衛星画像解析及び地質鉱物資源局と共同で地質調査、物理探査等を実施し、基礎的な地質情報を入手することにより鉱床賦存の可能性を評価する。
1)調査地域
ラオカイ地域はベトナム社会主義共和国北部の紅河沿いに位置する。地形は紅河沿いでは平坦だが、北西部では山岳地帯(標高3,000m程度)となる。気候は亜熱帯気候で雨季は5月〜9月。
2)調査内容
これまでにベトナム地質鉱物資源局が実施した調査により、調査地域内にはレアアース鉱徴地や酸化鉄銅金型の鉱徴地が確認されており、まずは地質調査、地化学探査、物理探査等を実施し、基礎的な情報を入手することにより、新たな銅・レアアース鉱床の発見を目指す。調査期間は3年間を予定し、この11月から現地調査を開始する。
(参考)
ベトナム地質鉱物資源局(Department of Geology and Minerals of Vietnam)概要
天然資源環境省(Ministry of Natural Resources and Environment)の下部組織で、ベトナム国内での基礎的な地質調査、鉱物資源調査等を実施している。
レアアース
レアアースとは希土類元素のことで、元素周期律表第III族に属する15元素(La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu)にScとYの2元素を加えた17元素の総称。用途は、永久磁石、ガラス研磨剤・添加剤、触媒、蛍光体等と幅広く、ハイテク産業分野で用途が拡大している。
シンクエン鉱床
ハノイの北西290km(ラオカイ省)に位置する銅鉱山で、ベトナム国営鉱物公社が所管する。2006年4月から銅精鉱の生産が開始され、鉱量5,500万トン(銅品位1.07%、金品位0.55g/t、酸化レアアース品位0.67%)が見積もられている。
ドンパオ鉱床
ハノイの北西280km(ライチャウ省)に位置するレアアース鉱床。2000〜2001年度にかけて、JOGMEC(当時金属鉱業事業団)とベトナム国営鉱物公社が資源開発協力調査を実施し、ボーリング調査等により、鉱量317万トン(酸化レアアース品位7.06%)が見積もられており、開発が検討されている。
調査地域位置図
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