インドネシア・スコワティ油田におけるCO2圧入実証試験の実施に向けた共同研究契約を締結
JOGMECは、インドネシア国営石油会社PT Pertamina(Persero)(以下「プルタミナ」)、PT Pertamina EP(以下「PEP」)、石油資源開発株式会社(以下「JAPEX」)との間で、インドネシア共和国(以下「インドネシア」)東ジャワ州のスコワティ(Sukowati)油田における二酸化炭素(CO2)圧入試験(以下「本試験」)の実施を目指し、4者による共同研究契約(Joint Study Agreement : JSA 以下、「本JSA」)を締結しました。
本JSAの署名式は、2023年7月25日に第47回インドネシア石油協会総会・展示会に併せて、プルタミナのニク代表取締役社長、エネルギー鉱物資源省のミルザ石油ガス技術環境局長及びヌール石油ガス上流事業開発局長の同席のもと執り行われました。
オキ上級副社長(プルタミナ、左から6人目)、アリフィン ゼネラルマネージャー(PEP、左から7人目)、岡部特命調査役(JOGMEC、左から5人目)、山田海外事業第二本部長(JAPEX、左から4人目)
(立会人)ニク代表取締役社長(プルタミナ、左から8人目)、ミルザ石油ガス技術環境局長(エネルギー鉱物資源省、右)、ヌール石油ガス上流事業開発局長(エネルギー鉱物資源省、左から2人目)、ウィコCEO(PT Pertamina Hulu Energi、左から3人目)、エンドロ代表取締役社長(PT Pertamina EP Cepu、左)
JOGMECとプルタミナは、プルタミナ傘下のPEPと共に、2022年8月にインドネシア・西ジャワ州の陸上ジャティバラン油田におけるCO2圧入に関する共同研究を開始し、Huff and Puff法(注1)を用いたCO2圧入の実証試験を成功裏に実施しました。また、2023年4月には、両国のエネルギートランジション・エネルギー安全保障に貢献する事業創出に関する覚書を締結し、両者で協議を進めてまいりました。
スコワティ油田では、プルタミナとJAPEXらが、二国間クレジット(Joint Crediting Mechanism:JCM)(注2)を活用したCCUS(注3)プロジェクトの事業性評価スタディに取り組んできた経緯があり、今般JOGMECを含めた4者でCO2圧入の実証試験の実施に向けた検討を共同で進めていくことに合意しました。
本試験では、CO2-EOR(Enhanced Oil Recovery:石油増進回収、注4)およびCO2地中貯留効果の検証を目的として、Huff and Puff法を用いたCO2圧入の実証試験を計画しています。本JSAでは、本試験の実施に向けて、テスト計画の策定などを進めてまいります。
JOGMECは、日本政府が主導するアジア・ゼロエミッション共同体(Asia Zero Emissions Community:AZEC)構想やアジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(Asia Energy Transition Initiative:AETI)等を踏まえ、我が国のエネルギー安全保障の向上と、インドネシアをはじめとするアジア地域における持続的な経済発展とカーボンニュートラルの実現に貢献してまいります。
(注1)同一坑井においてCO2圧入とその後の生産を実施する試験。
(注2)パートナー国と協力して温室効果ガスの削減に取り組み、削減の成果を両国で分け合う制度。脱炭素技術の普及などによる削減を定量的に評価し、相当のクレジットを取得することにより、双方の国の排出削減目標への貢献が可能。
(注3)Carbon dioxide Capture, Utilization, and Storage(CO2の回収・有効活用・貯留)の略。
(注4)CO2を利用した原油の増進回収(CO2 Enhanced Oil Recovery)。
この記事に関するお問い合わせ先
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