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実は入門断る予定だった安治川親方、会った瞬間、まさかの行動 「ウチにおいで、って言っちゃってました」そうさせたのは安青錦の"目力"

2025年11月26日 23時11分

安青錦左と安治川親方=2025年9月


だいやまーく連載「運命の糸・新大関・安青錦(下)」
関脇安青錦(21)=安治川=の大関昇進が正式に決まった。ウクライナ出身では初の大関昇進。安青錦はどのように戦禍を逃れて来日し、安治川部屋へと入門できたのか。運命の糸に導かれて出会った2人の話をもとに、2回に分けて連載する。〈連載(上)〉から続く
師匠の安治川親方(元関脇安美錦)と安青錦との出会いは、3年前の2022年8月25日。場所は、その年の4月に来日した安青錦が稽古に通っていた兵庫・報徳学園高だった。
外国人の受け入れを考えてもいなかった安治川親方は断るために兵庫へ向かった。しかし、逆に一目ぼれ。運命的な出会いとなった。当時は伊勢ケ浜部屋に所属し、近い将来に独立する意向があった親方のもとには入門を希望する外国人、その関係者からの問い合わせが頻繁にきていた。そのたびに、「新しい部屋なので」と断っていた。後で知ったことだが、断りを入れた中には安青錦も含まれていたという。
わざわざ兵庫まで足を運んだ理由は恩師からの連絡だったからだ。報徳学園高相撲部の元監督・福田耕治さん。安治川親方が青森・鰺ケ沢高2年で参加したハワイ遠征を率いた、アマチュア相撲界の重鎮だった。兵庫へ行くまでは恩師といえども断るつもりでいた。安青錦と出会って、その考えはすぐ吹き飛んだ。
「会った瞬間、目を見て話をしたら、その目に吸い込まれて。『ウチにおいで』って言っちゃってました。あの真っすぐな目で決めました」
相撲に対しても「大相撲が好き。映像で見る取組が美しい」と語る一途な目を見て、「外国人とか関係なく、そういう気持ちを信じた」と安治川親方。当時は体が小さくて「強くなるとは思えなかった」というが、「その目を信じた。強くならなくても一生面倒を見るつもりで」と振り返る。
ウクライナにいたときから、安美錦の相撲を見ていたという安青錦。取り口もよく似ている安治川親方を尊敬してやまない。師匠は「言っているだけでしょう」と笑うが、しょっちゅう2人で語り合う。指導で厳しいことをいうときもあるが、「嫌な事を言われる人に近づいて話そうとするんだから、オレのこと好きなんだろうな」とまんざらではない。
まるで安治川親方の分身のようだ。「安青錦は梅干しが苦手かな。オレも苦手だから。そこまで親方のまねしてるのかって」と言いながら、うれしそうに笑う。
ウクライナ国旗にある青、青い瞳の青をしこ名に入れた。「安美錦にも似ているし。珍しいしこ名だけど、強くなったら覚えてくれる」と安治川親方。出会うべくして出会った2人。その絆とともに、しこ名をとどろかせる。(終わり)
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