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山田潤スカウトの中日移籍は東海地方のアマチュア球界にとっても、ビッグニュース...楽天時代に驚かされた"無名"を網羅するアンテナ

2025年3月11日 12時03分

◇尾関雄一朗コラム「アマチュア野球取材ノート」
プロ野球・楽天で昨年までスカウトを務めた山田潤氏が、今年から中日に移った。氏が担当していた東海地方のアマチュア球界にとっても、ビッグニュースである。

山田スカウト

野球では"無名"の高校にも、密かに評判になる選手が時々現れる。記者が取材に行くと、そこの監督から「地元の中日さんと、あとは楽天さんが既に見に来られました」と聞くことが過去、何度かあった。山田スカウトのアンテナ、おそるべし。そのうちの何人かの選手は、社会人野球までプレーを続けている。

楽天時代の山田スカウト(写真中央)

「別のチームの監督さんにたまたま教えてもらったりしてね。最終的には知れ渡るとしても、なるべく第一発見者でありたい。評価のテーブルに上げる選手を探し出すことはスカウトの醍醐味です」(山田スカウト)
18年間、アマ野球の現場に足を運び、信頼関係を築いてきた。「スカウトはチームの土台を担う選手を仕入れる一方、『営業マン』でもあります。このチームには選手を預けたくない、と先方に思われてはいけません。そうやって活動する中で、多くの情報にも巡り合えます」
2022年に育成枠でドラフト指名した永田颯太郎は、台湾の大学から"逆輸入"の隠し玉。出身校・菊華高の監督から「夏休みで日本に帰ってきているから一度見てよ」と電話をもらい、プレーを見たら魅了された。
今回の自身の移籍は、中日の先輩スカウトとの接点や、同級生の井上一樹監督など、いろいろな縁が重なった。長く愛知県在住で、楽天に次いで身近な球団だった。

楽天時代の山田スカウト(写真右)と安田悠馬選手

「今まで、中日に負けないスカウティングをしたいと思ってきました。ファンも多い中日の地元にいかに入り込み、選手を見逃さないようにするか。スカウトとして尊敬できる先輩も中日に多いんです。日本一のために力になりたいです」
中日では同僚スカウトと東海地方を回りつつ、全国へ幅広く視察に赴く予定だ。球春到来。スカウトたちの一年も幕を開ける。
▼尾関雄一朗 1984年生まれ、岐阜県出身の野球ライター。東海地区を中心にアマチュア野球(高校/大学/社会人)を取材し、野球雑誌やウェブサイト、書籍などで記事を発表している。取材歴は15年を超え、プロ球団スカウトとも親交が深い。
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