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3年ぶり県大会優勝の県岐阜商 「考える野球」の土台をつくり上げた鍛治舎巧前監督「見届けたかった」

2025年8月4日 18時30分

鍛治舎巧・県岐阜商前監督


◇尾関雄一朗コラム「アマチュア野球取材ノート」
全国高校野球選手権岐阜大会を3年ぶりに制した県岐阜商。高校球界の名将・鍛治舎巧前監督は準々決勝と決勝を見に球場へ駆けつけていた。
「本当によかった。期待の高かった選手がそのまま伸びていました。『必ず甲子園に出ます』と選手たちから連絡はもらっていましたが、(自宅や甲子園のある)関西で待っているだけじゃなく、見届けてあげたかった」
2年生のエース右腕・柴田蒼亮の活躍を特にたたえる。今大会で28イニング1失点と好投した。
「球速が145キロぐらい出て縦のスライダーがいい。本調子でないときは小さくカットする球を使っていて、ピッチングに幅があります」
2018年3月から約6年半、母校野球部の再建に尽力し、創部100周年を区切りに昨年8月で退任。同4月に赴任した藤井潤作副部長(当時)にバトンを託した。
「彼の着任後に初めて話しましたが、その指導ぶりを推す声は以前から聞こえていました。私の野球とは違うので、選手の戸惑いや監督の苦労もあったようですが、最後はしっかり人馬一体となっていましたね」

県岐阜商の選手に声をかける鍛治舎前監督(左)

打線は6試合全てで2桁安打。藤井監督は決勝の後、「スイングの力は鍛治舎前監督からいただいていたので、ありがたかった」と語った。鍛治舎氏がこだわっていたパワーやスピードが土台となり、新監督が目指す"考える野球"の威力が最大限発揮された面もありそうだ。
鍛治舎氏は現在、中学生クラブチーム「枚方ボーイズ」で監督を務める。高校野球を見る機会はほぼないというが、各地の情勢はつかんでいる。
「大阪桐蔭とか、思いがけず負けた有力校もありますよね。低反発の新基準バットの導入で、紙一重の接戦ばかり。甲子園も、展開次第じゃないですか。投手交代の見極めやタイブレークの戦い方がカギを握るでしょう」
甲子園大会は5日に開幕する。
▼尾関雄一朗 1984年生まれ、岐阜県出身の野球ライター。東海地区を中心にアマチュア野球(高校/大学/社会人)を取材し、野球雑誌やウェブサイト、書籍などで記事を発表している。取材歴は15年を超え、プロ球団スカウトとも親交が深い。
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