夏の甲子園、スカウトに聞いた気になる評価や順位の見込みは!?...「対象選手の評価も難しい大会だった」ドラフト1位候補にも『慎重な見方』
2025年9月8日 13時49分
◇尾関雄一朗コラム「アマチュア野球取材ノート」
プロ志望のドラフト候補が少ないとされた今夏の甲子園大会。視察したNPB球団のスカウトたちに、気になる評価や指名順位の見込みを聞いた。すると「対象選手の評価も難しい大会だった」との声が聞こえてきた。
石垣元気
筆頭株は、甲子園最速タイの155キロをマークした石垣元気(健大高崎)。パ・リーグ球団スカウトのA氏は「ポテンシャルは相当。どの球団もドラフト1位候補に入れているのでは」と見る。ただ、手放しでの絶賛とはならない。セ・リーグ球団スカウトのB氏は「短いイニングしか投げていないから評価しづらい面はある。フォークで腕の振りが緩むし、プロでは時間がかかるかも」と慎重な見方も示す。
奥村頼人
他のドラフト候補についても、魅力は認めつつ、見極めに難しさがあったようだ。A氏は「夏の甲子園に出た選手だと、石垣以外は4位以降の指名じゃないか」と相場を読む。投打に能力が高い奥村頼人(横浜)については「投手として見ている。西武入りしたOBの杉山遙希と重なる」とA氏。反面、B氏は「大腿の肉離れがもしクセになるようだと球速は落ちる。打者のほうがいいかな。神奈川大会で死球に激高するなど、我の強そうな一面も球団によって好みが分かれそう」
江藤蓮
素材が光る江藤蓮(未来富山)、早瀬朔(神村学園)の2投手はどうか。江藤については「打ち込まれたのは疲れのせいかな。伸びしろがあり、あれで大きく評価を落とすわけではない」(A氏)。早瀬は「昨年の今朝丸裕喜(阪神ドラフト2位)よりモノはいいかも。ただ、指名順位はそこまでいかない気がします」(B氏)
早瀬朔
ドラフト会議は10月23日。B氏は「今年のドラフト市場は大学生が優勢。上位でスムーズに大学生をとれた球団は、余裕ができて下位で高校生を指名しやすくなる」と展開を予測している。
▼尾関雄一朗 1984年生まれ、岐阜県出身の野球ライター。東海地区を中心にアマチュア野球(高校/大学/社会人)を取材し、野球雑誌やウェブサイト、書籍などで記事を発表している。取材歴は15年を超え、プロ球団スカウトとも親交が深い。
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