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これを書いている今日は、韓国の数少ない祝日の一つ、開天節である。檀君神話に基づいた、古朝鮮の建国を祝う日だ。この日には檀君が祭天の儀式を行ったという伝説が残る、普段は立ち入り禁止の塹星壇と呼ばれる祭壇が解放される。
この塹星壇は江華島の南部、標高468mの摩尼山の頂上にある。檀君が天を祭るために作ったとの伝説だが、いつ作られたものか明らかでない。史書に残る一番古い記録は李朝初期らしい。恐らく高麗時代に作ったものであろうか。記録上では、醮祭という、道教式の星に関する祭祀を高麗、李王朝が行っていたようである。
岩山のてっぺんに石築で作られているが、下段部は楕円形に、上段部は方形をなしている。円形は天を表し、方形は地を表すとのことだが、こんな様式の祭壇は他で見たことが無い。誰がどういう思想でこういう構造物を山頂に築いたのか、当初はどういう祭祀がここで行われていたのか、非常に興味深い。
遺跡保存のために1月1日の初日の出と開天節の10月3日以外は立ち入り禁止になっており、柵の外から見るしかない。
しかし離れて見ても、古色蒼然として何だか妖しいオーラがむんむんしている気がした。霊気溢れるこの場所は、檀君を信仰する人たちの聖地であり、韓国で一番の強い気が集まるスポットだそうである。
2007年2月16日踏査
▲さんかく摩尼山観光案内図。中央左寄りが頂上で、そこに塹星壇がある。
▲さんかく麓から15分ほど登ったところで、この長い石段が始まる。ここから頂上まで、さらに40分近くかかる。
▲さんかく登山道の途中からでも素晴らしい眺望。
▲さんかく韓国で一番"気"が強いスポットだと、気と風水の専門家が認定した、との解説板。
▲さんかく▼麓から2.4km、小一時間も掛けて汗だくになって到着したが、目的の塹星壇は柵の中だった。
▲さんかく柵の隙間からレンズを入れて撮影。
▲さんかく上段の四角い構造部。
▲さんかく史跡136号解説板。塹星壇ではなく、塹城壇としてある。韓国語の発音では同音。記録上では星の字を当てたのが古く、18世紀にこの祭壇を檀君と結びつける説が出てきた時に、単なる星を祭る祭壇では無いとの意味で城の字に置き換えたらしい。文化財庁のホームページでは塹星壇と表記している。
▲さんかく前方に回りこむと、楕円形の下段部が見られる。
▲さんかくこの窪みは何の為なのか分からない。
▲さんかく分かりにくいが、側面に入口の階段が作ってある。
▲さんかくほぼ同じ高さのすぐ隣の峰が頂上。
▲さんかく▼隣の峰から見た塹星壇。
▲さんかく四角い上段の上に登る階段が見える。
▲さんかく開天節の10月3日には、写真のような七仙女が、仙舞を舞うらしい。衣装がちょっとチープなのが古蹟に似つかわしくない。
▲さんかく頂上からの眺望。
2007年10月 3日 (水) ソウル・京畿道の史跡, 寺院・宗教, 高麗の史跡, 江華島の史跡 | 固定リンク
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江華島は、古代遺跡から近代遺跡まで、歴史好きには見所満載のところです。
私もまだ世界遺産の支石墓を始め、見てないものが結構残ってます。またいつか必ず行きたいところのひとつです。
塹星壇、ここもお勧めの場所ですが、もし真冬に行くのでしたら、簡易型のでも良いのでアイゼンがあった方が良いです。頂上近くの北側斜面が短い距離ですが、スケートリンク状態で、みんなよちよち歩きでした。
投稿: しげ@SEOUL | 2008年10月24日 (金) 06時57分
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国単位の祭祀だけにもともと最高の立地なんですかね・・・漢民族以外のアジア人は、やっぱり風水とかより呪術でできている感じがしました。
ここ行ってみたいものです!
投稿: 라지파파 | 2008年10月23日 (木) 23時31分