耐震性強化工事、試験施工結果に基づく工法の検討は、「山倉ダム改修実施設計調査委員会」(委員長 国生 剛治中央大学理工学教授)に委託された。工事は平成13年4月着手し、平成15年3月深層混合処理工、SMW工及びGCP工が完了。平成15年11月末に押さえ盛土工を完了し、平成16年2月〜平成17年3月に試験湛水を実施した。
改修工法の設計は、現行のダム設計基準に従い震度法による安定計算にて安全率1.2以上を確保。基礎砂層の液状化に対しては兵庫県南部地震の結果も考慮された道路橋示方書「耐震設計編」(H8年)に示す方法にて、所要の安全性を確保することを基本とした。
改修工法は、地区外からの盛土材料の搬入と捨て土の搬出を最小限とし、周辺地域の環境への負荷を低減できるよう、深層混合処理、SMW(ソィルミキシングウォール)とGCP(グラベルコンパクションパイル)による地盤改良と押さえ盛土の併用工法を採用した。この工法はアースフィルダムの改修工事ではわが国初の試みであった。