<ヴォストーク65> リーグ戦11連勝!!!:バスケットボール<スーパーリーグ>(2019年01月24日)

<ヴォストーク65>は遠征から戻り、ユジノサハリンスクでリーグ戦の試合が開催されました。

イジェフスクのチーム、<クーポル・ロドニキ>を迎えました。

イジェフスクは沿ヴォルガ連邦管区のウドムルト共和国の街です。1760年、当時起こっていたウラル地域の開発という流れの中で冶金工場やダム湖が建設されたことが街の起こりであるとのことです。19世紀以来、銃器の製造等を手掛ける「兵器産業の街」という側面も有する工業都市となって、ソ連時代を経て現在に至っています。街には様々な学校が立地していて、「ウドムルト共和国の教育や学術研究の中心」という性格も有しているとのことです。人口は61万人程度のようです。

このイジェフスクを本拠地とする<クーポル・ロドニキ>は、20試合終了時点で7勝13敗と黒星先行で、順位は14位です。このチームは、最近になって「少し変わった?」ようでもあります。

12月下旬、<クーポル・ロドニキ>では監督(ヘッドコーチ)の交替が在りました。モンテネグロ出身のミロシュ・パヴィチェヴィチ監督は2011年からロシアのバスケットボール界で活動しているコーチで、2016-17シーズンには指揮を執った<スパルターク・プリモーリェ>をリーグ優勝に導いた実績が知られています。

ミロシュ・パヴィチェヴィチ監督就任後の5試合で<クーポル・ロドニキ>は2勝しています。敗れた3試合も惜敗が目立つ状況で、チームの状況が好転していると評価されているようです。残りの試合で勝利を重ね、「何とかプレイオフへ進出」と懸命なのです。

この<クーポル・ロドニキ>を迎える<ヴォストーク65>の側では、#7 イリヤ・スィロヴァトコが今季の残り試合を全て欠場せざるを得ないということになってしまっていて、加えてこの試合は#3 カーマイン・ミッチェルと#10 ヴャチェスラフ・グラチョフが欠場しました。<ヴォストーク65>は10人で戦いました。

試合が始まりました。

第1クォータ開始直後に<ヴォストーク65>が得点するものの、直ぐに<クーポル・ロドニキ>が連続得点し、2対5となります。そこから<ヴォストーク65>が追い付いて7対7となると、一進一退で目まぐるしくリードが入れ替わり、何回も同点になる競り合いが演じられました。第1クォータは26対26の同点でした。

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第2クォータも両者は互いに譲りません。29対29、33対33、35対35と「直ぐに同点」ということになります。6分27秒に至って<ヴォストーク65>が40対36と「少しリードが拡がる?」ということになりそうだったのですが、7分48秒には40対39と<クーポル・ロドニキ>はビッタリと貼り付いて来ます。第2クォータは17対15と極僅かに<ヴォストーク65>が先行しましたが、43対41と後半に勝負を預けた形となりました。

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第3クォータも激しい競り合いが続きました。43対43、45対45という同点を経た後、<ヴォストーク65>の得点が続き、6分39秒に54対48と<ヴォストーク65>のリードが拡がるような感じになりました。が、<クーポル・ロドニキ>は粘り強く反撃をします。連続得点で54対52まで追い上げます。第3クォータは13対13と互いに得点が伸びず、2点の点差は変わらずに56対54となりました。

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第4クォータの冒頭は<ヴォストーク65>が加点したのですが、<クーポル・ロドニキ>は直ぐに追い上げ、2分20秒で60対59と1点差に詰め寄ります。ここから<ヴォストーク65>が連続得点に成功し、他方で<クーポル・ロドニキ>は加点し損なう状況になりました。7分3秒の得点で71対59と<ヴォストーク65>が抜け出しました。

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しかしながら「試合終了のブザーが鳴る一瞬まで加点を競う」というのがバスケットボールというゲームです。<クーポル・ロドニキ>は果敢に攻め、9分3秒で75対71と「残り時間での逆転」という可能性も残る次元にまで追い上げます。結局、第4クォータそのものは21対20と<ヴォストーク65>が僅かに先行した形で、77対74で勝利を掴みました。

<ヴォストーク65>の2点シュートは成功率が54.1%(20/37)、3点シュートは成功率が24.0%(6/25)でした。<クーポル・ロドニキ>の2点シュートは成功率が55.6%(20/36)、3点シュートは成功率が28.6%(8/28)でした。フリースローは<ヴォストーク65>が成功率79.2%(19/24)、<クーポル・ロドニキ>が成功率71.4%(10/14)でした。両者の差は「僅か」であった感です。

リバウンドは<ヴォストーク65>の41に対して<クーポル・ロドニキ>は34です。"ディフェンシヴ"のリバウンドは<ヴォストーク65>の30に対して<クーポル・ロドニキ>が28で、両者に大きな違いは見受けられませんが、"オフェンシヴ"のリバウンドは11対6で<ヴォストーク65>が優位でした。スティールは3対8で<クーポル・ロドニキ>側が多く、ターンオーバーを喫した数は18対12で<ヴォストーク65>の方が多い状態でした。

両者共に得点が伸びずに、攻勢と守勢とが素早く入れ替わる、或る意味で「バスケットボールらしい」感じの競り合いで、互いに「引き離されないように」という息詰まる展開でした。第4クォータで、この試合の最大点差の12点差になった辺りで「<ヴォストーク65>が更に圧して、一定の点差で最終盤まで?」とも見えましたが、「マダマダ!!」と<クーポル・ロドニキ>は迫って来ました。終わってみると、<ヴォストーク65>は「薄氷を踏むような」感じで勝利を掴んだという状況です。

バスケットボールでは、個人ファウルが5つになると退場という「ファウルアウト」というルールが在ります。この試合で<クーポル・ロドニキ>の3選手がこの「ファウルアウト」になりました。<クーポル・ロドニキ>の各選手が「鬼気迫る!!」というような感も在りましたし、ゴール下の競り合いも激しい感でした。「ファウルアウト」は1人位であれば時々見掛けます。<ヴォストーク65>の選手がこれに該当した場面も視たことが在ります。が、「3人」という例は初めて見ました。

<ヴォストーク65>は「各地の強豪に挑む新興チームとして、"挑戦者の気概"でリーグ戦を戦い抜く」という感であったものが、リーグ首位に出たことで、他のチームが「全力で倒しに!!」と挑んで来るのを「受けて立つ」というようになって来たのかもしれません。"プレイオフ圏内"への滑り込みを目指して必死な<クーポル・ロドニキ>が、「3人ものファウルアウト」という激しい戦いぶりを見せたことで、そんなことも感じました。

この試合で21試合を終えた形です。<ヴォストーク65>はリーグ戦11連勝です。戦績は18勝3敗となりました。首位を堅持です。

<クーポル・ロドニキ>で監督(ヘッドコーチ)が交替し、「未だプレイオフの可能性は在る!」と鬼気迫る戦いぶりを見せた訳ですが、他にもこういうような人の異動とそれに伴う変化が在ったチームが幾つもあるようです。リーグ戦は、概ね「三分の一」の日程を残す段階に入っていますが、最後まで目が離せません。

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