相続手続きって何が大変? 相続手続きって何が大変?

相続手続きって何が大変?

相続手続きは、多くの方にとって一生に何度も経験するものではなく、また、ご遺族のご心情にかかわらず、慣れない中で期限までに多くの書類を提出する必要があるなど、ご負担がかかることも多いものです。

この記事では、将来相続手続きを行う立場になる方に向けて、相続手続きはなぜ大変と言われるのか、少しでもスムーズに進めるために事前に知っておくと良いこと(進め方・スケジュールの概要)についてお伝えします。

なお、相続手続きに直面している方については、以下の関連リンクにて詳細をご紹介しておりますのでご覧ください。

相続手続きが大変と言われる理由

相続手続きが大変といわれる理由はいくつかありますが、以下にその一例をご紹介します。

  • 多くの手続きを期限内で行う必要があること
  • 手続きに不慣れであり、聞きなれない専門用語も多いこと
  • 相続人の間で争いが起こった場合、かなりの時間と労力、精神的な負担がかかること

相続手続きを行う場合、まずはじめに遺言の有無を確認します。
遺言がある場合、多くの場合、遺言執行者が指定されていますので、相続手続きは指定された遺言執行者が執行義務を負うこととなります。遺言執行者の役割については、以下のリンクをご覧ください。

【関連リンク】

遺言がなかった場合の相続手続きの流れ

一方、遺言がない場合には、まず、相続人と相続財産を確定させたうえで、相続人全員と遺産分割協議を行い、その後相続財産の名義変更、相続税の納付という流れで進めていくことが一般的です。

それぞれのステップで具体的に何が大変と言われるのでしょうか。一般的に言われている理由は以下のとおりです。

1:

相続人の確定で大変なこと

相続人を確定するためには、まず、亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍謄本を揃え、必要に応じ婚姻等で除籍になった相続人の現在の戸籍等を確認する必要があります。戸籍を確認するというと、役所へ行けばすべて揃うと思われがちですが、例えば戸籍の記載のある本籍地の役所が市町村合併によりほかの役所に合併されている場合は本籍地の役所をどこか調べる必要があるなど、想像以上に大変です。
また、戸籍は、作成時期により様式や記載内容が異なるため、読み取るのにも時間がかかります。

  • 戸籍法の一部が改正(2024年3月1日施行)されています。くわしくは【関連リンク】をご覧ください。

さらに、相続人が確定した後、相続人が全員近隣に住んでいたり、日ごろから接点のある方であれば大変なことはあまり起こらない可能性が高いですが、相続人のなかに普段接点のない方や遠地に住む方、認知機能の低下した方がいらっしゃる場合は、連絡先を確認したり、状況の説明に時間を要したり、慣れない方を相手に連絡を取り合うのに精神的な負担を感じる可能性があります。

2:

相続財産の確定で大変なこと

相続が発生したら、何がどこに、いくらあるのかを漏れのないよう確認しなければなりません。預貯金や有価証券、土地・建物等日常的に管理している財産については、把握しやすいですが、ネット金融機関や暗号資産など、被相続人本人ですら把握しにくい財産を相続人が把握することは大変なことです。
遺産分割協議が終わった後に、新たな財産が出てきて協議をやり直すということも考えられますので、事前にきちんと把握することが大切です。簡易な方法としてエンディングノートなどに自分の財産を整理して一覧化しておくよう、日頃からお願いしておくことも一策です。

3:

遺産分割協議で大変なこと

遺言書がないなど、遺産を相談して分けることになった場合、財産が確定した段階で相続人全員で遺産分割協議を行います。相続人全員が合意したところで、遺産分割協議の結果を文書にしますが、相続人の間で話し合いがつかない場合、家庭裁判所で調停による分割または審判による分割をすることとなります。
話し合いがスムーズに行われれば心労は少なくて済みますが、スムーズに行われない場合は時間を要することに加え、相続人の間で感情的なしこりが残ってしまう可能性もあります。

4:

相続財産の名義変更で大変なこと

遺産分割協議が整った後は、すべての相続財産について、それぞれ手続きが必要となります。複数の銀行に口座を保有している場合などは、金融機関ごとに異なる手続きを複数行う必要があり、相続人にとって大きな負担となります。
また、一般的に被相続人の銀行預金や貸金庫などは、一部の相続人の方だけで自由に出し入れや処分ができなくなりますので、遺産分割協議が整った後は、早急に手続きにとりかかることが重要です。

5:

相続税の納付で大変なこと

相続税の申告および納付は、被相続人の死亡日から10か月以内に現金一括納付が原則です。相続税は、相続人ご自身でも申告はできますが、その場合は自分自身で相続税の計算から必要書類の準備を期限内に行う必要があります。銀行や役所など書類を取り寄せるところは、基本的に平日の決まった時間しか開いていませんので、時間に余裕をもって進める必要があります。
なお、相続税を期限までに納付することができなかった場合は、加算税がかかりますので、この点にも注意しながら計画的に準備をする必要があります。

このように、遺産相続の手続きについては、想像以上に多くの事柄への対応が求められますので、特段の対策をしていなかった場合は、期限に追われて多くの時間や労力を費やすことにもなりますので、特に仕事をされている方、遠方にお住まいの方、ご高齢の方にとっての負担が大きくなる可能性があります。

相続手続きの進め方のポイント

相続の手続きにあたっては、進め方と期日を意識しながら進めることが大切です。また、手続きによって関係する役所や機関が複数ありますので、どこの役所や金融機関に手続きが必要となるのか、あらかじめおおまかな進め方とスケジュールを確認して万一に備えておくと安心でしょう。

相続手続きの主なスケジュール

相続手続きの主なスケジュール

<期限がある手続き>

  • 7日以内:死亡診断書の取得、死亡届の提出、火葬・埋葬許可証の提出
  • 14日以内:世帯主変更届の提出、国民健康保険資格喪失届の提出
  • 3ヶ月以内:相続放棄・限定承認を家庭裁判所に申述
  • 4ヶ月以内:所得税の準確定申告
  • 10ヶ月以内:相続税の申告・納付

<期日を目安として行う手続き>

  • 7日以内:遺言書有無の確認・検認の請求
  • 3ヶ月以内:遺産相続人の調査・確定、相続財産の調査・確定
  • 4ヶ月以内:遺産分割協議の開始

相続手続きやスケジュールの詳細については、以下のリンクでご紹介しておりますので、ぜひ相続手続きのご準備にお役立てください。

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