19:44 更新
二酸化炭素を吸収する力を企業と企業の間で売り買いする取り組みが大分県内でも徐々に広がりをみせています。
19日に大分県日田市を訪れたのは大手IT関連企業「LINEヤフー」の社員たちです。
田島山業が持つ森林にコナラやミズキなど10種類あわせて100本の苗を植えました。
2024年2月、両者の間で「J‐クレジット」という契約を交わしたのが活動のきっかけです。
田島山業が持つ森林の二酸化炭素を吸収する能力をLINEヤフーが毎年1500トン買うという内容で契約は2023年度から10年間、その後、5年ごとに更新する予定です。
(LINEヤフー・小南晃雅さん)
「環境に負荷をかけながら事業をしているのでCO2を吸収する木を植えて、普段の活動で少しでも(CO2を)減らしていけるように意識を向けて帰ってほしい」
持続可能な二酸化炭素の削減へ。
地球温暖化の解決策の1つとして注目を集める「J‐クレジット」とは。
(新岡アナ)
二酸化炭素を吸収する力を会社が売ったり買ったり...すごい時代になりましたね。
ですが、あらゆる手を尽くして対策しなければいけない...まずは、その背景から見ていきましょう。
大分地方気象台は2022年にこんな発表をしました。
温暖化の対策をこれまで以上にしないと...今世紀末の平均気温は20世紀末と比べて4°C以上、上がると予測しました。
2100年ごろというとまだまだ先の話なのでピンとこない方もいるかもしれません。
では、2000年と今の時点で比べてみましょう。
大分市です。
最高気温の平均、2000年の9月は...28.3°Cでした。
一方、2024年9月18日までの平均はこちら。33.1°Cと24年前と比べて4.8°Cも上昇。
あくまで参考ですが「最高気温の平均」がこんなに暑くなっているんです。
また、30°C以上の真夏日を記録した日は...2000年の9月は11日でしたが2024年は9月19日まで18日連続!
このままではいけないということで出てきた仕組みがJ‐クレジットです。
買う側のメリットは何でしょうか。
LINEヤフーにはオフィスの照明や空調、社用車のガソリンなど仕事の性質上どうしても減らせない二酸化炭素があります。
それを田島山業が持つ森林の二酸化炭素を吸収する能力を買うことで、間接的に環境対策に貢献できるというわけなんです。
一方、J-クレジットを売る側のメリットは何でしょうか。
会社の利益になることはもちろんですが、森林の整備や新たな設備投資などにも役立てられます。
田島山業は「新たな収入源となる。林業にとっては追い風」と話しています。
買う側は環境対策への貢献、売る側は新たなビジネスチャンス...J-クレジットの広がりに今後も注目です。