NTT東日本グループのサステナビリティ
パーパスとサステナビリティ
NTT東日本グループは、これまで情報通信事業者として培ってきた地域に密着したサポート力やNTTグループとしての技術力をもって、身近なICT企業として地域の課題解決や価値創造に取り組んできました。
このような取り組みの更なる加速を目指し、2023年度、「地域に密着した現場力とテクノロジーの力で、夢や希望を感じられる持続可能な循環型の地域社会を共創」することを新たな「パーパス(存在意義)」として定義しました。人口減少や産業の衰退、後継者不足など多くの課題を抱える地域が持続的に存在し続けることができる未来を地域のステークホルダーと一緒に「共創」してくこと、地域のサステナビリティを実現していくことが、私たちNTT東日本グループの存在意義です。
ガバナンス
NTT東日本グループは、パーパスを体現するため、マテリアリティを強力に推進しています。活動推進にあたっては、「サステナビリティ推進室」および「サステナビリティ推進委員会」が推進に向けた活動を一元的に行うことで、迅速に対応できる体制を整えています。
「サステナビリティ推進委員会」は代表取締役副社長が委員長を務め、本社内各組織、事業部の代表者を委員とし、毎年定期的に開催して、グループ横断のサステナビリティ活動推進に向けた議論を行っています。2024年度は4回の委員会を開催し、2025年度も四半期ごとに開催予定です。
「サステナビリティ推進委員会」において議論された重要な事項は、取締役会に報告し、取締役会が監督しています。
2024年度サステナビリティ推進委員会主な議題
- サステナビリティ推進におけるNTT東日本グループの取り組みの全体像とサステナビリティ方針
- サステナビリティ推進指標の達成状況
- 温室効果ガス排出量削減に向けた取り組み
- 業務用車両の減車及びEV化に向けた取り組み
- 顧客エンゲージメント向上に向けた取り組み
- 社会貢献活動推進に向けた取り組み
- 人権啓発に向けた取り組み
- 障がい者雇用促進に向けた取り組み
- 女性社員活躍に向けた取り組み
- 男性社員の育児参画推進に向けた取り組み
- 社員エンゲージメント向上に向けた取り組み
戦略
当社グループは「パーパス」のもと、地域のミライを支える価値創造事業を中心とした事業構造への転換を図り、地域社会をはじめとするステークホルダーのみなさまとともに、夢や希望を感じられる持続可能な循環型社会の共創をめざしています。
その実現を確かなものとするために「取り組みの3本柱」を策定、それらに関するリスクと機会を特定した上で、KPI・目標を設定し、経営戦略の中核に据えて事業活動へと組み込み、グループ全体で実践しています。
重要課題(取り組みの3本柱)の見直しプロセス
NTT東日本グループは、SDGsや地域社会が抱える社会課題から抽出した項目について、「世の中目線での優先度」と「NTT東日本目線での優先度」の2軸で優先度を定め、サステナビリティ重点課題(マテリアリティ)に特定していましたが、2023年度のパーパス制定に伴い、従来のサステナビリティ重要課題を見直しました。
従来の2軸の目線にくわえ、NTT東日本グループが、自社グループの取り組みにとどまらず、すべてのステークホルダーのみなさまから共感を得て、共に世の中や地域のサステナビリティを推進していくために、特に注力するべきことを考慮し、取り組みの3本柱(取り組みのテーマ)を定めました。
リンク 取り組みの3本柱の概要(リスクと機会)
KPI・目標と実績
サステナビリティ重要課題に対する2024年度の実績は以下の通りです。
脱炭素・循環型社会の実現*
| カテゴリ | KPI | 2024年度目標 | 2024年度実績 | 2025年度目標 | 評価 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2040年カーボンニュートラルの実現 | 温室効果ガス排出量(スコープ1&2) | 44.0万t-CO2e以下 | 44.0万t-CO2e | 43.0万t-CO2e以下 | ○しろまる | |
| 消費電力量(自責分) | 13.9億kWh | 13.9億kWh | 14.1億kWh | ○しろまる | ||
| 一般車両のEV化率 | 53% | 56% | 60% | ○しろまる | ||
| 減車・EV化台数 | 286台 (減車:76台、EV化:210台) |
343台 (減車:114台、EV化:229台) |
158台 (減車:43台、EV化:115台) |
○しろまる | ||
| サーキュラーエコノミーへの貢献 | 廃棄物リサイクル率 | 99.2%以上 | 99.0% | 99.0% | ○しろまる | |
| 廃棄物処理(PCB)に関する法令違反件数 | 0件 | 0件 | 0件 | ○しろまる | ||
| その他 | eco検定取得率 | 管理者:91.0% 全社員:63.3% |
管理者:90.9% 全社員:61.0% |
管理者:95.4% 全社員:70.5% |
△しろさんかく | |
- *[A]NTT東日本グループ(全グループにおけるカバー率:100%)
地域社会・経済の活性化への貢献
| カテゴリ | KPI | 2024年度目標 | 2024年度実績 | 2025年度目標 | 評価 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 共感型コンサルティングによる地域課題の解決・価値創造の実現 | 顧客エンゲージメント率*1 | SMB※(注記)1層のNPS※(注記)2:▲さんかく22.9以上 顧客内NPI※(注記)3:80.5%以上 |
SMB層のNPS:▲さんかく33.3 顧客内NPI:74.8% |
対前年(SMB層のNPS:▲さんかく33.3、顧客内NPI:74.8%)以上 | ×ばつ | |
| 地域の価値創造ソリューションを支える高品質で安定的な通信ネットワークの提供 | 重大事故発生件数*1 | 0件 | 0件 | 0件 | ○しろまる | |
| サイバー攻撃に伴う重大なインシデント発生件数*1 | 0件 | 0件 | 0件 | ○しろまる | ||
| 情報漏洩件数*2 | 0件 | 0件 | 0件 | ○しろまる | ||
| その他 | 社会貢献活動関連支出額*2 | 対前年(9.5億円)増 | 10.3億円 | 対前年(10.3億円)増 | ○しろまる | |
| 社会貢献活動参加社員率*3 | 80% | 60.5% | 60% | △しろさんかく | ||
- *1 [B]NTT東日本(単体)
- *2 [A]NTT東日本グループ
- *3 [C]NTT東日本+地域子会社4社+グループ会社2社
- ※(注記)1 SMB:Small and Medium Business の略で、中堅中小企業のこと。
- ※(注記)2 NPS:ネット・プロモーター・スコアの略で、顧客ロイヤルティ(商品やサービスに対する信頼・愛着)を測る指標。
- ※(注記)3 顧客内NPI:User Next Purchase Intention の略で、顧客が次もそのサービスを購入したいかを測る指標。
多様性を尊重する社会の実現
| カテゴリ | KPI | 2024年度目標 | 2024年度実績 | 2025年度目標 | 評価 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 人権が尊重される社会の実現 | 確認された人権に関する違反件数*1 | 0件 | 18件 | 0件 | ×ばつ | |
| 業務災害発生件数*1 | 0件 | 142件※(注記)1 | 0件 | △しろさんかく | ||
| ダイバーシティ&インクルージョンの推進 | 経験者採用率*2 (公表日:2025年6月30日) |
30% | 45% | 30% | ○しろまる | |
| 障がい者雇用率*3 (2025年6月1日時点) |
2.4%以上 | 2.79% | 2.7%以上 | ○しろまる | ||
| 女性の新任管理者登用率*2 ※(注記)2 | 30.0% | 30.4% | 30.0% | ○しろまる | ||
| 女性の管理者比率*2 ※(注記)2 | 13.5% | 13.7% | 15.0% | ○しろまる | ||
| PRIDE指標(LGBTQ浸透指標)獲得維持*4 | GOLD認定 | GOLD認定 | GOLD認定 | ○しろまる | ||
| 男性育休取得率*4 | 100%以上 | 149% | 100%以上 | ○しろまる | ||
| ワークスタイルの変革 | 1人当たりの研修時間*4 | 対前年度(37時間)増 | 44時間 | 対前年度(44時間)増 | ○しろまる | |
| 1人当たりの研修投資額*4 | 対前年(168,470円)増 | 159,087円 | 対前年度(159,087円)増 | ○しろまる | ||
| 社員エンゲージンメント率*4 | 53% | 57% | 58% | ○しろまる | ||
| 社内外副業実施社員数 | 対前年(860名)増 | 927名 | ― (2025年度目標は設定なし) |
○しろまる | ||
| 資格の取得者数 | 対前年(12,654名)増 | 14,553名 | ― (2025年度目標は設定なし) |
○しろまる | ||
| 公正な社会の実現 | プレゼンティーズム損失率*1 | 6.00% | 6.00% | 6.00% | ○しろまる | |
| メンタルヘルス休職者数*1 (前年度実績に対する増減割合) (2024年12月31日時点) |
5.6% (対前年▲さんかく3%) |
4.0% (対前年3.6%増) |
対前年▲さんかく3% | ○しろまる | ||
| 反競争的な違反行為・贈収賄違反件数*5 | 0件 | 0件 | 0件 | ○しろまる | ||
| 改善要請が必要なサプライヤとの直接対話率*1 | 100% | 100% | 100% | ○しろまる | ||
- *1[A]NTT東日本グループ
- *2[B]NTT東日本(単体)
- *3[D]NTTグループ連結
- *4[C]NTT東日本+地域子会社4社+グループ会社2社*5 NTT東日本+地域子会社4社+グループ会社24社
- *5NTT東日本+地域子会社4社+グループ会社24社
- ※(注記)12024年度実績より、NTT東日本グループ(医療職を含む)へ集計範囲を拡大
- ※(注記)2出向者含む
サステナビリティに関する社内浸透
NTT東日本グループでは、サステナビリティの理念を浸透させ、事業活動を通じてSDGsの達成に貢献するため、さまざまな取り組みを進めています。2024年度は下記内容の浸透活動を実施しました。
- NTT東日本グループ社員を対象としたトップメッセージの発信(年1回)
- 社内報や対外向けレポート、講演会における取り組みの発信
- コーポレートサイトにおける取り組み発信
- 優れた社会貢献活動を賞する表彰式典の開催(年1回)
また、サステナビリティの取り組みに関する優良事例をNTTグループ内外へ発信することを目的として、年1回「NTTグループサステナビリティカンファレンス」が開催されています。2025年5月に開催された第12回NTTグループサステナビリティカンファレンスでは、東日本グループからエントリーした「エネルギーの地産地消による循環型社会の形成」が最優秀賞を受賞しました。