発変電所や送電線に使用されている碍子類の汚染管理を行うには、同一場所にパイロット碍子を設置し、適時これを筆洗法により測定し汚損量を把握していました。しかし、この方法は時間と労力(熟練も必要)を要していました。
このために早くより自動測定装置が開発されていますが、多くの方式は筆洗法の手順を自動化しているため、汚損物質は測定の度に洗い落されてしまい実使用碍子の汚損(累積汚損、雨洗効果)を的確に判断することが難しい状況でした。
そこで現場碍子と同一条件下に置かれた検出用碍子(実使用碍子と材質・形状が同一)を蒸気で湿潤し、その表面に設けた電極間の電気抵抗からの碍子表面の汚損状況を自動測定する装置を開発致しました。
本装置は検出用碍子に付着した汚損物質を洗い落とさずに測定できるため、実使用碍子と等しい状態で測定でき、碍子洗浄時期の判定に役立たせることができます。
Merit 01
独自の人工湿潤測定方式により、碍子に付着した汚損物質を洗い落とすことなく、累積汚損が測定できます。
Merit 02
検出用碍子は、実使用碍子と素材・形状が同一であり、汚損物質の付着具合や雨洗効果も等しくなります。
Merit 03
塩分付着具合は碍子の設置高により異なります。本装置は実使用碍子と同じ高さに検出用碍子を設置でき、同一の汚損量が測定可能です。
Merit 04
検出用碍子に配置した測定用電極(12対)にて、各方向からの塩分付着が測定可能です。また碍子の上・中・下の3ヵ所を測定することで、信頼性の高い測定を実現しました。
Merit 05
定時測定※(注記)1、急速測定※(注記)2、風程起動測定※(注記)3の3通りの測定パターンを設定できます。台風等の強風時(風速50m/S)でも測定可能です。
Merit 06
碍子湿潤には蒸気を用いるため、水道水を使用できます。(蒸留水は必要ありません)また、自動給水のため、給水作業がありません。
Merit 07
ネットワークに接続することで、複数箇所の汚損状況を集中監視することができます。
Merit 08
イーサーネットやアナログ回線などの伝送方式に対応しており、カスタマイズも可能です。
自然曝露試験におけるソルトメータの信頼性
ソルトメータの信頼性を検証するために、同一場所に設置したパイロット碍子の筆洗い値とソルトメータの測定値との比較試験結果を以下に示します。
評価方法としてソルトメータと筆洗い方式、各々20回の測定結果にて算出した回帰曲線※(注記)4と基準線※(注記)5を比較しました。
検証の結果、図1のとおり、回帰曲線は基準線と概ね同一の相関を示すことが確認されました。このような特性の測定器評価方法として信頼区間※(注記)6を利用します。今回の測定データにおける信頼区間を90%にした場合は、図1のとおりとなります。
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