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国際結婚、海外での出生等に関する戸籍Q&A

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法務省民事局

はじめに

 近年、国際的な人の交流が進み、日本で暮らす外国人、外国で暮らす日本人などが、国際結婚をしたり、出産したりすることが珍しくない時代となっています。外国人を当事者とする結婚、出産などをめぐる問題は、複数の国の法律に関係しますので、そのような問題に直面したとき、届出が必要かどうか、届出は難しくないか、どんな書類を用意すればよいかなど、様々な疑問を持つことがあるかと思います。
 このホームページは、日本で暮らす外国人、外国で暮らす日本人などが行う婚姻(結婚)、出生などの戸籍の届出手続について、Q&A方式により、ご案内するものです。
 人々の暮らしは多様であり、すべてのケースをここで取り上げることはできませんが、少しでも、このホームページが、皆様のお役に立てることを願っております。
 なお、詳しい手続は、市役所、区役所又は町村役場の戸籍届出窓口、法務局・地方法務局の戸籍相談窓口でおたずねください。

Question1

外国人が、日本で婚姻(結婚)したり、子どもを産んだときは、戸籍の届出は必要ですか?

Question2

外国人が日本で婚姻の届出をするには、届書のほかに、どんな書類を提出すればよいのですか?

Question3

婚姻要件具備証明書を発行していない国の場合には、どうすればよいのですか?

Question4

私は日本人ですが、外国人と海外で結婚式を挙げました。婚姻は成立しますか?また、戸籍の届出はどうすればよいのですか?

Question5

日本人同士が、外国で婚姻をする場合は、どうすればよいのですか?

Question6

私は日本人の鈴木あゆ美です。外国人のカルロス・ジョーダンと婚姻(結婚)しましたが、私の戸籍はどうなりますか?また、夫の氏(ジョーダン)に変えられますか?

Question7

私たちは日本人夫婦です。外国で子どもを出産しましたが、何か戸籍の届出をする必要がありますか?

Question8

私は日本人で、外国人と結婚しています。外国で子どもを出産する予定ですが、戸籍の届出上注意すべきことがありますか?








Question1

外国人が、日本で婚姻(結婚)したり、子どもを産んだときは、戸籍の届出は必要ですか?

Answer1

婚姻届については、届出が必要な場合と必要でない場合があります。出生届については、常に届出が必要です。

  • 1.日本人と外国人又は外国人同士が日本で婚姻しようとするときは、戸籍届出窓口に婚姻の届出をし、両当事者に婚姻の要件が備わっていると認められ、届出が受理されると、有効な婚姻が成立します(以下、このようにして成立する婚姻を「日本方式の婚姻」といいます。)。養子縁組や認知についても同様に、届出が受理されることが必要です。届出が受理されると、日本人については戸籍に記載され、外国人同士の場合には届書が50年間保存されます。
  • 2.外国人が日本にあるその国の大使館又は領事館にその外国の方式により婚姻届出をした場合には、日本の戸籍届出窓口への届出は不要となります。
  • 3.外国人に戸籍はありませんが、日本国内で出産したり、死亡した場合は、戸籍法の適用を受けますので、所在地の市区町村の戸籍届出窓口に、出生の届出又は死亡の届出をしなければなりません。この届出は、10年間保存されます。
  • 4.1及び3の婚姻や出生に関する証明書が必要な場合には、届出人は、出生届の受理証明書又は出生届書の記載事項証明書を、届出をした市区町村の窓口で請求することができます。
国際結婚、海外での出生等に関する戸籍Q&Aの画像1

Question2

外国人が日本で婚姻の届出をするには、届書のほかに、どんな書類を提出すればよいのですか?

Answer2

婚姻要件具備証明書とその日本語訳が必要です。

国際結婚、海外での出生等に関する戸籍Q&Aの画像2
  • 1.外国人が、日本方式の婚姻(Q1参照)を有効に成立させるためには、その人の本国の法律が定めている婚姻の成立要件(婚姻できる年齢に達していること、独身であることなど)を満たしていることが必要ですから、市区町村では、婚姻届を受理するに当たって、この点を審査します。その証明のため、日本人については戸籍謄本を、外国人については婚姻要件具備証明書を提出してもらうという方法が採られています。婚姻要件具備証明書は、婚姻をしようとする外国人の本国の大使、公使又は領事など権限を持っている者が本国法上その婚姻に必要な要件を備えていることを証明する書面です。なお、国によっては、これらの証明書を発行していないところもあります。その場合については、Q3を参照してください。
  • 2.なお、婚姻要件具備証明書など、外国語で書かれた書類を提出する際には、そのすべてに日本語の訳文を付け、また、誰が翻訳したのかを記入しておかなければなりません。翻訳者は本人でもかまいません。

Question3

婚姻要件具備証明書を発行していない国の外国人が、日本で婚姻の届出をする場合には、どうすればよいのですか?

Answer3

婚姻要件具備証明書に代わる書類を提出することになります。

国際結婚、海外での出生等に関する戸籍Q&Aの画像3
  • 1.国によっては、婚姻要件具備証明書(Q2参照)を発行する制度がない場合があります。その場合には、これに代わる書類を提出することになります。例えば、外国人が、日本に駐在する本国の領事の面前で、本国の法律で定める結婚年齢に達していること、日本人との結婚について法律上の障害がないことを宣誓し、領事が署名した宣誓書が発行されれば、この宣誓書(日本語訳が必要です。)が婚姻要件具備証明書に代わるものとして認められる場合があります。
  • 2.一方、婚姻要件具備証明書も、これに代わる証明書も提出できない場合には、外国人の本国の法律が定める婚姻の要件を備えていることを証明するため、次のような書類を提出することになります。
  • (1) 外国人の本国の法律の写し(出典を明らかにするとともに、日本語訳の添付が必要です。)
  • (2) 外国人の本国の公的機関が発行したパスポート、国籍証明書等の身分証明書、身分登録簿の写し、出生証明書(いずれも、日本語訳の添付が必要です。)など

Question4

私は日本人ですが、外国人と海外で結婚式を挙げました。婚姻は成立しますか?また、戸籍の届出はどうすればよいのですか?

Answer4

その国の法律により成立する場合と成立しない場合があります。婚姻が成立している場合には、戸籍の届出(証書の提出)をする必要があります。

  • 1.外国で結婚式を挙げた場合には、それにより、その国の法律上有効に婚姻が成立する場合もありますが、日本やハワイの教会で結婚式を挙げた場合のようにそれだけでは法律上有効に婚姻が成立したとすることができない場合もあります。
  • 2.外国の法律上有効に婚姻が成立し(注)、その国が発行する婚姻に関する証書の謄本が交付されている場合(以下、このようにして成立した婚姻を「外国方式の婚姻」といいます。)には、あなたの戸籍に婚姻の事実を記載する必要がありますので、婚姻成立の日から3か月以内に、婚姻に関する証書の謄本(日本語訳の添付が必要です。)を、日本の在外公館に提出するか、本籍地の市役所、区役所又は町村役場に提出又は郵送する必要があります。
  • 3.一方、婚姻が成立していない場合に、あらためて日本方式の婚姻(Q1参照)をするためには、市区町村の戸籍届出窓口に婚姻の届出をする必要があります。
  • 4.なお、Q5のように、日本人同士の婚姻の場合は、その国の日本の在外公館に、婚姻の届出をすることができますが、日本人と外国人の婚姻の場合は、日本の在外公館に婚姻の届出をすることはできません。

(注)日本人が外国の方式で婚姻する場合には、外国の関係機関から日本人の婚姻要件具備証明書の提出を求められる場合があります。
この取得手続は、後記資料を参照してください。

国際結婚、海外での出生等に関する戸籍Q&Aの画像4

Question5

外国にある日本人同士が婚姻をする場合は、どうすればよいのですか?

Answer5

国際結婚、海外での出生等に関する戸籍Q&Aの画像5
  • (1) その国に駐在する日本の大使、公使又は領事に日本方式の婚姻(Q1参照)の届出をすることができます。
  • (2) その国から郵送により、本籍地の市役所、区役所又は町村役場に日本方式の婚姻の届出をすることができます。
  • (3) 外国方式の婚姻(Q4参照)が成立したときは、Q4を参照してください。
  • 1.日本人同士が、外国で日本方式の婚姻をするには、その国に駐在して日本人のための行政事務を行う在外公館(大使館、領事館)を訪れ、大使、公使又は領事に婚姻の届出をします。在外公館で受け付けられた届書は、外務省経由で、本籍地の市区町村に送られ、必要な審査を経た後、その人の戸籍に婚姻の記載がされることになります。
  • 2.1の方法のほかに、本籍地の市役所、区役所又は町村役場に、直接、婚姻の届書を郵送することもできます。
  • 3.そのほか、日本人同士であっても外国によっては、外国方式の婚姻をすることができます。その場合の手続は、Q4を参照してください。

Question6

私は日本人の鈴木あゆ美です。外国人のカルロス・ジョーダンと婚姻(結婚)しましたが、私の戸籍はどうなりますか? また、夫の氏(ジョーダン)に変えられますか?

Answer6

  • (1) あなたが戸籍の筆頭者でなければ、あなたを筆頭者とする新しい戸籍が作られます。
  • (2) 婚姻の日から6か月以内であれば、家庭裁判所の許可を得ないで、これを超えたときは、家庭裁判所の許可を得て市区町村の戸籍届出窓口に届け出ることで、夫の氏(ジョーダン)に変えることができます。
  • 1.日本人が外国人と婚姻をした場合には、外国人についての戸籍は作られませんが、配偶者である日本人の戸籍に、その外国人(氏名・生年月日・国籍)と婚姻した事実が記載されます。この場合、その日本人が戸籍の筆頭に記載された者でないときは、その者につき新戸籍が編製されます。
  • 国際結婚、海外での出生等に関する戸籍Q&Aの画像6
  • 2.外国人と婚姻しても日本人の氏は当然には変わりません。しかし、外国人の氏を名のりたい場合には、婚姻の日から6か月以内であれば、戸籍届出窓口に氏の変更の届出をするだけで、外国人配偶者の氏に変更することができます。このような氏の変更の届出がされると、氏名は「ジョーダンあゆ美」となります。
  • なお、婚姻の日から6か月が過ぎている場合には、家庭裁判所の許可を得た上で、戸籍届出窓口に氏の変更の届出をすれば、氏を変更することができます。

Question7

私たちは日本人夫婦です。外国で子どもを出産しましたが、何か戸籍の届出をする必要がありますか?

Answer7

国際結婚、海外での出生等に関する戸籍Q&Aの画像7
  • (1) 出生の日から3か月以内に、出生の届出をする必要があります。
  • (2) 子どもの生まれた国がその国で生まれた者すべてに国籍を与える制度を採っている場合、その子の日本国籍を失わせないためには、出生の届出と同時に、「国籍留保の届出」を行うことが必要です。
  • 1.日本人夫婦の子どもが外国で生まれても、日本の戸籍に生まれた子どもの記載をする必要がありますので、日本国内と同様、出生の届出をしなければなりません。届出の期間は、日本国内で生まれた場合は子どもが生まれた日から14日以内ですが、外国で生まれた場合は3か月以内となっています。届出先は、その国に駐在する日本の大使、公使又は領事か、夫婦の本籍地の市役所、区役所又は町村役場になります(郵送で届出をしてもかまいません。)。
  • 2・日本人夫婦から生まれた子どもでも、生まれた国が、その国で生まれた者のすべてに国籍を与える制度を採っている国(アメリカ、ブラジルなど)の場合には、子の出生の届出と一緒に、国籍留保の届出をしないと、その子は、生まれた時にさかのぼって日本の国籍を失ってしまいます。国籍留保の届出は、出生届をする時に、出生届書の「その他」欄に「日本の国籍を留保する。」と記入して、署名押印をすることによって行うことができます。

Question8

私は日本人で、外国人と結婚しています。外国で子どもを出産する予定ですが、戸籍の届出上注意すべきことがありますか?

Answer8

  • (1) 子どもが生まれた日から3か月以内に、出生の届出をする必要があります。
  • (2) 日本国籍を失わせないためには、出生の届出と同時に、「国籍留保の届出」を行うことが必要です。
  • 1.日本人と外国人の夫婦の子どもが外国で生まれた場合、父か母のどちらかが日本人であれば、生まれてくる子どもは、日本国籍を取得します。したがって、日本人が生まれるのですから、Q7のケースと同様、子どもが生まれた日から3か月以内に、その国に駐在する日本の大使、公使又は領事か、本籍地の市役所、区役所又は町村役場に、出生の届出をしなければなりません。
  • 2.また、生まれた子が外国人である親の国籍を取得したり、その国で生まれた者すべてに国籍を与える制度を採っている国(生地主義国)で生まれた場合には、その子は二つ以上の国籍をもつ重国籍者となります。その場合は、Q7のケースと同様、出生の届出と一緒に、国籍留保の届出をしないと、その子は、生まれた時にさかのぼって日本の国籍を失います。また、重国籍者として生まれた者は、22歳までに、いずれか一つの国籍を選択しなければなりません。

    (注記)成年年齢の引き下げ等を内容とする「民法の一部を改正する法律」の成立を受け、令和4年(2022年)4月1日から、重国籍者として生まれた方は、20歳までに、いずれかの国籍を選択しなければならなくなります。
    ただし、令和4年(2022年)4月1日時点で20歳以上の重国籍者については、22歳に達するまでに(20歳に達した後に重国籍になった場合は、重国籍になった時から2年以内に)いずれかの国籍を選択すれば足り、令和4年(2022年)4月1日時点で18歳以上20歳未満の重国籍者については、同日から2年以内にいずれかの国籍を選択すれば足ります。
    なお、以上の期限を徒過してしまった場合であっても、いずれかの国籍を選択する必要があります。
国際結婚、海外での出生等に関する戸籍Q&Aの画像8


日本人の婚姻要件具備証明書(独身証明書)について

日本人が外国の方式で婚姻する場合には、外国の関係機関から、日本の法律上婚姻の要件を備えていることを日本の公的機関が証明した文書、すなわち「婚姻要件具備証明書」の提出を求められる場合があります。
この証明書は、(1)日本の在外公館(大使館・領事館)、(2)本籍地の市区町村、(3)お近くの法務局・地方法務局、のいずれかで取得することができます。
また、(2)又は(3)で、婚姻要件具備証明書を取得された場合には、この証明書が真に日本の公的機関が発行したものであることを確認するため、提出先の国によっては、日本の外務省の認証や、日本に駐在する自国の大使・領事等による認証等を求められる場合(注)があります。

婚姻要件具備証明書の発行機関、各機関で取得するとき必要なもの、必要となる認証等は、以下の表のとおりです。
発行機関 (1)日本の在外公館
(大使館・領事館)
(2)本籍地の市区町村
(3)お近くの法務局・
地方法務局
取得に
必要なもの
・本人の戸籍謄抄本
(発行後3か月以内の
もの)
・本人を確認できる
公文書(パスポート・
運転免許証など)
・本人を確認できるもの
(運転免許証など)
・本人の戸籍謄抄本
・本人を確認できるもの
(運転免許証など)
発行の
形式
外国文で発行 日本文で発行 日本文で発行
外国機関に
提出する
場合に
必要となる
認証(注)
・外務省証明班の認証
・提出先の国の駐日大使・
領事の認証
・外務省証明班の認証
・提出先の国の駐日大使・
領事の認証
(注) 認証の要否等は、各国により異なりますので、詳しくは、提出先の国の在日大使館・領事館等にお問い合わせください。

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