高齢者の高血圧と温泉利用の関連 明らかに
夜間の温泉習慣で高血圧発症抑制に期待 2022年11月30日ポイント
- 温泉利用は高血圧の抑制効果が期待されてきた。
- 65歳以上の大分県別府市民1万人以上に対するアンケートにより、高血圧の既往の少なさに夜間の温泉利用が関連していることが分かった。
- 夜間の温泉習慣が慢性ストレスによる睡眠障害の改善につながり、高齢者の高血圧発症の予防に関連している可能性がある。
概要
温泉利用は、硫化水素ガスなどによる科学的な直接作用、リフレッシュ効果による生物学的作用、温熱効果で血管が広がる物理学的作用により高血圧の抑制効果が期待されてきました。
九州大学病院別府病院内科の堀内孝彦教授、前田豊樹准教授、山崎聡講師、得能智武講師らは、65歳以上の大分県別府市民1万人以上に対するアンケートを実施し、高血圧の既往の少なさに夜間の温泉利用が関連していることを見出しました。また、夜間の温泉習慣は慢性ストレスによる睡眠障害の改善につながり高齢者の高血圧予防に有益となっている可能性があります。
今回の発見は、温泉の有効な利用により高齢者の高血圧発症の抑制に役立つことが期待されます。
本研究結果はイギリスの雑誌「Scientific Reports」に2022年11月14日(月)(日本時間)に掲載されました。
大分県別府市鉄輪の海地獄
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論文情報
掲載誌:Scientific Reports
タイトル:Hot spring bathing is associated with a lower prevalence of hypertension among Japanese older adults: a cross-sectional study in Beppu.
著者名:山崎聡、前田豊樹、得能智武、堀内孝彦
DOI:10.1038/s41598-022-24062-3.
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