原子力規制検査結果について「玄海原子力発電所3号機 不適切な点検計画表の管理によるB安全補機室冷却ユニット定期事業者検査実施時期の超過及び原子力規制委員会への誤った報告」
発生日
2023年8月23日
発電所
九州電力 玄海原子力発電所3号機(加圧水型軽水炉、定格電気出力118万kW)
内容
事象
2023年8月23日の原子力規制委員会において、令和5年度第1四半期の原子力規制検査結果が報告され、次のことについて、安全重要度「-」、深刻度の評価「SLIV(通知なし)」(注1)と判断されました。
概要
2022年1月21日から2023年1月10日までに実施された定期検査(以下、「定検」という。)に係る原子力規制検査において、3B安全補機室冷却ユニット(注2)(以下、「当該設備」という。)の定期事業者検査(以下、「定事検」という。)に係る2つの事象が確認されました。
1当社が作成している点検計画表(注3)において、当該設備に対する定事検の点検が定められた頻度で実施されていなかった。
23号第16回定検開始時に原子力規制委員会へ報告した定事検報告書において、当該設備の前回の定事検の実施時期が第13回定検であったが、第14回定検に実施したと誤った報告をしていた。
本事象について、原子力規制庁より「規制要求及び自主基準を満足していない。」との指摘を受けました。
この指摘を受け、点検計画表を変更する際は決められた管理者以外が編集できないよう一元的な管理を行い、管理職による確認を徹底します。また、本事象について所内へ周知を行うとともに、定検終了時に次回の点検が適切な時期に計画されているか確認を行います。
なお、至近の第16回定検において、当該設備の点検や検査を実施しており、当該設備は健全であったことを確認しております。また、第16回定事検報告書についても訂正し、原子力規制庁に報告しました。
(注1) SL(Severity Level)は、検査指摘事項に対して、原子力規制庁が必要に応じて講じる規制対応措置(原子炉等規制法に基づく措置命令、行政指導など)を決定するために、原子力安全に係る重要度評価とは別に評価される深刻度レベルであり、SLIV(通知なし)は最も深刻度が低く、原子力規制庁による規制対応措置が不要なもの。
(注2) 緊急時に原子炉を冷却するための設備を設置している部屋の空調装置であり、温かい空気を冷たい水で冷却する熱交換器や空気中のゴミを除去するフィルタなどが収納されている。
(注3) 原子力発電所に設置している設備について、どの頻度でどのような点検を行うか定めたものであり、具体的な実施時期の計画や実績が取り纏められたもの。
以上