1. 会計制度変更への対応
連結計算書類の導入
改正商法(現 会社法)が2002年5月29日に公布され、連結計算書類の導入について、2004年度の年度決算から適用された。
改正前の商法は、個別の計算書類の作成を要求し、企業集団の情報としては、営業報告書の「重要な子会社の状況その他の重要な企業結合の状況」の記載が求められるに留まっていた。
しかし、企業のグループ化、国際化の進展にともない、グループ全体の財務内容を表すために連結ベースの計算書類が必要であるという認識が高まり、また、子会社などのグループ企業を利用した利益操作などが行われることがあったことから、商法(現 会社法)の開示においても企業集団の財産及び損益の状況に関する情報開示が重要であると考えられるようになった。
連結計算書類の導入により、グループ全体の財務内容を表す連結ベースの開示が充実した。
四半期報告制度の導入
企業の業績については、「半期報告制度」により、年2回(中間期、年度)の報告が行われていたが、企業を取り巻く経営環境が著しく変化するなか、「半期報告制度」では投資判断材料が適時かつ十分に開示されているとはいいがたい状況にあった。
そこで、これらの問題に対応するため、2008年度から上場会社については、金融商品取引法に基づき四半期ごとに報告を行うことが義務づけられた。この「四半期報告制度」は従来の半期報告制度を改め、3か月ごとに四半期報告書の提出を義務づけるものであり、作成する四半期財務諸表を「四半期貸借対照表」、「四半期損益計算書」、「四半期キャッシュフロー計算書」と定め、原則連結ベースのみの開示で、個別財務諸表の開示は不要とされた。
この「四半期報告制度」は、会社の企業業績や財政状態などに関する情報を、より頻繁に、かつタイムリーに提供することにより、投資家の合理的な投資判断の形成に寄与することとなった。
なお、九州電力は2004年度から「四半期財務・業績の概況」として、四半期ごとの業績を開示していたものの、これは証券取引所の開示基準にのっとりおこなっていたものであり、法律の要請に基づくものではなかった。