3.自由化後の多様な料金プラン・サービス
新たな料金プラン及び家庭向けブランドの創設
2016年4月の電力小売り全面自由化に向け、多様化するお客さまのライフスタイルや生活パターンに合わせて選択できる料金プランについて、ラインアップの充実を図ることとし、家庭向けに「スマートファミリープラン」、夜間や休日の使用量が多いお客さま向けに「電化でナイト・セレクト」、商店などのお客さま向けに「スマートビジネスプラン」といった新たな料金プランを創設、2016年4月1日から実施した。
また、お客さまの電気やエネルギーに対する様々な思いを丁寧にお聴きし、お応えしていきたいという思いから、新たな家庭向けブランドとして「キレイライフプラス」を立ち上げるとともに、「お客さまと直接つながるコミュニケーション広場」として、2016年3月28日に「キレイライフプラス」サイトを導入した。
本サイトでは、これまでも提供していた「電気料金や使用量の照会」、「Web版検針票」、「省エネ情報」などのサービスに加え、「社員が取材した地元の旬な情報(「九州のとっておき」)」など、様々な付加価値を提供している。
さらに、全面自由化以降「顔の見える営業」を強化し、九州各地50カ所の営業所を拠点としたきめ細やかなお客さま訪問や、ショッピングモールでの一日営業店などを積極的に展開することで、キレイライフプラスの認知は着実に広まっている。
サービスの充実
1Qピコ
電力小売り全面自由化後の新サービスとして、毎月の電気使用量や契約年数によってポイントが貯まる、当社独自ポイントサービス「Qピコ」の提供を2016年4月1日に開始した。
例年、当社とご契約いただいているお客さまへの感謝の気持ちを表すため、貯まったポイントに応じて抽選で賞品があたるキャンペーンを実施しているが、2020年5月には新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を踏まえ、「九州応援Qピコキャンペーン」と称したキャンペーンを展開。
九州7県から厳選した特産品を賞品として利用させていただくことで、経済活動の停滞等の影響を受ける地元の生産者・事業者さまの支援に取り組んだ。また、2021年11月には、さらに多くのお客さまに楽しんでもらえるよう、キャンペーンの開催回数(1回/年→2回/年)や1回あたりの賞品本数(1,050本/回⇒35,000本/回)を増やす等、キャンペーン内容の変更を行うとともに新たに「キレイライフプラス」へのログインによるポイント付与を追加する等、ポイント制度の変更を実施した。
2九電あんしんサポート
2016年7月15日に、お客さまが安心して暮らせる毎日をサポートする「九電あんしんサポート」を創設。第一弾として「親孝行サポート」、「生活トラブルサポート(2022年8月31日サービス終了)」、「くらしサポート」の3つのサポートを展開した。その後「みまもりサポート」、「空き家サポート」、「お墓サポート」、「でんきサポート」、「子育てサポート」を順次開始。さらに、2021年9月には「ホームサポート」のサービスを開始し、計8種のサポートを通じて、お客さまに「安心」をお届けしている。九電あんしんサポートは2022年3月末時点で計約6.4万件のご契約をいただいており、中でも講座やセミナーの開催、情報発信を通じて「妊娠・出産・育児」に関する様々な不安やお困りごとを解決する「子育てサポート」は多くの子育て家庭のお客さまにご利用いただいている。
3九電グループまとめてあんしん割
グループ会社であるQTnetとの業務提携により、2019年4月11日から、QTne×ばつ九電セット割引」を開始した。さらに、2021年1月18日には「きゅうでん光(2022年8月1日より「BBIQ Lite」へ名称変更)」、2月17日には「QTモバイル」とのセット割引を順次開始。「きゅうでんガス」とのセット割引を含め、電気を中心としたこれらのセット割引について、装いを新たに「九電グループまとめてあんしん割」としてPRを開始し、お客さまの生活に重要なインフラサービスを一層お得に提供することで、多くのお客さまにご加入いただいている。
4卒FITお客さま向けサービス(再エネお預かりサービス)
持続可能な社会および低炭素社会の実現に向け、再エネ電気を最大限受け入れていく観点から、2019年11月以降、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」に基づく買取期間が満了したお客さま(以下、卒FITお客さま)の電気の購入を開始したが、太陽光発電の余剰電力を有効活用する卒FITお客さま向けの新たなサービスとして、2020年11月1日に「再エネお預かりサービス」を開始した。
「再エネお預かりサービス」は、卒FITお客さまの太陽光発電の余剰電力をお預かりし、お客さまの電気のご使用分に充当することで、蓄電池のように余剰電力を活用いただけるサービスで、お預かりした余剰電力は、電力量料金単価の高い時間帯から優先してお客さまのご使用分に充当する。
お預かりする余剰電力量の上限に応じて、スタンダード(上限:300kWh)およびライト(上限:100kWh)の2つのプランを設定し、蓄電池をお考えの卒FITお客さまの新たな選択肢として提供している。
5「九電ecoアプリ」によるデマンドレスポンスサービスの提供
2021年2月16日から、スマホアプリ「九電eco/キレイライフプラス」を通じて、ご家庭向けメニューに加入のお客さま(スマートメーター設置済)を対象に、当社からの案内に応じて、電力需要が多い夏や冬において、太陽光発電からの供給が減少する夕方に節電する「節電チャレンジ」と、電力需要が少ない春や秋の昼間など、太陽光発電からの供給量が電気のご使用量を上回りやすい時間帯に、電気のご使用時間帯を移行(シフト)し、電気を使っていただく「使ってお得・エコチャレンジ」の実証を開始した。
また、2022年6月30日に正式なサービスとして提供を開始し、2022年7月〜9月を対象に節電成功ポイントを増量する「おトクに・楽しく節電キャンペーン2022」を、さらに2022年12月〜2023年3月を対象に「九電節電プログラム2022」を実施している。
6家庭向け新サービス「ホームサポート」
「九電あんしんサポート」の一環として、電気・水まわり設備の修理を行うサービス「ホームサポート」を2021年9月から開始。「ホームサポート」は、戸建て住宅(賃貸は除く)にお住まいのお客さま向けの定額料金制のサービスで、ご自宅で電気や水まわりのトラブルが発生した際に、専用コールセンターにお電話いただくことで、受付から修理までのサービスをワンストップで提供するサービス。修理にかかる全ての費用(材料費・出張費など)は30万円まで自己負担なし、24時間365日修理の受付をおこなっている。
社会的課題の解決に資する料金プラン(熱中症予防プラン)の提供
2018年夏の記録的な猛暑による熱中症の多発、特に、お年寄りがご自宅で発症されるケースが頻発し、社会問題化したことを受け、冷房や扇風機を上手に活用することで熱中症予防を少しでも応援したいという思いから、2018年7月23日、「今年の暑い夏を乗り切ろう!お年寄り応援プラン(熱中症予防プラン)」を創設した。
本プランは、75歳以上のお年寄りがいるご家庭でスマートファミリープランを契約しているお客さまが対象で、同年8・9月の電気料金を10%割り引く内容とした。本件は、新聞やテレビ等で大きく報じられた結果、約16.4万件のお客さまがご加入されるなど大きな反響をいただいた。翌2019年は、対象契約種別を電化でナイト・セレクトなどのオール電化メニューにも拡大したうえ、9月の電気料金から1,500円を割り引く内容に見直し、約18.5万件がご加入、2020年は約17.9万件がご加入いただいた。
地域課題の解決やお客さまニーズの多様化に対応する料金プランの提供
2019年2月26日、九州の地元企業として、少子高齢化や人口減少といった地域が抱える課題解決に少しでもお役に立ち、九州を元気にしたいとの思いから、2つの料金プラン「すくすく赤ちゃんプラン ‐こどもの日割引‐」、「ようこそ九州へ!IJU(アイジェイユー)ターン応援プラン」を創設した。
さらに、社会的な環境意識の高まりから、2018年9月25日には、法人お客さまの環境経営の取組みを支援する料金プランとして「再エネECOプラン」を創設、2021年3月4日には、家庭のお客さまにも環境にやさしい再エネ由来の電気を身近にご利用いただける料金プランとして、「まるごと再エネプラン」を創設した。
また、2021年11月17日には、世界的な脱炭素化の動きの加速を背景としたお客さまの再エネニーズの高まり・多様化や、非化石価値取引市場の見直し等の環境変化を踏まえ、お客さまのニーズにきめ細かに応えるため、再エネ・CO2フリープランを拡充した。
その他、2021年9月に「アビスパ福岡応援プラン」、2022年2月に「みらいの森を育てようプラン」、2022年9月に「JALでんき」、「福岡ソフトバンクホークス応援プラン」を創設した
1すくすく赤ちゃんプラン ‐こどもの日割引‐
子育て家庭のお客さまを少しでも応援したいとの思いから、3歳未満のお子さまがいる家庭を対象として、「こどもの日」にちなみ、5月分の電気料金を10%割り引く「すくすく赤ちゃんプラン ‐こどもの日割引‐」を創設、「子育てサポート」と合わせてご提供し、子育て家庭のお客さまにご利用いただいている。
2ようこそ九州へ!IJUターン応援プラン
九州外からIターン、Jターン、Uターンで九州内に移住されたお客さまを対象に、九州への移住を応援するとともに、移住されたお客さまに九州での新生活を気持ちよくスタートしていただく一助として、申込みから1年間、毎月の電気料金を5%割り引く「IJUターン応援プラン」を創設。地方への移住を推進している自治体のかたから「一緒に移住促進に取り組んでいくことができ心強い」等のお声をいただいている。
3まるごと再エネプラン
家庭のお客さまにも環境にやさしい再エネ由来の電気を身近にご利用いただきたいとの思いから、毎月の電気料金に月額500円を加えることで、ご自宅の電気が「まるごと」再エネ100%のCO2フリー電気になる「まるごと再エネプラン」を創設した。
4アビスパ福岡応援プラン
アビスパ福岡がJリーグで躍動し、地域が益々活性化することを目指して、「アビスパ福岡応援プラン」を2021年9月に創設。毎月の電気料金と合わせて「アビスパ福岡応援金」を支払うことで、手軽にアビスパ福岡を支援することができる電気料金プランとなっており、応援金はアビスパ福岡が全額をクラブ強化等に活用する。
5「再エネ・CO2フリープラン」の拡充
法人お客さまの環境経営への取組支援として、2018年以降、自社再生可能エネルギー電源を活用した「再エネECOプラン」を提供してきた。
2021年11月、世界的な脱炭素化の動きの加速を背景としたお客さまの再エネニーズの高まり・多様化や、非化石価値取引市場の見直し等の環境変化を踏まえ、お客さまのニーズにきめ細かに応えるため、「再エネECO極」、「再エネECOプラス」、「CO2削減プラン」の3つに再エネ・CO2フリープランを拡充した。
「再エネECOプラン」からリニューアルをおこなった「再エネECO極」は、九電グループの強みである地熱発電に限定するといった再エネ電源種の特定など、より高い付加価値の提供も可能とした。
また、本プランによりお客さまにご負担いただく料金は、主に再エネ電源の設備改良等に活用させていただくため、将来にわたって再エネ電源の維持・拡大に貢献いただくことが可能となる。
6みらいの森を育てようプラン
毎月の電気料金に合わせて九電みらい財団への寄附金(+300 円/月)をお支払いいただくことで、九電みらい財団が実施する植林・育林・環境教育や環境保全活動に貢献できるご家庭向けの電気料金プランを2022年2月に創設した。また、ご加入いただいたお客さまには、毎年12月頃に活動報告と記念品を進呈している。
7JALでんき
日本航空株式会社と提携して、お客さまの毎月の電気料金に応じてJALマイルがたまる料金プラン「JALでんき」を創設し、2022年10月より受付を開始。電気料金以外でも、契約継続によるボーナスマイル1,000マイル/年等の特典を用意し、提供している。
8福岡ソフトバンクホークス応援プラン
福岡ソフトバンクホークス株式会社と協業した「福岡ソフトバンクホークス応援プラン」を2022年9月に創設した。
本プランでは、ホークスの公式ファンクラブである「クラブホークス(以下、CH)」に通常料金よりもおトクに加入できる「CH入会コース」とイベント試合で配布される限定ユニフォームがもらえる「イベントユニフォームコース」の2種類を用意。また、プラン加入者限定で、観戦チケットや特別イベント招待などの魅力的な特典が当たる抽選会を実施している。
「季時別電灯」などの一部自由料金メニューの見直し
1一日の電気の使われ方の変化を踏まえた料金単価の見直し
近年、太陽光発電の設置拡大や省エネルギーの進展などにより昼間の需要が減少する一方で、電気給湯機の普及等により夜間、特に深夜の需要が増加するなど、一日の電気の使われ方が変化している。
2016年4月に創設した「電化でナイト・セレクト」は、このような一日の電気の使われ方の変化等を反映し、「季時別電灯」などの旧オール電化メニューに比べて、昼間料金を低めに、夜間料金を高めに設定し、深夜運転機器割引を設定しないことで昼夜の料金差を縮小した。
旧オール電化メニューについては、「電化でナイト・セレクト」創設にあわせて新規受付を終了、契約中のお客さまに限定して従来の単価を適用してきたが、これについても、一日の電気の使われ方の変化等を反映し、2020年4月1日、昼間料金の引下げ・夜間料金の引上げ・深夜運転機器割引の廃止を実施した。
2選択約款が適用されるお客さまのご契約の取扱い見直し
2016年3月以前から選択約款で「季時別電灯」などをご契約いただいている旧オール電化メニュー等のご契約について、2022年10月分から、燃料費調整制度における上限設定の廃止や口座振替割引の終了など、標準的な自由料金メニュー(需給契約条件)と同様の取扱いとする見直しを実施した。
また、時間帯別電灯(夜間時間8時間型)については、時間帯別電灯(夜間時間10時間型)に統合する見直しをおこなった。