1.離島電源(内燃力)の開発
離島の需要増加への対応
離島の電源開発
九州本土と連系していない島の電力供給は、時々刻々と変化する電力需要に的確に対応でき、かつコスト面でも優れたディーゼルエンジンによる発電を主体におこなっている。
近年の離島の電源開発は、需要がほぼ横ばいで推移していることや、内燃力発電設備の高経年化が進展していることから、需要増対応ではなく、高経年化した内燃力発電設備の代替電源の開発を進めている。その中で、近年の再生可能エネルギー大量導入に対応するため、低出力運転を可能とする新技術を採用し、2018年には対馬の豊玉発電所6号機(8,000kW)、2019年には沖永良部島の新知名発電所7号機(4,500kW)の運用を開始した。また、九州本土の緊急電源であった豊前発電所ディーゼル発電設備を、離島の高経年内燃力発電設備の代替電源として流用し、2019年に喜界島の新喜界発電所7、8号機(1,100k×ばつ2台)、及び与論島の新与論発電所4号機(1,100kW)として運用を開始した。
高経年設備の廃止
老朽化した内燃力発電設備については、新規電源開発や電力系統対策等の代替策が見通せた時点で電力需要の状況などの諸条件を勘案しながら、都度廃止している。2005年には奄美大島南部に位置する与路島、請島が奄美大島と、五島が九州本土と海底ケーブルで連系されたことを受け、老朽化していた与路発電所(104kW)、池地発電所(170kW)、福江発電所(8,000kW)および有川発電所(10,800kW)を廃止した。2008年には甑島において、甑島第一発電所3号機(4,500kW)を増設し、甑島の南北を連系する配電線の増強が完了したことから、甑島第二発電所(1,200kW)を廃止した。
2017年には壱岐の芦辺発電所6号機(1,500kW)、対馬の厳原発電所1、2号機(1,000kW×ばつ2台)、甑島の甑島第一発電所5、6号機(500kW×ばつ2台)を廃止した。
2018年には喜界島の新喜界発電所2、3号機(1,000kW×ばつ2台)、徳之島の平土野発電所(2,000kW)及び、宇久島の宇久発電所(3,000kW)を廃止し、2020年には奄美大島の古仁屋発電所(4,750kW)を廃止した。