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3.一ツ瀬川濁水対策

一ツ瀬川濁水対策

宮崎県の一ツ瀬ダムでは1963年の運転開始直後から濁水長期化現象が発生し、下流の利水、漁業、景観に影響を及ぼすようになった。
これに対し、九州電力は選択取水設備の設置をはじめとして種々の濁水対策を講じてきた。しかし、2005年の台風14号に伴い約8か月間にわたって濁水が長期化したことから、社内の技術検討会で現状分析を踏まえた対策方針を検討・策定し、宮崎県、流域市町村、専門家、九州電力で組織する「一ツ瀬川水系濁水対策検討委員会(現:一ツ瀬川水系濁水対策評価検討委員会)」に提案した。委員会での審議の結果、上流域では伐採木を搬出するための作業道や崩壊地など裸地への重点的な緑化による濁水の発生抑制、中流域ではダムへの新たな放流設備の設置によるダム内の更なる濁水排除、下流域では水位低下したダムに早期に清水を貯留するための河川流量の一時的な減少など、流域一体となった「一ツ瀬川濁水軽減対策計画書(改訂)」が策定された。この計画書に基づき、九州電力は中流域の取組みである一ツ瀬ダム非常用放流設備を2010年に改造し、総貯水容量(約2億6,000万立方メートル)の約7割(約1億8,000万立方メートル)の濁水を排除できるようになった。また、2017年には杉安ダムに底部放流設備を設置し、総貯水容量(約900万立方メートル)の約9割(約810万立方メートル)の濁水が排除できるようになり設備対策を完了した。
現在も一ツ瀬川の濁水軽減に向けた運用を実施しており、評価、改善を継続的に行うとともに、ホームページで情報を発信するなど、流域住民の皆さまの当社取組みへの理解促進に努めている。

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