社会の分極化。僅差での接戦。「最後の最後までわからない選挙になる」
カギを握るのは無党派層。米国民の4割程度を占めるとされ「投票所に行けば3分の1は民主党、3分の1は共和党に投票する」という。激戦州でのどぶ板的選挙活動(投票促進活動)により、これらの無党派層を投票所に向かわせられるかが今後を決める。
議会選挙の行方も注視する。「上院は圧倒的に共和党優位。上下両院で共和党が過半を占めると、バイデン再選でも動かない政治になる」
今後日本はどう対応すべきなのかーー。米国民の日本への好感度は過去最高。「日本への信頼度は高い。以心伝心でわかってくれる相手とみている」「防衛費の増額は求めてくるだろう」。バイデン氏再選、トランプ氏復帰のいずれの場合も、「能動的に対応していくことが必要」。
司会 杉田弘毅 日本記者クラブ企画委員(共同通信)
石川 智規 (東京新聞経済部(中日新聞社元ワシントン特派員))
2024年米大統領選の展望を探るシリーズ企画第4回目。共和党のトランプ氏の再選はほぼ確実とする「ほぼトラ」の見方が強まる中、現代アメリカ政治学の第一人者である前嶋和弘さんは「結果をいま言うのは時期尚早。この段階での断言はウソ」と喝破した。
共和党がトランプ党と化し、保守系シンクタンクも米国第一主義の政策を掲げるなど、2016年選挙とは異なるトランプ氏の強みを列挙した。一方、民主党のバイデン大統領は81歳という高齢が不安視されながら、現状では民主党支持者の約85%から支持を集めており「むしろ圧倒的な人気を誇る」。米連邦議会も上院と下院の議席数が拮抗しており、「分極化と僅差」がもたらす対立が常態化する現状を指摘しながら、本選挙に向けどちらが勝つかは「五分五分」と予断を許さなかった。
勝敗を見分けるポイントに挙げたのは激戦州の動向だ。アリゾナ、ネバダ、ペンシルベニアなどの勝敗が情勢を左右するのは今も昔も変わらない。だが今回の選挙戦では、各陣営がビッグデータを駆使して有権者の動向を細かく探り、選挙広告に生成AIを利用する手法に変わっているという。「生成AI規制が全然進んでいないのが気がかり」とも。テレビCMやSNS上の偽動画が、新たな誹謗中傷の火種となることが目に浮かぶ。選挙戦がかつてない混乱に陥る可能性に留意が必要となろう。
日本への影響はどうか。バイデン氏再選ならば大きな変化はないが、トランプ氏が返り咲けば「同盟国との関係は急変する」。防衛費の増額を求められたり米企業の買収が難しくなるなどの可能性に触れた。
どちらが勝つにせよ、米国民が日本に寄せる信頼は厚く、中国という「共通の敵」が日米の結束を強めるとみる。日本としては「変化があるにしろないにしろ知恵を使い能動的に対応すること」が肝要と説いた。
上智大学教授 / professor, Sophia University
研究テーマ:2024 米大統領選
研究会回数:4
9月30日 16:30~17:30
袴田巖さん・ひで子さん、小川秀世弁護士(袴田事件弁護団事務局長) 会見10月2日 14:00~15:30
「自治体消滅にあらがう」(4) 辻琢也・一橋大学大学院教授日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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