来日しているデニス・フランシス(Dennis Francis)国連総会議長(トリニダード・トバゴ国連大使)が会見した。ウクライナやガザに関して、安保理が動けない一方で総会は、昨年2月にロシアの無条件撤退を、12月にはガザでの即時停戦を、それぞれ求める決議を採択している。
言語 英語・日本語(逐次通訳)
司会 大内佐紀委員 日本記者クラブ企画委員(読売新聞)
通訳 西村好美さん (サイマル・インターナショナル)
白石 徹 (東京新聞論説委員)
国連安全保障理事会の機能不全が叫ばれて久しい。最近はウクライナやパレスチナ情勢などを巡って国連の存在意義も問われている。
国連総会は2022年4月、常任理事国5カ国が拒否権を行使した場合、その説明を求める制度を創設した。フランシス氏は、この制度について「総会の決議に法的拘束力はないが、国際世論を動かすことができる」と強い期待感を表明。ウクライナに侵攻したロシアが人権理事会の理事国に立候補して落選したほか、経済社会理事会(ECOSOC)の理事国としても受け入れられない現状を説明し「ロシアは代償を払っている」と指摘した。
しかし、説明制度の実効性への疑問点は多い。フランシス氏は「拒否権を発動する常任理事国が、自ら国連総会で立場を説明する責任があると、前もって分かった上で、発動する制度になった。発動する際にはより慎重になるよう仕向けることができる」と強調した。
また国際社会が直面する食料不安やインフレ、途上国の債務危機、ウクライナ戦争などを列挙して「政治的な環境は非常に厳しい」と認めつつも「すべての国が一堂に会して(問題に)関与し、意見を表明できる場は国連しかない」と述べた。
フランシス氏は、総会議長は193加盟国と「等距離の関係」を保つ必要があるとことわった上で、個人的見解として「ウクライナ、ガザ、すべての紛争地域に平和が戻ることを望んでいる。当事者が交渉の場に着き、誠意を持って議論する必要がある。そうしなければ暴力と戦争のサイクルがいつまでも終わらない」と危機感を示した。
そして会見の最後に、冒頭発言と同じくマハトマ・ガンジーの格言を引用して締めくくった。「平和への道はない。平和こそが道なのだ」と。平和を実現するには対話の努力を重ねるしかないことを訴えた。
トリニダード・トバゴ / Trinidad and Tobago
第78回国連総会議長 / President of the 78th Session of the United Nations General Assembly
9月30日 16:30~17:30
袴田巖さん・ひで子さん、小川秀世弁護士(袴田事件弁護団事務局長) 会見10月2日 14:00~15:30
「自治体消滅にあらがう」(4) 辻琢也・一橋大学大学院教授日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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