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現代美術の"椅子の表現"に着目する展覧会、埼玉県立近代美術館で - 草間彌生や宮永愛子など約70点

企画展「アブソリュート・チェアーズ」が、埼玉県立近代美術館にて、2024年2月17日(土)から5月12日(日)まで開催される。その後、愛知県美術館に巡回する。

"椅子"の多様な意味合いをひもとく

宮永愛子 《waiting for awakening -chair-》 2017年 写真:木奥恵三 ©︎MIYANAGA Aiko Courtesy of Mizuma Art Gallery 「宮永愛子:漕法」展示風景(高松市美術館、2019年)
宮永愛子 《waiting for awakening -chair-》 2017年 写真:木奥恵三
©︎MIYANAGA Aiko Courtesy of Mizuma Art Gallery
「宮永愛子:漕法」展示風景(高松市美術館、2019年)

埼玉県立近代美術館は、デザイン椅子の名品を館内で展示してきたことから、「椅子の美術館」とも呼ばれている。そうした同館で開催される企画展「アブソリュート・チェアーズ」は、従来のデザイン椅子展とは異なる視点から、「椅子」をテーマに現代美術の作品を紹介する展覧会だ。

クリストヴァオ・カニャヴァート(ケスター) 《肘掛け椅子》 2012年 国立民族学博物館蔵
クリストヴァオ・カニャヴァート(ケスター) 《肘掛け椅子》 2012年 国立民族学博物館蔵

身近な日用品である椅子は、多くのデザイナーや建築家の創作を触発するばかりでなく、その多義性ゆえに美術家にとっても重要なモチーフとなってきた。人間の身体を支える椅子は、その一方で電気椅子のように暴力性と結びつくばかりでなく、王座のように権威を象徴することもある。このように椅子は、身体や社会との関係性のなかで、多様な意味合いを担うのである。

美術家は、さまざまな意味合いや象徴性を持ちうる椅子に着目し──時として日常の椅子にはない極端なあり方を通して──、作品を手がけてきた。そこでは、社会のなかの不和や矛盾、個人的な記憶、他者との関係などが浮かび上がることになるのだ。

石田尚志 《椅子とスクリーン》 2002年 作家蔵
石田尚志 《椅子とスクリーン》 2002年

本展では、主に戦後から現代まで、現代美術における「椅子」を紹介。フランシス・ベーコン、マルセル・デュシャン、アンディ・ウォーホル、高松次郎、草間彌生名和晃平、宮永愛子など、国内外の作家28組による平面、立体、映像作品約70点を通して、椅子をめぐる美術表現をひもといてゆく。

展覧会概要

企画展「アブソリュート・チェアーズ」
会期:2024年2月17日(土)〜5月12日(日)
会場:埼玉県立近代美術館
住所:埼玉県さいたま市浦和区常盤9-30-1
開館時間:10:00〜17:30(入場は17:00まで)
休館日:月曜日(4月29日(月・祝)、5月6日(月・振)は開館)
観覧料:一般 1,300円(1,040円)、高校・大学生 1,040円(830円)
(注記)( )内は20名以上の団体料金
(注記)中学生以下、障害者手帳の提示者(付添者1名含む)は無料
(注記)企画展観覧券(ぐるっとパスのぞく)の購入者は、あわせてMOMASコレクション(1階展示室)も観覧可

しかく出品予定作家
フランシス・ベーコン、ミロスワフ・バウカ、ハンス・オプ・デ・ビーク、ダラ・バーンバウム、ミシェル・ドゥ・ブロワン、副産物産店、クリストヴァオ・カニャヴァート(ケスター)、マルセル・デュシャン、アンナ・ハルプリン、檜皮一彦、石田尚志、工藤哲巳、スッティー・クッナーウィチャーヤノン、草間彌生、ジム・ランビー、宮永愛子、名和晃平、岡本太郎、オノ・ヨーコ、ダイアナ・ラヒム、ローザス、シャオ・イーノン/ムゥ・チェン、高松次郎、竹岡雄二、潮田登久子、アンディ・ウォーホル、渡辺眸、YU SORA

しかく巡回情報
愛知会場
会期:2024年7月18日(木)〜9月23日(月・振)
会場:愛知県美術館(愛知県名古屋市東区東桜1-13-2)

【問い合わせ先】
埼玉県立近代美術館
TEL:048-824-0111

2024年01月15日 08:45:00 +0900 更新 / 665,758 Imp.

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