一般財団法人環境イノベーション情報機構
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- 1.産直市場グリーンファームの取り組み
- 2.琴引浜の鳴き砂保全
- 3.アマモ場の再生
- 4.宍道湖のヨシ再生
- 5.森の健康診断
- 6.宮川森林組合の取り組み
- 7.アマモが取り結ぶ地域連携
- 8.野川の自然再生
- 9.草原の自然が育む生物多様性 人とのかかわりが「二次的自然」維持
キーワード1:生物多様性で暮らす
"生物多様性に食べさせてもらっている"って、どういう意味?
長野県伊那市にある「産直直販グリーンファーム」では、畑で採れる農作物だけでなく、野山の採集物など多彩な商品陳列が特徴の市場です。信州伊那は昆虫食文化でも有名な土地で、イナゴや「へぼ」と呼ばれるクロスズメバチの幼虫、ザザムシ、蚕のサナギの佃煮などさまざまな昆虫食材も並びます。もちろん、山菜やきのこなどもあります。
ここでやっている取り組みは、かつて里山に暮らす人々が持っていた自然のものを生かした生活の知恵を再評価していこうという活動と言えます。そのために、狩猟採集物の出口としての産直市場を開発すること。まさに、"生物多様性に食べさせてもらっている"活動というわけです。
こうした知恵と食材の文化は、近年の消費社会の中で、商品価値が低くみられて流通に乗せられずに見捨てられてきていました。これらの商品にスポットを当てることによって、地域の人たちにとっても野山に出ていく動機を与えられ、今はそれが生き甲斐となっているということです。かつて自然の中で生きてきた、ヒト本来のあり方に立ち返る取り組みのようです。
この特集ページは平成22年度地球環境基金の助成により作成されました。