がれきとなったガザの町を歩く人々=1日、パレスチナ自治区ガザ地区/Saeed Jaras/Middle East Images/AFP/Getty Images
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとイスラエルとの停戦交渉を仲介してきたカタールが、仲介の役割を一時停止していることが分かった。事情に詳しい関係者2人がCNNに語った。
カタールは直接の接触ルートを持たないイスラエルとハマスの間で、エジプトとともにガザ停戦交渉の仲介役を務めてきた。同国の首都ドーハには長年、ハマスの政治拠点が置かれている。
この件について説明を受けた外交筋からCNNが得た情報によると、カタール政府は双方が建設的な取り組みを拒否しているとの判断から停止を決めた。
昨年11月にカタールとエジプトの仲介で実現した戦闘休止の間に、ハマスはイスラエル人の人質105人を解放、イスラエルはパレスチナ人の捕虜240人を釈放したが、戦闘はまもなく再開。今年8月末にガザ地区で人質6人の遺体が発見されてから、交渉は実質的に中断している。
同外交筋はCNNに「カタールは双方の意欲が不十分との結論に達した」「ハマスの政治拠点はもはや本来の役割を果たしていない」と語った。
カタール政府は米政権に、双方が戦闘と民間人の苦難を終わらせることを目指して交渉に戻る誠実な意志を示せば、仲介を再開するとの意向を伝えたという。
この動きに対し、イスラエル側からはバルカト経済産業相がX(旧ツイッター)への投稿で、「カタールがこれまで仲介役だったことはない。テロ組織のハマスに資金を提供し、擁護する役を果たしてきた」と反発を示した。
カタール政府は4月にも交渉に対するいら立ちをあらわにし、ムハンマド首相兼外相が仲介の役割を再検討中と述べていた。