展覧会の入り口パネル。遮光器土偶に「どっグ〜な展覧会」の吹き出しがあしらわれている
期間限定で国宝の土偶2体も登場します。
開幕に先立つ内覧会では、高さが45センチもある「縄文の女神」(10月19日まで展示)を四方からじっくり堪能しました。西ノ前遺跡(山形県舟形町)から出土し、壊れた部分のない土偶としては国内最大です。
北海道函館市の著保内野(ちょぼないの)遺跡から出土した「中空土偶」は、11月1日から展示されます。展示期間以外は、どちらも複製が展示されています。
土偶の体の文様などはさまざまですが、とりわけ髪形の表現はユニークです。会場では、土偶の髪形が現代のどんなヘアスタイルにあたるのかを、イラストで示しています。
土偶のほとんどは女性を模し、多産などを祈ったと考えられています。会場では、縄文女性の妊娠や出産といったライフイベントも、詳しく紹介しています。
福島市の上岡遺跡から出土した国の重要文化財「しゃがむ土偶」は、体育座りの状態で腕を交差させています。これは、出産の場面を表現しているのだとか。
幼い子どもの手形や足形を粘土に押し付けたものも展示されています。お墓から見つかったものもあり、子どもの健やかな成長を祈ったり、形見だったりしたのかもしれません。
いつの時代も、子どもは宝物。家族はどんな思いでこれらを作ったのでしょうか。
展覧会ではグッズも楽しみ。特設ショップには、モフモフしたキーチェーンなど、かわいい土偶グッズがあふれていました(※(注記)商品は入荷状況により欠品になる場合があります)。
特に目を引いたのが、遮光器土偶を模したヘアバンド。これをつけると、毎日の洗顔やリラックスタイムも、ウキウキしますね。
平安京の遷都以来、多様な文化が花開いた古都・京都。そのまちで、国内政治の中心だった平安時代などではなく、縄文時代を取り上げるなんて、ちょっと意外な気もします。
でももちろん、平安時代よりずっと前から、先人たちは京都に暮らしていました。京文博によると、現在の京都市中にあたる場所では、少なくとも約2万年前の旧石器時代から、人々の営みが確認されています。
常設展示である「総合展示室」では、その一端を知ることができます。京文博の真下からは、約2600年前の縄文土器や石器が発掘されています。中には土偶も。小さな棒のようですが、脚の部分にあたるそう。
いったい、この土偶はどんな姿だったのか。どんな思いを込めてつくられたのか――。はるか昔の人々の暮らしへと、想像が膨らみました。
【開催概要】
特別展「世界遺産 縄文」
会期:11月30日(日)まで、京都文化博物館(京都市中京区)
開室時間:午前10時〜午後6時(金曜日は午後7時30分まで)。最終入場は閉室の30分前まで。月曜休館(ただし、11月3日、11月24日は開館し、翌日休館)
観覧料:一般1,800円、大高生1,200円、中小生600円。未就学児無料(要保護者同伴)
問い合わせ:京都文化博物館 075-222-0888
展覧会公式サイト
博物館公式サイト
主催 京都府、京都文化博物館、MBSテレビ、朝日新聞社
企画制作 tbc東北放送、東北歴史博物館
後援 (公社)京都府観光連盟、(公社)京都市観光協会、KBS京都、エフエム京都
(文:朝日新聞社 メディア事業本部 文化事業2部・大阪事業部)
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