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女性活躍を妨害する悪質なケースには断固とした対応を「少し前なら昇進できたはずなのに...」女性に機会を奪われたと嘆く"普通の男性"に必要な居場所と肩書

女性に下駄をはかせたのではなく男性の下駄を取っただけ

いまだに、女性だけに下駄をはかせていいのかという声がありますが、これはむしろ一定基準まで能力が達していない男性の下駄を取っただけなのです。

異なる階段の前に2人
写真=iStock.com/Mihaela Rosu
(注記)写真はイメージです

以前、『プレジデント ウーマン』で取材した女性外科医の方がおっしゃっていましたが、研修医の頃、先輩医師に「両乳房を切除して子宮を取ってから来い」と言われたそうです。今活躍しているキャリア女性たちの何割かは、こんなひどいことを言われながら働いてきたわけです。同じことを男性に要求したら、どう思いますか(もちろんする必要はありませんが)。

今、イノベーションを起こして業績を上げ、変化の時代に生き残りたい企業に必要なのは、「多様な視点や知見」を持つ人の力を生かし、決定権まで与えていくことです。ですから、昔だったら何とか上がれたくらいの男性が昇進できなくなっても、それは仕方ありません。この手のことを気にし続けていたら、ダイバーシティ経営は永遠に達成できないでしょう。

昇進がかなわなかった男性に必要な「居場所」と「肩書」

もちろん上がれなかった方にも、やりがいある仕事は必要です。今は昇進するより、専門職を突き詰めていきたい、自分らしい働き方をしたいといった方も増えていますので、そういった方々の居場所づくりも大切な施策になってきます。何らかの肩書があったほうが働きやすい風土であれば、実際は部下がいなくても、一定の年齢になったら「担当課長」といった肩書だけは名刺に入れてあげるのも一つの手でしょうし、専門職でも高い業績を上げれば、昇給にどんどん反映される人事制度を取り入れるのもよいと思います。

男女問わずですが、現実的にマネジメントに向いていなかったり、本人も昇進を望んでいなかったりするけれど、プレイヤーとして会社に必要な方であれば、そこはきちんと配慮して居場所をつくり、働きやすいようにしてあげることも、ダイバーシティ経営には大切なのです。

『『図解!ダイバーシティの教科書』』(プレジデント社)

国を挙げて日本が進めてきた女性活躍。その結果、働く女性は増え、ライフイベントとの両立制度の手厚さはすでに世界トップレベルなのに、管理職比率は一向に上向かず、むしろ世界の流れから取り残されるばかり。日本企業の女性活躍施策や、ダイバーシティ施策の何が一番悪いのか?そして本当のダイバーシティ経営とは何なのか? 当時としては珍しい完全共稼ぎ家庭に育ち、自らも管理職になってから出産、そしてその後も育児をしながら昇進を重ねた、日本で唯一の働く女性向けビジネス教養誌『プレジデント ウーマン』編集長が、長年の取材や調査、そして自らの経験から見た、日本のダイバーシティの現況と問題点について、図解しながらリアルに語ります。

掲載: PRESIDENT WOMAN Online

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