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「ごめんなさい」は負けることではない「論破」は最悪の手段...バツ3が自省とともに伝授「謝罪で得られる人間関係の長期的リターン」3つ

謝ることは、なぜ難しいのか。『「ごめんなさい」の練習』(PHP研究所)を上梓したコーチの林健太郎さんは「謝罪が必要な場面とは、相手との関係をこれからも続けていきたいかが問われている大事な分岐点」という――。
「SORRY」と書かれた黒板を持つ人
写真=iStock.com/Bjoern Wylezich
(注記)写真はイメージです

謝ることは人間関係の長期投資

「ごめんなさい」が必要な場面というのは、とてもストレス度が高い、人間にとっての危機的状況です。

しかも、「ごめんなさい」を伝えた先に、報酬があるかどうかは未知数。謝ったからといって相手が許してくれるかどうかはわからないし、「謝って損した」というケースもあると思います。

ただ、それはあくまで「短期的には」です。長期的にはリターン「しか」ありません。「小さなごめんなさい」は、人間関係の長期投資だと私は思っています。

そのリターンとは、たとえば次のようなことです。

くろまるリターン1 相手のことを深く理解できる

普段、人の価値観やコンプレックスなど、その人の「核心」にふれる機会は、身近な関係においても、ほとんどないのではないでしょうか。普段の会話は、たわいのないもの。相手の深い話は大切ではあるのですが、通常時には重すぎるわけです。

ですが、相手を不快にさせたり、怒らせたりといった異変時、つまり「ごめんなさい」が必要な場面では、相手の深い部分が自然と出てきます。相手が異変時に発する言葉や思いには、その人の価値観や大切にしていること、されて嫌なこと、コンプレックス、これまでの人生などがつまっているのです。

相手とトラブルになりそうになったときに「ごめんなさい」のひと言で立ちどまって、相手の価値観や真意を知ることができると、相手との関係性がぐっと深まります。おたがいにヒリヒリするような思いを味わいますけどね(笑)。

つまり、「ごめんなさい」は、相手の深い部分への扉を開く言葉でもあるのです。

逆に、異変時に「ごめんなさい」を言わないまま、相手と向きあうことを避けていると、問題は先に持ちこされ、どんどん大きくなっていきます。

そういった関係が、1年、3年、5年と続いていくと、どうなるでしょうか。私が3度離婚した大きな原因も、ここにあったと今ならわかります......。

相手に「ごめんなさい」を伝えることは、とてもストレス度が高く、また勇気のいる行為ですが、おたがいをより深く知るチャンスにもなるのです。

くろまるリターン2 相手と対等な関係を結べる

「ごめんなさい」を言いにくくしている壁のなかで、もっともやっかいなのが、「相手に優位に立たれたくない」心理です。「謝った側が負け」のような気がして、つい「でも」「だって」「しょうがなかった」といった言い訳や反論が出てくる、あの状態です。

たしかに、短期的には相手に負けた気分になるかもしれませんが、長期的には「ごめんなさい」を伝えたほうが、相手と対等な関係を結びやすくなります。

なぜなら、先ほどお伝えしたように、「ごめんなさい」をきっかけに、相手の深い部分を知ることができて、本音で語りあえる「仲間」になれるからです。夫婦なら同志に、友人なら親友と呼べるような関係になっていくでしょう。

「ごめんなさい」を重ねていった関係というのは、一時の「勝った、負けた」を気にする「もろい関係」とは別次元のものになります。

掲載: PRESIDENT WOMAN Online

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