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R2000

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

R2000MIPS I 命令セットアーキテクチャ (ISA) を実装したマイクロプロセッサのチップセットであり、ミップス社が開発した。1986年1月発表。MIPSアーキテクチャの最初の実装である。元々は基板レベルの製品で、モジュールとして発売し、DECVAXマイクロプロセッサやモトローラMC68000と競合した。1987年、インテル80386に対抗すべくチップセット単体での販売を開始した。アーデントコンピュータ、DEC、シリコングラフィックスなどが採用している。

チップセットは、マイクロプロセッサ(CPU) R2000、FPU R2010、ライトバッファ R2020(4個必要)で構成されている。R2020はメモリへの書き込みをバッファリングし、R2000が書き込み完了を待たずに次の操作を実行できるようにするためのものだった。R2020一つで書き込みを1エントリだけ保持できる。当時のメモリはチップセットに比較して非常に遅かったため、これによって性能を向上させた。

動作周波数としては、8.3MHz、12.5MHz、15MHz があった。R2000本体のチップは 80 mm2 の大きさで、2.0μmのCMOSプロセスで11万個のトランジスタを集積している。ミップス社はファブレス企業であるため、自社では製造していない。R2000の製造を行ったのは Sierra Semiconductor東芝で、ミップス社にOEM供給した。1987年12月、IDTLSI Logic、Performance Semiconductor がミップス社からライセンス提供を受けてR2000の製造・販売を開始している。Sierraと東芝はOEM供給のみを続け、自社販売はしなかった。

LSI Logic は2.0μmのCMOSプロセスで製造し、LR2000 として販売。Performance Semiconductor は0.8μmのCMOSプロセスで製造し、PR2000 として販売した。

1988年、改良版の R2000A と R2010A が登場。12.5MHzと16.67MHzで動作した。

参考文献

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関連項目

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MIPSマイクロプロセッサ
全般
プロセッサー
MIPS64
適合
    • デスクトップ/産業機器
      • LS3A1000/LS3A1000-I(LS3A1000-i)
      • LS3A2000/LS3A1500-I
      • LS3A3000/LS3A3000-I(LS3A3000-i)
      • LS3A4000/LS3A4000-I(LS3A4000-i)
    • サーバ
      • LS3B1000
      • LS3B1500
      • LS3B2000
      • LS3B3000
      • LS3B4000
応用
プロセッサー
MIPS32
適合
MIPS64
適合
マイクロコントローラ
(組み込み機器)
M4K
4Kc/4KEc
MIPS32
適合
ネットワーキング
4Kc/4KEc
5Kc
24Kc/24KEc
34Kc
  • Lantiq
    • AR188
    • VRX288
    • GRX388
  • Ikanos
    • Fusiv Vx175/173
    • Fusiv Vx180
    • Fusiv Vx185/183
74Kc
1004Kc
1074Kc
MIPS32
適合
MIPS64
適合
ゲーミング
various
スーパーコンピュータ
航空宇宙
MIPS64
適合
MIPS32
適合
クラシック
プロセッサー
MIPS I
MIPS II
MIPS III
MIPS IV
MIPS V

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