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PyQt

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
PyQt
Qt Designer
開発元 Riverbank Computing
最新版
6.6.1 / 2023年12月4日 (8か月前) (2023年12月04日)[1]
プログラミング
言語
C++/Python [2]
対応OS クロスプラットフォーム
ライセンス GNU GPL and commercial
公式サイト riverbankcomputing.com
テンプレートを表示

PyQtは、クロスプラットフォームGUIツールキットであるQtPythonバインディングにして、PythonでGUIプログラミングをするときの選択肢の一つである。PyQtの他には、PySidePyGTKwxPythonTkinterなどのGUIツールキットが存在する。Qtと同様にPyQtはフリーソフトウェアである。PyQtはPythonのプラグインとして実装されている。

PyQtはイギリスRiverbank Computing社によって開発されており、GPLと商用ライセンスで提供されているが、LGPLの下では提供されていない[3] 。PyQtはクロスプラットフォームなツールキットであり、WindowsLinuxmacOSなどをサポートしている[4]

PyQtは440のクラスと6000以上の関数とメソッドを持つ。代表的なものは以下のとおりである[5]

  • 充実したGUIウィジェット
  • SQLデータベース (ODBC, MySQL, PostgreSQL, Oracle Database) にアクセスするためのクラス
  • QScintillaとScintillaをベースとしたエディタウィジェット
  • 自動的にデータベースからデータを取り込みウィジェットに表示
  • XMLのパーサ
  • SVGのサポート
  • Windows上でのActiveXのためのクラス(商用バージョンのみ[6] )

自動的にこれらのバインディングを生成するため、フィル・トンプソンは他のプロジェクトでも使用されるSIPというツールを開発した。

Qtツールキットの所有者であるノキアは、2009年 8月にPySideを公開した。PySideはPyQtと同じ機能を持つが、LGPLの下で公開されているという点でPyQtと異なっている[7] 。PySideが公開されたのは、Riverbank Computing社とのライセンスに関する合意形成に失敗したためである[8]

PyQtの別のロゴ

PyQtの構成

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PyQt4は次のPythonモジュールを含んでいる。

QtCore
イベントループとQtのシグナルとスロット機構を備えた非GUIクラスを含んでいる。このモジュールは、プラットホームに依存しないようにUnicodeスレッドマップドファイル共有メモリ正規表現などを抽象化する。
QtGui
多くのGUIクラスを含んでいる。これらのクラスはModel View Controller設計パターンに基づいた、たくさんのテーブル・ツリー・リストを含んでいる。また、何千ものアイテムを格納できる、洗練された2Dキャンパスウィジェットを提供する。
QtNetwork
UDPTCPクライアントとサーバを作成するためのモジュールである。このモジュールはFTPの実装・HTTPクライアント・DNSルックアップのためのクラスを含んでいる。ネットワークアプリケーションが簡単に開発できるように作成されている。
QtOpenGL
OpenGLを扱うためのモジュールである。
QtSql
オープンソースでプロプライエタリSQLデータベースを扱うためのモジュールである。これはGUIクラスで使用できるデータベーステーブル用の編集可能なデータモデルを含んでいる。また、SQLiteの実装も含んでいる。
QtSvg
SVGファイルを表示するためのモジュールである。
QtXml
QtのXMLパーサにSAXDOMのインターフェースを実装するモジュールである。
QtMultimedia
低レベルでマルチメディア機能を実装するためのモジュールである。ソフトウェア開発者は普通phononモジュールを使う。
QtDesigner
PyQtを用いてQt Designerを拡張するためのモジュールである。
Qt
一つのモジュールに上記すべてのモジュールに含まれるクラスを統合する。このため、Qtモジュールを読み込んでおけば、あるクラスが含まれているかどうかを心配する必要がなくなる。しかし、一つのモジュールに統合することで、アプリケーションのメモリ使用量を増加させる、Qtフレームワーク全体を読み込まなければならないなどの欠点が生じる。この統合されたモジュールを使用するか、個々のモジュールを使用するかは個人の好みになる。
uic
Qt Designerで作られた、XMLファイルを扱うためのモジュールである。これは、XMLファイルの読み込み・表示機能や、後に実行するためにXMLファイルからPythonコードを生成するクラスが含まれている[4]

Hello World

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KDE Plasma 4での実行結果
#! /usr/bin/env python
# -*- coding: utf-8 -*-
#
# Here we provide the necessary imports.
# The basic GUI widgets are located in QtGui module. 
import sys
from PyQt4.QtGui import *
# Every PyQt4 application must create an application object.
# The application object is located in the QtGui module.
a = QApplication(sys.argv)
# The QWidget widget is the base class of all user interface objects in PyQt4.
# We provide the default constructor for QWidget. The default constructor has no parent.
# A widget with no parent is called a window. 
w = QWidget()
w.resize(320, 240) # The resize() method resizes the widget.
w.setWindowTitle("Hello, World!") # Here we set the title for our window.
w.show() # The show() method displays the widget on the screen.
sys.exit(a.exec_()) # Finally, we enter the mainloop of the application.

PyQtを用いたソフトウェア

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関連項目

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出典

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  1. ^ https://www.riverbankcomputing.com/news
  2. ^ "PyQt4 Download". Riverbankcomputing (2010年). 2010年4月19日閲覧。
  3. ^ "Riverbank | Software | PyQt | License". Riverbankcomputing.co.uk. 2009年9月3日閲覧。
  4. ^ a b "Riverbank | Software | PyQt | What is PyQt?". Riverbankcomputing.co.uk. 2010年4月15日閲覧。
  5. ^ "PyQt v4 - Python Bindings for Qt v4". Riverbankcomputing. 2010年4月17日閲覧。
  6. ^ PythonInfo Wiki
  7. ^ "PySide has been released – PySide – Python for Qt". Pyside.org (2009年8月18日). 2009年9月3日閲覧。
  8. ^ "FAQ – PySide – Python for Qt". Pyside.org. 2009年9月3日閲覧。

推薦文献

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外部リンク

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