1990年イタリアグランプリ
レース詳細 | |||
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日程 | 1990年シーズン第12戦 | ||
決勝開催日 | 9月9日 | ||
正式名称 | Coca-Cola 61° Gran Premio d'Italia | ||
開催地 |
アウトドローモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァ イタリア ロンバルディア州 モンツァ | ||
コース | 常設コース | ||
コース長 | 5.800km | ||
レース距離 | 53周(307.400km) | ||
決勝日天候 | 晴れ、ドライ | ||
ポールポジション | |||
ドライバー | |||
タイム | 1'22.533 | ||
ファステストラップ | |||
ドライバー | ブラジルの旗 アイルトン・セナ | ||
タイム | 1'26.254(Lap 46) | ||
決勝順位 | |||
優勝 | |||
2位 | |||
3位 |
1990年イタリアグランプリ(伊: 1990 Gran Premio d'Italia)は、1990年F1世界選手権の第12戦として、1990年9月9日にモンツァ・サーキットで決勝レースが開催された。
予選
[編集 ]イタリアGP予選におけるアイルトン・セナのポールポジションラップは、彼が獲得した65回のポールポジションの中でも傑出したもののひとつである。
金曜日の予選1回目でセナはひとりだけ1分22秒台を記録。しかし、土曜午前のフリー走行でホンダエンジンに不具合が見つかり、エンジンを乗せ換えることになった。予選2回目の開始時刻になっても作業は終わらず、セナはじっと出番を待ち続けた。その間、フェラーリの地元グランプリで声援を受けるアラン・プロストがセナのタイムを0.04秒更新し、暫定トップに立った。セナは1セット目の予選用タイヤでセッティングを確認した後、終了2分前にコースに出て最後のタイムアタックを開始し、プロストのタイムを0.4秒上回るスーパーラップを記録した。
パワーサーキットのモンツァでワークスエンジン勢が予選上位に並ぶなか、カスタマー仕様のコスワース・DFRエンジンを使用するティレルのジャン・アレジが5番グリッドを獲得した。アレジの来期の去就については、ティレル残留かウィリアムズ移籍、そしてフェラーリへの抜擢も噂されており、チャンピオン争いをするセナ・プロストとは別の意味で注目人物になっている。
予備予選結果
[編集 ]順位 | No | ドライバー | コンストラクター | タイム | 差 |
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1 | 14 | フランスの旗 オリビエ・グルイヤール | オゼッラ・フォード | 1'26.947 | — |
2 | 31 | ベルギーの旗 ベルトラン・ガショー | コローニ・フォード | 1'27.594 | +0.647 |
3 | 17 | イタリアの旗 ガブリエル・タルキーニ | AGS・フォード | 1'27.773 | +0.826 |
4 | 18 | フランスの旗 ヤニック・ダルマス | AGS・フォード | 1'28.113 | +1.166 |
DNPQ | 33 | ブラジルの旗 ロベルト・モレノ | ユーロブルン・ジャッド | 1'28.703 | +1.756 |
DNPQ | 34 | イタリアの旗 クラウディオ・ランジェス | ユーロブルン・ジャッド | 1'35.061 | +8.114 |
DNPQ | 39 | イタリアの旗 ブルーノ・ジャコメリ | ライフ | 1'55.244 | +28.297 |
予選結果
[編集 ]順位 | No | ドライバー | コンストラクター | Q1 | Q2 | 差 |
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1 | 27 | ブラジルの旗 アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ | 1'22.972 | 1'22.533 | — |
2 | 1 | フランスの旗 アラン・プロスト | フェラーリ | 1'23.497 | 1'22.935 | +0.402 |
3 | 28 | オーストリアの旗 ゲルハルト・ベルガー | マクラーレン・ホンダ | 1'23.239 | 1'22.936 | +0.403 |
4 | 2 | イギリスの旗 ナイジェル・マンセル | フェラーリ | 1'23.141 | 1'23.720 | +0.608 |
5 | 4 | フランスの旗 ジャン・アレジ | ティレル・フォード | 1'24.159 | 1'23.526 | +0.993 |
6 | 5 | ベルギーの旗 ティエリー・ブーツェン | ウィリアムズ・ルノー | 1'24.042 | 1'23.984 | +1.451 |
7 | 6 | イタリアの旗 リカルド・パトレーゼ | ウィリアムズ・ルノー | 1'24.253 | 1'24.555 | +1.720 |
8 | 19 | イタリアの旗 アレッサンドロ・ナニーニ | ベネトン・フォード | 1'25.567 | 1'24.583 | +2.050 |
9 | 20 | ブラジルの旗 ネルソン・ピケ | ベネトン・フォード | 1'24.699 | 1'24.987 | +2.166 |
10 | 15 | ブラジルの旗 マウリシオ・グージェルミン | レイトンハウス・ジャッド | 1'26.170 | 1'25.556 | +3.023 |
11 | 12 | イギリスの旗 マーティン・ドネリー | ロータス・ランボルギーニ | 1'26.110 | 1'25.629 | +3.096 |
12 | 11 | イギリスの旗 デレック・ワーウィック | ロータス・ランボルギーニ | 1'25.728 | 1'25.677 | +3.144 |
13 | 29 | フランスの旗 エリック・ベルナール | ローラ・ランボルギーニ | 1'25.927 | 1'26.154 | +3.394 |
14 | 3 | 日本の旗 中嶋悟 | ティレル・フォード | 1'26.449 | 1'26.081 | +3.548 |
15 | 23 | イタリアの旗 ピエルルイジ・マルティニ | ミナルディ・フォード | 1'26.330 | 1'26.516 | +3.797 |
16 | 16 | イタリアの旗 イヴァン・カペリ | レイトンハウス・ジャッド | 1'26.712 | 1'26.735 | +4.179 |
17 | 8 | イタリアの旗 ステファノ・モデナ | ブラバム・ジャッド | 1'26.950 | 1'27'997 | +4.417 |
18 | 30 | 日本の旗 鈴木亜久里 | ローラ・ランボルギーニ | 1'27.074 | 1'26.962 | +4.429 |
19 | 21 | イタリアの旗 エマニュエル・ピロ | ダラーラ・フォード | 1'27.790 | 1'26.964 | +4.431 |
20 | 26 | フランスの旗 フィリップ・アリオー | リジェ・フォード | 1'27.153 | 1'27.043 | +4.510 |
21 | 10 | イタリアの旗 アレックス・カフィ | アロウズ・フォード | 1'27.828 | 1'27.410 | +4.877 |
22 | 9 | イタリアの旗 ミケーレ・アルボレート | アロウズ・フォード | 1'27.784 | 1'27.448 | +4.915 |
23 | 14 | フランスの旗 オリビエ・グルイヤール | オゼッラ・フォード | 1'27.541 | 1'28.228 | +5.008 |
24 | 18 | フランスの旗 ヤニック・ダルマス | AGS・フォード | 1'28.564 | 1'27.673 | +5.140 |
25 | 22 | イタリアの旗 アンドレア・デ・チェザリス | ダラーラ・フォード | 1'27.772 | 1'27.749 | +5.216 |
26 | 25 | イタリアの旗 ニコラ・ラリーニ | リジェ・フォード | 1'28.626 | 1'27.937 | +5.404 |
DNQ | 17 | イタリアの旗 ガブリエル・タルキーニ | AGS・フォード | 1'28.107 | 1'28.256 | +5.574 |
DNQ | 24 | イタリアの旗 パオロ・バリッラ | ミナルディ・フォード | 1'28.258 | 1'28.521 | +5.725 |
DNQ | 7 | オーストラリアの旗 デビッド・ブラバム | ブラバム・ジャッド | 1'28.382 | 1'30.446 | +5.849 |
DNQ | 31 | ベルギーの旗 ベルトラン・ガショー | コローニ・フォード | 1'28.952 | 1'30.140 | +6.419 |
出典[1] |
決勝
[編集 ]スタートはポールポジションのセナと3番グリッドのベルガーの加速が良く、第1シケインではマクラーレンがワンツー体制。第2シケインではアレジがプロストのインを刺して3位にジャンプアップした。1周目の最終コーナー「パラボリカ」でワーウィックのロータスが外に飛び出しバリアに激突。マシンは上下ひっくり返ったまま、ホームストレートへ滑っていき、即座に赤旗レース中断となった。大クラッシュにサーキットは騒然となったが、ワーウィックは自力でマシンから這い出すとピットまで走って戻り、メディカルチェックを受けてからスペアカーに乗り込んだ。
再スタートもセナ・ベルガーのマクラーレンデュオが先行し、アレジがぴたりと背後につけたが、3周目の第1シケインで単独スピンしてリタイアとなった。その後は3位のプロストが追い付き、3台のトップ集団となった。ブレーキが厳しくなったベルガーのペースが落ち始め、21周目の第2シケイン立ち上がりでミスしたところ、プロストに抜かれて3位に後退した。これでセナ・プロストのマッチレースとなり、前戦ベルギーGPと同じくセナがプロストとの差をじわじわ広げ、ポールポジション・ファステストラップ・優勝・全周回1位のグランドスラムでイタリアGP初勝利を成し遂げた。
6戦連続リタイアが続いていた中嶋は、開幕戦アメリカGP以来の6位入賞。
表彰式後のインタビュー会場で、イタリア人記者の質問に応じる形でセナとプロストが和解の握手を交わした。前年のサンマリノGPの「紳士協定事件」以来続いてきた冷戦状態が終わることが期待されたが、1カ月半後の日本GPで両者の関係は再び破綻することになる。
決勝結果
[編集 ]レース後の選手権順位
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- 注記:ランキング上位5位まで記載。
脚注
[編集 ]- ^ "Coca Cola Italian Grand Prix - OVERALL QUALIFYING". Formula1.com. 2020年5月1日閲覧。
- ^ "Coca Cola Italian Grand Prix - RACE RESULT". Formula1.com. 2020年5月1日閲覧。
- ^ a b "Italy 1990 - Championship STATS F1". www.statsf1.com. 2020年5月1日閲覧。