コンテンツにスキップ
Wikipedia

紙の寸法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
この記事は検証可能参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
出典検索?"紙の寸法" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL
(2017年12月)
曖昧さ回避 この項目では、紙の寸法について説明しています。封筒の寸法については「封筒#大きさ」を、の寸法については「判型#寸法」をご覧ください。

紙の寸法(かみのすんぽう)では、工業規格について記述する。サイズの系統にはA列B列四六判菊判ハトロン判AB判などがある。

国際的な紙の寸法の規格

[編集 ]

A列、B列、C列はISO 216で画定されている紙の仕上がり寸法の国際規格である。ドイツの工業規格 DIN 476が基になっており、世界各国で使われている。仕上がり寸法とはノートやコピー用紙など、製品に仕上がった紙の寸法である。

A列ならもとの大きさを「A0」、それを長辺で半分にしたものを「A1」、さらにA1を半分にしたものを「A2」という具合に呼び、サイズを下げていく際に長辺を半分にすることにより短辺と長辺の比率(白銀長方形)が同じ(つまり相似)になるように設計されている。しかし規格寸法は1mm未満の端数が出た段階でその端数値が切り捨てられるため、逆算で単純に短辺を倍にすることによりサイズを上げていくと規格寸法の数値に誤差が生じる。日本では「A1」を「A全」、「A0」を「A倍」と呼ぶことがある。

短辺と長辺の比は1:2(≒1.414)。数字が1減るに従い面積は2倍、辺の長さは2(≒1.414)倍になる。

A列

[編集 ]
A列。

A0の面積は1m2である。つまりメートル(m)で表した短辺と長辺の辺の長さは互いに逆数になっており、1/42(≒1.189)(≒0.841)×ばつ42(≒1.189)mである。

An判の端数処理をした長辺は以下の数式で得られる。短辺はnを1増やせば得られる。(単位:mm)

1000/22n-1/4+0.2
×ばつ長辺(mm) 用途の例[1]
A0 ×ばつ1189  
A1 ×ばつ841
A2 ×ばつ594
A3 ×ばつ420
A4 ×ばつ297 写真集・美術全集
A5 ×ばつ210 学術書・教科書
A6 ×ばつ148 文庫本
A7 ×ばつ105  
A8 ×ばつ74
A9 ×ばつ52
A10 ×ばつ37

これらの値には許容値が定められているが、ISOや各国の国家規格で異なる。

延長サイズ

[編集 ]

「ISO 5457 製図 - 製図用紙のサイズ及び図面の様式」では、「特に長い用紙が必要な場合」のために、以下のような「特別延長サイズ」および「例外延長サイズ」が定められている。

特別延長サイズ
[編集 ]
×ばつ長辺(mm)
×ばつ3 ×ばつ891
×ばつ4 ×ばつ1189
×ばつ3 ×ばつ630
×ばつ4 ×ばつ841
×ばつ5 ×ばつ1051
例外延長サイズ
[編集 ]
×ばつ長辺(mm)
×ばつ2 ×ばつ1682
×ばつ3 ×ばつ2523
×ばつ3 ×ばつ1783
×ばつ4 ×ばつ2378
×ばつ3 ×ばつ1262
×ばつ4 ×ばつ1682
×ばつ5 ×ばつ2102
×ばつ5 ×ばつ1486
×ばつ6 ×ばつ1783
×ばつ7 ×ばつ2080
×ばつ6 ×ばつ1261
×ばつ7 ×ばつ1471
×ばつ8 ×ばつ1682
×ばつ9 ×ばつ1892

B列

[編集 ]
B列。上のA列の図と等倍率。

×ばつ2(≒1.414)mである。

B列のサイズは、A列と1つ小さいA列の間を等比分割する。つまり、B0:A0:B1:A1:...の隣り合う面積の比は全て2(≒1.414)倍、辺の長さの比は42(≒1.189)倍である。これは、A列内でA0:A1:A2:...の面積の比が2倍、辺の長さの比が2(≒1.414)倍となっている思想と一貫している。コピーを取る時などにA4→B4にする倍率とB5→A4にする倍率が同じ倍率となる利点を持っている。

Bn判の端数処理をした長辺は以下の数式で得られる。短辺はnを1増やせば得られる。(単位:mm)

1000/2n-1/2+0.2
×ばつ長辺(mm) 用途の例[1]
B0 ×ばつ1414  
B1 ×ばつ1000
B2 ×ばつ707
B3 ×ばつ500
B4 ×ばつ353 画集・グラフ雑誌
B5 ×ばつ250 週刊誌・一般雑誌
B6 ×ばつ176 単行本
B7 ×ばつ125  
B8 ×ばつ88
B9 ×ばつ63
B10 ×ばつ44

なお、一部の国(日本を含む)では、上記の国際規格のB列ではなく、日本を始めとする JIS B列 が一般的に使用されている。国際規格のB列とJISのB列は呼称が同じものの寸法が異なるため、混同しないよう注意が必要である。例として、以下の寸法がある。

  • JIS ×ばつ257mm
  • セミ ×ばつ252mm

C列

[編集 ]
C列。上のA列・B列の図と等倍率。
A列・B列(ISO)・C列の比較。

ISO 269ではC列が規格化されている。C列は、B列(ISO)とA列の間を等比分割する。つまり、B0:C0:A0の隣り合う面積の比は42(≒1.189)倍、辺の長さの比は82(≒1.091)倍である。

Cn判の端数処理をした長辺は以下の数式で得られる。短辺はnを1増やせば得られる。(単位:mm)

1000/24n-3/8+0.2
×ばつ長辺(mm)
C0 ×ばつ1297
C1 ×ばつ917
C2 ×ばつ648
C3 ×ばつ458
C4 ×ばつ324
C5 ×ばつ229
C6 ×ばつ162
C7 ×ばつ114
C8 ×ばつ81
C9 ×ばつ57
C10 ×ばつ40

C列は主に封筒に使われる。C4サイズ(日本の角形20号と同じ)はA4より一回り大きいため、A4を折らずにそのまま入れられる。A4二つ折りを送るときはC5サイズ(日本の角形6号と同じ)を選ぶ。

RA列およびSRA列

[編集 ]

RA列、SRA列はISO 217 (英語版)で画定されている原紙寸法の国際規格である。原紙寸法とは印刷時に紙の端を機械のツメがくわえたり、裁断加工時のトンボに必要な余白を加えたもので、仕上寸法よりひとまわり大きい。RA列、SRA列はそれぞれ同じ番号のA列に対応する。

×ばつ長辺(mm)
RA0 ×ばつ1220
RA1 ×ばつ860
RA2 ×ばつ610
RA3 ×ばつ430
RA4 ×ばつ305
×ばつ長辺(mm)
SRA0 ×ばつ1280
SRA1 ×ばつ900
SRA2 ×ばつ640
SRA3 ×ばつ450
SRA4 ×ばつ320

各国における独自の紙の寸法の規格

[編集 ]

DIN(ドイツ)

[編集 ]

ドイツの工業規格 DIN 476は1922年に公表され、後にISOのA列、B列などの基になった規格であるが、DIN 476はA0より上の2A0と4A0が規格化されており、それぞれA0の2倍ないし4倍の寸法となる。

×ばつ長辺(mm)
4A0 ×ばつ2378 2
(≒1.414)
2A0 ×ばつ1682

SIS(スウェーデン)

[編集 ]

スウェーデンSIS (スウェーデン語版英語版) 014711ではISOのA列、B列、C列に加え、D列、E列、F列、G列が規格化されている。D列はB列と1つ大きいA列の間を等比分割し、D0:B0:C0:A0:D1:B1:...の面積の比は42(≒1.189)倍となる。E列・F列・G列はそれをさらに等比分割してD0:F0:B0:G0:C0:E0:A0の面積の比は82(≒1.091)倍、辺の長さの比は162(≒1.044)倍となる(A0とD1の間を等比分割する規格はない)。

JIS(日本)

[編集 ]

日本では、1951年に制定されたJIS P 0138「紙加工仕上寸法」が「ISO-Aシリーズ」(A列)と「JIS-Bシリーズ」(B列)の寸法を規定している。この規格は、1929年商工省日本標準規格第92号として発表した「紙ノ仕上寸法」が元になっている。なお「紙ノ仕上寸法」は1940年臨時日本標準規格第138号としても制定されており、JIS P 0138の規格番号はこの数字を引き継いだものである。

JIS P 0138のA列はISOと同じだが、B列は国際規格との互換性がない。JISのB0は面積が1.5m2となるように定義されている。よって辺の長さは41.125×ばつ44.5m(×ばつ約1.456m)となり、ISOのB0より約3%大きい。B列の長辺の長さはA列の対角線に等しく、短辺の長さは1段階小さいA列の対角線に等しい。

ISOのA列とB列は相似比が42倍(約1.189倍)と一定なのに対し、JISにおいては、A列より一回り大きいB列と、B列より一回り大きいA列で相似比が異なる。B列はA列の1.5倍(約1.225倍)で、A列は1段階小さいB列の4/3倍(約1.155倍)である。

JIS B列はほとんど日本中国台湾の3地域のみで使われている。江戸時代の公用紙である美濃紙をもとに定めた美濃判に由来する[要出典 ]

JIS Bn判の端数処理をした長辺は以下の数式で得られる。短辺はnを1増やせば得られる。(単位:mm)

10003(≒1732)/422n+1+0.2
×ばつ長辺(mm)
JIS B0 ×ばつ1456 1.414
JIS B1 ×ばつ1030
JIS B2 ×ばつ728
JIS B3 ×ばつ515
JIS B4 ×ばつ364
JIS B5 ×ばつ257
JIS B6 ×ばつ182
JIS B7 ×ばつ128
JIS B8 ×ばつ91
JIS B9 ×ばつ64
JIS B10 ×ばつ45

原紙寸法の規格としては、ISO 217を元に日本独自の寸法を規定したJIS P 0202「紙の原紙寸法」が存在する。以下の5つが定められている。

種類 ×ばつ長辺(mm)
A列本判 ×ばつ880 1.408
B列本判 ×ばつ1085 1.418
四六判 ×ばつ1091 1.385
菊判 ×ばつ939 1.476
ハトロン判 ×ばつ1200 1.333

ANSI(アメリカ合衆国)

[編集 ]
ANSI A - E。
A4レター(ANSI A)の比較。

アメリカ合衆国ANSI/ASME Y14.1では、伝統的なデファクトスタンダードだったレター(レターサイズ)を基準とした用紙サイズが規格化されている。

A列などと異なり、レターがAとなり、アルファベット順に面積が倍になる。

ANSI A(レター)はA4に似るがやや短く、短辺と長辺の比は2(≒1.414):1ではない。そのためANSI系列は、面積が倍になるにつれ短辺と長辺の比が1.294倍と2/1.294(≒1.546)倍の間で交互に入れ替わる。辺の長さも2(≒1.414)倍にはなっていない。

  ×ばつ長辺 通称 近似のISO
mm in
ANSI E ×ばつ1118 ×ばつ44 1.294   A0
ANSI D ×ばつ864 ×ばつ34 1.546 A1
ANSI C ×ばつ559 ×ばつ22 1.294 A2
ANSI B ×ばつ432
×ばつ279
×ばつ17
×ばつ11
1.546 タブロイド
レジャー
A3
ANSI A ×ばつ279 81/2×ばつ11 1.294 レター A4

その他のデファクトスタンダード

[編集 ]

数多くのデファクトスタンダードがあるが、プリンターDTPが多く対応しているものを挙げる。

北アメリカ

[編集 ]
  ×ばつ長辺 ANSI 近似のISO
mm in
タブロイド
レジャー
Tabloid
Ledger(LDR)
×ばつ432
×ばつ279
×ばつ17
×ばつ11
1.546 B A3
リーガル Legal(LGL) ×ばつ356 81/2×ばつ14 1.647    
フォリオ Folio ×ばつ330 ×ばつ13 1.625
クォート Quarto ×ばつ279 ×ばつ11 1.222
レター Letter(LTR) ×ばつ279 81/2×ばつ11 1.294 A A4
エグゼクティヴ Executive(EXEC) ×ばつ267 71/4×ばつ101/2 1.448  
ステイトメント
ハーフレター
Statement(STMT)
Half Letter
×ばつ216 51/2×ばつ81/2 1.545 A5

なお、フォリオやエグゼクティヴには複数のサイズがあり、また他の国(チリ、フィリピン、メキシコなど)には別寸法のリーガルもある。このため購入などでサイズを指定する時には、名称でなくインチ数で表した方が無難である(レター・・・81/2×ばつ11 Eight and a Half by Elevenなど)。

日本

[編集 ]

本の判型などに使われる。このほかにも多くのデファクト・スタンダードがある。

菊判・四六判は正確な寸法が定まっておらず、ここに記したのは一例である。AB判はA4の短辺とB5(JIS)の長辺を持つ。B40判・三五判はB5・A5(32取)の80%の幅である。

×ばつ長辺(mm) 全紙取り
AB判 ×ばつ257 1.225 AB判16取
菊判 ×ばつ218 1.434 菊判16取
四六判 ×ばつ188 1.480 四六判32取
B40判 ×ばつ182 1.768 B判40取
三五判 ×ばつ148 1.768 A判40取

写真

[編集 ]
詳細は「印画紙」を参照

×ばつ610mm(20in ×ばつ24in)の原紙から切り出す場合が多い。したがって四つ切、六つ切など分割数を名称に冠する。英語ではインチ数で表記する。美術におけるカンバスサイズとは異なっている。

近年はフォトプリンターの普及でこれをもとにしたサイズの写真用プリンター用紙がつくられているが、ビジネス用途との互換性からA・B判が用いられることも多い。またA・B判の出力幅を活かしたままで伝統的なカメラ(35mmフィルム・デジタル一眼レフ)の2:3の寸法比率をなるべくトリミング(切り取り)せず出力できるよう、この分野特有のノビ判サイズの用紙も使用されている。

A3ノビは写真プリンター特有の紙型である。デジタルカメラスマートフォンの普及と共に、最近家電量販店での印画紙はほぼ日本的なL版および2L版(および国際的なKG版が少々)になってきている[2]

  ×ばつ長辺
mm in
大全紙 ×ばつ610 ×ばつ24 6:5(1.200)
全紙 ×ばつ560 ×ばつ22 11:9(1.222)
A3ノビ ×ばつ483 ×ばつ19 19:13(1.462)
半切 ×ばつ432 ×ばつ17 17:14(1.214)
大四つ切 ×ばつ355 ×ばつ14 14:11(1.272)
四つ切 ×ばつ305 ×ばつ12 6:5(1.200)
六つ切ワイド ×ばつ305 ×ばつ12 3:2(1.500)
六つ切 ×ばつ254 ×ばつ10 5:4(1.250)
2L ×ばつ178 ×ばつ7 7:5(1.400)
ハガキ(KG) ×ばつ152 ×ばつ6 3:2(1.500)
L(サービスサイズ) ×ばつ127 31/2×ばつ5 10:7(1.429)
DSC ×ばつ119 31/2×ばつ4.69 4:3(1.333)

新聞

[編集 ]
国際的な新聞判型の比較
  • 国際的な判型 - おおむねの規格寸法。地域や新聞社によって違いがある。世界的には紙面小型化と発行コストの削減を目的に、従来より安価な幅が狭いロール紙で印刷できるように紙面レイアウトを再設計する「ウェブカットダウン」(Web cut down)と呼ばれる取り組みが進んでおり、ブロードシート判でも左右寸法がタブロイド判並みに狭い新聞もある。
判型 ×ばつ長辺
mm in
ブロードシート判(Broadsheet) ×ばつ600  
ノルディッシュ判(Nordisch) ×ばつ570
レニッシュ判(Rheinisch) ×ばつ510
×ばつ520
×ばつ530
スイス判(NZZ判、Schweizer Format) ×ばつ475
ベルリナー判(Berliner) ×ばつ470 123/8×ばつ181/2
タブロイド・エクストラ(Tabloid Extra) ×ばつ455 ×ばつ18
ハーフ・ブロードシート判(Half Broadsheet) ×ばつ375 ×ばつ143/4
ハーフ・レニッシュ判(Half Rheinisch) ×ばつ365〜370 10〜101/2×ばつ141/2
×ばつ325 101/4×ばつ123/4
ハーフ・スイス判(Half Schweizer Format) ×ばつ330 91/2×ばつ13
ハーフ・ベルリナー判(Half Berliner) ×ばつ310〜320 9〜91/4×ばつ121/4〜121/2
タブロイド判(Tabloid) ×ばつ400 111/4×ばつ153/4
×ばつ315 91/4×ばつ121/2
  • 日本ローカルの判型
    日本の主要な新聞社が採用している。
    ブランケット判の半分の大きさで、国際的なタブロイド判のサイズとはやや異なる。夕刊フジ日刊ゲンダイフジサンケイ ビジネスアイなどのほか、自治体の広報紙、新聞形式のフリーペーパー機関紙、新聞の折り込み広告などで、広く採用されている。
    • 菊判 - ×ばつ636mm(菊半裁)×ばつ469mm(菊四裁)
    • オフセット枚葉機による印刷を行っている中・小規模地域紙においては、ブランケット判代用としてJIS B3判(×ばつ515mm)を、タブロイド判代用としてJIS B4判(×ばつ364mm)を用いる例が多い。

その他の規格

[編集 ]
  • バイブルサイズ(聖書サイズ) - ×ばつ170mm
元になったのはFilofax社がシステム手帳に用に販売している「Personal」と「Slimline」であるが、こちらは33/4in×ばつ63/4in(×ばつ171mm)であり、日本国内で流通するサイズより僅かに長辺(縦)が長くなっているが、1mm差なのでバインダーは共通である。またB6に比べ短辺(横)が短くなっているが、B6の判形が収まるバインダーも多い。
携帯用聖書に広く使われるサイズに近いため、山根一眞がシステム手帳の解説本で「バイブルサイズ」と表現したことから日本国内ではこう呼ばれる。

脚注

[編集 ]

関連項目

[編集 ]

外部リンク

[編集 ]

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /