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石井素介

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石井 素介(いしい もとすけ[1] 1924年1月 - 2017年 3月24日)は、経済地理学ドイツ研究などを専門とし、経済地理学会会長なども務めた日本地理学者明治大学 名誉教授 [2] [3]

経歴

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愛媛県 周桑郡 小松町(後の西条市)に生まれる[2]

1943年第一高等学校を卒業して東京帝国大学理学部地理学科に進んだ[2] 。戦時下の学生生活の中では、満洲国での調査も経験した[3] [4] [5]

1946年に大学を卒業して、内務省 国土局計画課などを経て[2] 1948年から総理府資源調査会事務局に8年間勤務した[3] 。資源調査会に勤務した時期には、特に水害調査に従事し、以降、資源論や災害論に取り組む契機となった[2] [3]

1956年明治大学文学部史学地理学科(地理学専攻)専任講師に転じ、1957年に助教授、1963年に教授に昇任した[2]

この間、1962年には「日本における水害の地理学的研究」により、東北大学から理学博士を取得した[2] [6]

1969年には、在外研究の機会を得て西ドイツボン大学に赴き、以降、訪独を繰り返してドイツ農村の研究などに取り組むとともに、1976年以降には日独地理学会議の開催に関わった[2] [5]

1988年から1994年にかけては、経済地理学会会長を務めた[2]

1994年に明治大学を定年退職し、名誉教授の称号を贈られた[2]

2013年に急性心筋梗塞に倒れ、入院生活を経て自宅静養となったが、以降にも資源論に関する研究論文 を発表するなどしていた[2] [5]

2017年3月、肺炎で入院し,程なくして死去した[2]

石井は、1970年代からドイツ各地の大学が発行する地理学関係の紀要類の収集に当たっていたが、最晩年にこれを明治大学図書館へ寄贈し、同図書館の紀要である『図書の譜』に「ドイツ語圏諸大学の「地理紀要」シリーズについて -明治大学図書館納入文献の解題とリスト-」を寄稿したが、これは石井の死去の直後に刊行された[2] [3] [7]

おもな著作

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単著

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  • 西ドイツ農村の構造変化 社会経済地理学的分析序説、大明堂、1986年
  • 国土保全の思想 日本の国土利用はこれでよいのか、古今書院、2007年

編著

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  • 図説日本の地域構造、古今書院、1986年
  • 産業経済地理 日本、朝倉書店(総観地理学講座 14)、1992年

共著

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共編著

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共訳書

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脚注

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  1. ^ 石井 素介 ISHII Motosuke」『KAKEN』国立情報学研究所。2024年9月7日閲覧
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m 横山秀司「石井素介先生のご逝去を悼む」『地理学評論 Series A』第90巻第6号、日本地理学会、2017年11月1日、634-635頁、CRID 1390854717441956224 
  3. ^ a b c d e 山崎憲治「紙碑 石井素介先生の逝去を悼む」『経済地理学年報』第63巻第2号、経済地理学会、2017年6月30日、197-199頁、CRID 1390845712971724544 
  4. ^ 石井素介「三河紀行素描 戦時下の旧北満辺境調査旅行日誌」『空間・社会・地理思想』第5号、大阪市立大学、2000年、62-75頁、CRID 1390853649849953408 
  5. ^ a b c 水内俊雄「石井素介先生を偲ぶ ―日独地理学会の思い出と本誌へのご寄稿―」『空間・社会・地理思想』第21号、大阪市立大学、2016年、49-51頁、CRID 1390290699900204544 
  6. ^ 日本における水害の地理学的研究」国立国会図書館。2024年9月7日閲覧
  7. ^ 石井素介「ドイツ語圏諸大学の「地理紀要」シリーズについて -明治大学図書館納入文献の解題とリスト-」(PDF)『図書の譜 明治大学図書館紀要』第21号、明治大学図書館、2017年、11-51頁、2024年9月7日閲覧 

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