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櫛石窓神社

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櫛石窓神社

拝殿
所在地 兵庫県 丹波篠山市福井1170
位置 北緯35度06分43.95秒 東経135度19分45.69秒 / 北緯35.1122083度 東経135.3293583度 / 35.1122083; 135.3293583 (櫛石窓神社) 座標: 北緯35度06分43.95秒 東経135度19分45.69秒 / 北緯35.1122083度 東経135.3293583度 / 35.1122083; 135.3293583 (櫛石窓神社)
主祭神 櫛石窓命
社格 式内社(名神大2座)
県社
創建 不詳
例祭 4月29日 [1]
地図
櫛石窓神社の位置(兵庫県内)
櫛石窓神社
櫛石窓神社
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一の鳥居

櫛石窓神社(くしいわまどじんじゃ)は、兵庫県 丹波篠山市福井にある神社式内社(名神大社)で、旧社格県社

祭神

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祭神は次の3柱[2]

主祭神
配祀神

祭神について

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祭神とする櫛石窓神・豊石窓神に関して、史書では櫛石窓神社自体に関するもの以外に次の記載が知られる。

  • 古事記天孫降臨
    ニニギの従者として「天石門別神」の名が見え、同神について「またの名を櫛石窓神・豊石窓神という」とあるほか「御門の神である」という。
  • 古語拾遺
    天照大神が岩戸から新殿に遷座したのち「豊磐間戸命と櫛磐間戸命の二神に殿の門を守衛させた」とあり、「両神は天太玉命の子である」という。
  • 延喜式神名帳
    宮中の神祇官西院において「御門巫祭神 八座」として、櫛石窓神・豊石窓神が4面の門に各1座ずつ祀られている[3]

これらの史料に対して、その内容と櫛石窓神社との関係は明らかでないが[4] 江戸時代の『神名帳考証』では内裏の各門の上に祀られた櫛石窓神・豊石窓神の本社は丹波国の当社である、と考察されている[5]

歴史

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新抄格勅符抄大同元年(806年)牒によれば、当時の「櫛石窓神」には丹波国から神封5戸が充てられている(文献上初見)。

延長5年(927年)成立の『延喜式神名帳では丹波国 多紀郡に「櫛石窓神社二座 並名神大」と記載され、2座が名神大社に列している。また、平安時代中期-末期頃の作と見られる神像3躯(国の重要文化財)が現在まで伝世される。

中世には「大芋社」と見える[4] 。また、応仁の乱ののち度々戦火に遭い、永禄10年(1567年)に再建された[4] 。しかしながら天正年間(1573年-1592年)に明智光秀の兵火で全焼し、社領もほとんど没収されたという[4]

近世の造営を伝える棟札には、寛文3年(1663年)の本殿造営時、安永4年(1775年)の拝殿造営時のものがある[5] 。近世には「櫛岩窓大明神」と呼ばれ、「大宮寺」という神宮寺もあった[4]

明治6年(1873年)、近代社格制度において村社に列し、明治37年(1904年)に県社に昇格した[6]

境内

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本殿

現在の本殿は昭和34年(1959年)の造営[5] 。かつて社殿のそばには「福井」と呼ばれる霊泉が存在し、付近の地名の由来ともなっている。

また、社殿後方には「宮山」と呼ばれる高さ約30メートルの丘がある。宮山の頂上付近には「霊岩(みたまいわ)」という磐座が残り、古代祭祀の名残を現代に伝えている。

摂末社

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  • 稲荷神社
  • 福井村地神合祀殿
  • 火雷大明神

文化財

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重要文化財(国指定)

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  • 木造櫛岩窓命坐像・木造豊岩窓命坐像(彫刻) - 指定名称では「櫛窓命」と表記。平安時代の作。明治44年4月17日指定[7] [8]
  • 木造大宮比売命坐像(彫刻) - 平安時代の作。明治44年4月17日指定[9]

神道では元来偶像を祀る習慣はなかったが、仏教の影響で神像が製作されるようになった。神像の製作は文献上は8世紀からみられるが、現存遺品があるのは平安時代初期以降である[10] 。当社の像は古い神像の特徴を有しており、平安時代中期から末期の造像と見られている[11] 。なお、櫛石窓命坐像・豊石窓命坐像は1981年12月から1982年4月までの間(日付の特定不能)に盗難に遭っている[12]

現地情報

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所在地

交通アクセス

脚注

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  1. ^ 櫛石窓神社(兵庫県神社庁)、境内案内板による。一方、『兵庫県の地名』・『日本の神々』では4月25日と記載する。
  2. ^ 祭神は櫛石窓神社(兵庫県神社庁)による。
  3. ^ 宮中・京中の式内社一覧」参照。
  4. ^ a b c d e 櫛石窓神社(平凡社) & 1999年.
  5. ^ a b c 櫛石窓神社(神々) & 1985年.
  6. ^ 櫛石窓神社(兵庫県神社庁)。
  7. ^ 木造櫛岩窓命坐像 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
  8. ^ 木造豊岩窓命坐像 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
  9. ^ 木造大宮比売命坐像 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
  10. ^ 久野健編『図説仏像巡礼事典 新訂版』(山川出版社、1986)、p.93
  11. ^ 木造大宮比売命坐像・木造櫛石窓命坐像・木造豊石窓命坐像 (PDF) (丹波篠山市ホームページ)。
  12. ^ 文化庁文化財保護部美術工芸課監修『文化財保護行政ハンドブック 美術工芸品編』(ぎょうせい、1998)、p.128

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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